
丹波口駅は、京都駅と四条烏丸を結ぶ線を底辺にして、西へ正三角形の頂
点の場所にあたります。この三角形の一辺は 1.5kmほど。つまり、最寄品
の店としては、京都駅前と四条烏丸の、直接的な影響はない立地です。
丹波口から、真西 1.5kmには、前回紹介したダイヤモンドシティ・ハナが
あります。やはり、直接に影響を受ける距離ではありません。いわば、商
業集積の中間の空白地帯です。
このような、立地に、丹波口駅前のマツモトが出たのは、昨年のことです。
マツモトというチェーンは、丹波の国の亀山市に本部のある中堅チェーン
で、7年前から京都市内に進出し、それぞれが繁盛店となっています。
マツモトのサイト http://www.super-matsumoto.co.jp/index.html
15店舗で、年商は 310億円、12期連続で増収増益と絶好調です。繁盛して
いる理由は 500坪前後という、従来、市内には少なかった規模で出店した
ことと、100~200台の駐車場を備えていることです。
従来の京都市内のスーパーは、ほとんどが100~200坪の売場で、駐車場を
備えていません。あったとしても 20~30台のレベルです。
丹波口駅の周辺は、工場や市場、倉庫が多い地域です。五条通の南側の広
い面積を、中央卸売り市場が占めています。マツモトが出店したこの土地
も、日本たばこの土地です。
店の北側が『壬生』と呼ばれる地域です。新撰組の屯所があったことで有
名ですね。
つまり、このあたりは人口密度が必ずしも高くありません。でも、そこそ
こ広い敷地で、駐車場を備えた店づくりという点からみると、穴場といっ
て良い立地です。前回、紹介したように、五条通が拡幅されて渋滞の心配
も少なくなりました。
マツモトの店は3層で、売場は1階のみ。上の2層が駐車場で 200台以上。
街の中心部に近い場所で、この駐車場は立派です。
私が目安にしているのは、郊外ならば、目標年商1千万円に対し1台の駐
車場、市街地なら目標年商2千万円に対し1台を目安とします。
マツモトは、AJS(日本スーパーマーケット協会)のメンバーです。関
西スーパー、サミットなど、全国の有力中堅スーパーが参加している団体
で、日本の食品スーパーのスタンダードをリードしてきました。
マツモトの店に入ると、AJSらしい雰囲気です。近年、流行っているし
ゃれた内装デザインというものではありませんが、クリンリネスが行き届
いて、安心して買物できる店です。
新幹線の中での昼食のために、惣菜売場を探します。惣菜6種類が少しず
つ1パックに収まって 298円というのを見つけ、小さめの寿司パックとと
もに買い求めました。これは、なかなかいいアイテムだと思います。
買い手にとっては、少しずついろいろ食べられるし、売り手にとっては、
100~150円のパックを、たくさん作るという手間が省けます。
内容は、高野豆腐と椎茸の煮物、里芋(マツタケ風にカットしてあります)
の煮物、こんにゃくの豆腐和え、青菜の胡麻和え、ひじきの煮物、ポテト
サラダと充実しています。これで 300円弱は買いやすいですね。
マツモトの店は、十分な売場面積と駐車場という骨格がしっかりしている
店づくりに加え、売場管理はAJS仕込みで、きちんとしています。
一人の客として、欲を言えば、イートインのコーナー(20席ほどあります
が)のアメニティ性を充実して、惣菜を、その場で落ち着いて食べられる
ようになれば、言うことがありません。
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