新潟県南魚沼市塩沢地区に堂々とした山容を見せるのが、南魚沼の秘峰「金城山」だ。標高1369mの低山ながら、山体は大きく山頂までのルートはかなり時間がかかる。
今回は一般的な登山ルート「観音寺ルート」ではなく、「水無ルート」「滝入ルート」を使って山頂を目指します。
金城山のふもとにある「雲洞庵」は曹洞宗のお寺で、山号が「金城山」。雲洞庵は戦国武将「直江兼続」が幼少時を過ごしたところでも有名。まさにこの土地を代表する寺院の山号を掲げていることから、金城山への思いが感じられます。
五十沢地区の駐車スペースから
金城山登山口は、塩沢町五十沢地区の奥にあります。どこにも標識はなく、民家の前の舗装路を行き止まりまで行き、10台ぐらいのスペースがあります。駐車場の看板もなく、いきなり登山口といった印象。もちろんトイレはありませんし、コンビニも国道17号線を走っているうちに済ませましょう。
登山口には登山ポストがあり、行動計画書を提出できます。人気の少ない山なので、必ず提出して登り始めたいものです。
今回は水無コースを登り、滝入コースで下る周回ルートで山頂を目指します。水無コースは下山禁止なので、この周回コースか滝入コースのピストンに限られますが、例外として観音山コースへ下る方法もあります。
ただし車で来られる方はこの二つに限られるでしょう。
今回は標準時間約9時間、距離10.36km(今回測定)
累計標高差上り(水無)1051m、下り(滝入)1034mになります。
累計標高差上り(水無)1051m、下り(滝入)1034mになります。
滑りやすい痩せ尾根を登っていく
徒渉や樹林帯の斜面を登りきると展望の良い痩せ尾根に出ます。このパターンを繰り返し登っていきます。樹林帯の斜面は急で滑りやすく、トレッキングポールなども使いにくい斜面。なかなか気の抜けない斜面が続きます。
魚沼盆地がよく観えます。
岩壁に遭遇すると、さらに斜面の難易度が上がる
五合目で大きな岩に遭遇します。この辺りから岩を縫うように登山道がかわってきます。非常に滑りやすい斜面のトラバースなど、非常に危険ですので慎重に!
岩を回り込むことも
山頂は岩峰の峰々に圧倒される
金城山の最高地点には実は標識がありません。9合目を過ぎて最初の開けたピークが山頂ですが、実はここは標高が高いだけであまり面白味はありません。そのまま進むと金城山避難小屋に到着。ここにはトイレもあって、例年月から解放されています。急な天候変化などに利用するのがいいでしょう。
避難小屋を過ぎるとクライマックスの岩峰が観えてきます。
岩峰の先端に上ることもできますが、鎖や手づかみで慎重に登りましょう。さらに、摩利支天などが奉られる岩の上にも到達できます。
越後山々がすばらしい姿で眺められます。
7合目付近で分岐するルート
山頂からのルートは7合目付近まで樹林帯。急な斜面は鎖が設置されています。
大きく視界が開けると、滝入コースの分岐です。道標には五十沢、大月コースと表記されています。ここを右へ進みます。
しばらく樹林帯を下っていきます。ピンクリボンは何とかありますが、かなり不明瞭。慎重に下りましょう
滝入コース四合目で沢に出ます。
しかしこの辺りからルートが不明瞭になってきます。ピンクリボンは少なく、さらに進行方向が沢だったりして、思うに任せません。
実は近年の豪雨で二合目からの橋が流されているとか?まだ四合目ですが、それでもかなり荒れている印象。踏み跡をたどり進みますが、草が生い茂り道なき道を行く感じ。
それでも綺麗な滑滝などにも遭遇
今回はこの先でかなりルートを消失して困りました。本来のルートはなかったと思います。細かい解説が多いので、詳しくは動画をご覧ください。
なかなか手強い金城山
どなたにでもお勧めできる山ではありませんが、登山スキル、沢登りなどを得意とする方へは、かなり楽しめるかと思います。一般の方は熟練した方と一緒に行くことをお勧めしますし、天候があれそうなときは絶対に足を踏み入れないでください。にしても南魚沼の秘峰は素晴らしかった!コロナ禍ですから、マイカーで直行直帰で楽しんでくださいね。
金城山の基本情報
住所:新潟県南魚沼市山谷(登山口)
電話:025-773-6660 (南魚沼市市役所)
アクセス:関越自動車道塩沢石内ICより35分