隣のおばあちゃんは 今日も物静かで動き回る様子も無くジ~ッとしています。
テレビを見るでもなく お喋りをするでもなく ラジオを聴くでもなく
一日中、 ベットで起き上がっては又横になったりする程度のようです。
見かねた看護婦さんが「少しお散歩しませんか?」 「身体を起こすのはまだ辛いですか?」
とか気を使って話しかけたりしている。
すると
やっと おばあちゃんは不機嫌そうに答えてくれた。
「私のテレビあっちむいているさ~ ほかに楽しみも
ないのに テレビもみられんサ~ せっかくテレビカードも買ったのにどおするね~ 誰でも怒るでしょう?・・・」
我慢していたおばあちゃんの怒りは話していくうち、どんどん大きくなっていくようにも見えた。
びっくりした様子の看護婦さんは
「おばー このテレビはどこにでも向くヨ~ほら ほら簡単にほらネ・・・これくらいでどう?
大丈夫? 見えるね~?」
おばあちゃんは一瞬固まったように見えた。
つい今しがたまでの怒りは何処へ納めたらいいのか・・
おばあちゃんも少し苦笑いでごまかすしかなかったようだ。
「最初から 教えてくれればいいのに・・・誰も何も言わんから 解らんかったサ~ ゴメンね 大きな声出して・・・」
おばあちゃんも 看護婦さんもすぐに笑顔になった。
まわりにいた私達も ほっと胸をなでおろした。 解らない事は誰かに聞こう・・・
私も改めて そう思ったのでした。
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