バトルランナーズ<BRZ>

ストリートダンス全国大会(BRZ)を情報発信します!

ISOPPブログ/アイエスオーピィピィより

2007-03-06 18:34:38 | Weblog
北海道のバトルランナーズ予選でジャッジをしてきた。

点数もKOもタイムもない世界だけどステージバトルでは勝敗が出る。
優勝チームは本戦高知でのバトルランナーズへ北海道代表として足を運ぶ。
本戦は各県の代表チーム同士だから全試合が更なる強敵とぶつかり合う訳だ!
しかしそれはどのチームにとっても同じ事、やるっきゃない。
決勝が終わった後、最後の優勝チームからなかなかいい言葉が出た。

『北海道の為にがんばってくるので応援してください』

ぶぁぁぁぁぁ~、、ダメだダメなんだ~、俺こーゆう熱いのに弱いんだ~。
だって自分も今までやってきたから痛いほどにわかる、痛いさコレ!!痛いさ!
「勝ってカブトの緒を締めよ」という口技があるがまさにそれ、
トーナメントで負けた同じ県の参加者の気持ちも、自分の土地のみんなが応援してくれてる気持ちも、
全部背中にしょって北海道をかついで戦いに出る訳。

そのプレッシャーというのは本当に大きなもので、
押しつぶされそうになったりプレッシャーが集中力を乱したりする事もある。
それらを乗り越えて『代表』という言葉をしょいながら自分にムチを打って本戦に望む
これが男の姿っしょ、それがかっこいいってことっしょ、
顔とかルックスとか、そーゆうことじゃないっしょ、
本気でやってる奴らの背中が一番カッコいい!!
全部吸収して大きな魂でぶつかってきてくれ!!!
そしてそれをみんなは応援してくれ!!

今回の旅でも沢山の出会いがありましたが、
その中でもとても大きな巡り会いをしたのが
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『男熊谷』
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そう、この度々出て来ているリーゼントのおやっさんです。
最後はこのおやっさんについて話そうと思います。
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ストリートダンスとはまったく無縁だった彼にとって今回のイベントはなにもかも全てが初めてのこと、
手探りでこの日まで沢山の反対を押し切りながら突っ走って来たそのうしろには
『今自分が若者の為になにができるか』という想いが込められていた。
僕は彼がふっと口にした一言を忘れない、
『この北海道にはがんばってるやつらが存在する場所がない』
これは地元を本当に深く愛してないと言えない言葉だ。
必死だったと思う、不安だったと思う。
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僕はISOPP WORLDのDVDの中にも書いているが
人より力を持っている人間が本当にサポートしなくてはならない事とは可能性を引き出してあげる事だと書いている。
彼がやろうとしていることはこれにあたいする。
若者には時間とエネルギーはあるが、知恵やお金や権力はない、
大人は何かと忙しく知恵やお金や権力は手にしていくが時間や情熱がない。
なかなか全てが揃っている時とはないものだ。
おやじが、お兄が、少年が、、全ての年代がみんなでがんばらないと完成することなどない。

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バトルを終え
表彰式を終え
無事にイベントを終えた最後に主催者からの一言がありました。
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『こんなオヤジでもここまでできるんだって事覚えといてくれよな~!!』
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やりきったオヤジの一言だった。
その言葉に舞台袖に立っている参加者達から『ありがとう!!』『ありがとう!!』『ありがとう!!』と
大声が沸き起こった。
僕は一瞬で泣いてしまった。
縁の下の力持ちで動いているスタッフに感謝しているダンサーなどほんの一握りだ、
でも主催者、スタッフ、客、ダンサー、DJ、MC、ジャッジ、みんながいて初めてできるもんだ。
ここにいる奴らは若くしてそれをわかっている、
『ありがとう!!』という声は
『存在する場所をくれてありがとう!』『力を貸してくれてありがとう!』と聞こえるようだった。
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全員が舞台の中央に駆け寄り抱き合った、
負けて落ち込んでいる奴らもみんな駆け寄ってた
『ありがとう!』『ありがとう!』
そんなの見て泣かねーわけねぇだろう!なんだこれわ!
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いつも思っている事、訴え続けてきたことがこの14年を通して初めて目の前で形になった。
会場すべてが一つになった瞬間・・
そんな場所に自分が立っている、なんて幸せなんだろう。
これがパーティだ!みんなの喜ぶ姿があふれている。
この世界に生きてて良かった、オヤジもみんなも泣いてる、
こんないい世界があるなら、こんなに感動があるなら、
みんなでがんばればもっともっとHIPHOPも良いものになれるばず!
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今回のこの派手なおやっさんとの出会いは僕の中で始まりの序章に過ぎない、
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『男熊谷』
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この男の力はこれから先、北海道に日本列島に大きな影響を与えるかもしれない



(ISOPPブログ/アイエスオーピィピィより 2007.03.05)