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2011年4月4日 記
ウルグアイの映画です
何の前情報もなくて
録画しておいたものを
何気なく夜中に見たのですが
とても印象に残る映画で
好きな映画のひとつになりました
「WHISKY」ウイスキーは、
もちろんご存じのとおり
写真を撮るときの「チーズ!」のこと
映画は地味な滑りだしでしたが
街のたたずまいや、工場のシャッターなど
ブエノスアイレスの街外れを思い出しながら
楽しんで観ていました
そして三人の人物像が
はっきりとわかるにつれて
夢中になっている自分がいました
マルタ役の
ミレージャ・パスクアル<Mirella Pascual>
が魅力的だった
本当に地味で無口なおばさんが登場
工場で毎日働き、静かに暮らしている
話さずとも、見える
心の躍動、葛藤...
マルタがどんどん変化していく様が
とても素敵だった
内面の変化が
髪型や服装にも現れてくるのですが
それも実に、慎ましやかなにじみ出しで
何だか可愛らしくもある
ハコボはそんな女性の変化など
気がつかないんだろうなとか、思いながら…
マルタもどことなく
日常にはない自分を
楽しんでいるような…
ウルグアイの靴下工場を経営する
無口な男やもめの、ハコボ
その工場に長く勤めているマルタ
物語は、ハコボの弟、エルマンが兄を訪ねてくる
ということで、展開していきます
変化もなく、退屈な毎日が
淡々と繰り返される
そこに、陽気な弟エルマンが
やって来るという便り
<これから映画をご覧になる方はここまでに願います>
変わらぬ日々にスッとひと色指したような
そんな感じになります
掃除のシーンはありませんが
ハコボの家が整理され
止まった時間が、動き出したような
モノトーンの世界が、色彩を取り戻していくような
死んだものに、血がかようような
その変っていくようすが好きでした
全体にどこかにぎこちない、
やるせなさをかもしています
でもそれが奇妙に、何だかリアルに感じます
公式サイトをみつけると
『ウルグアイ映画。映画誕生以来、
60本の映画しか作られていない国から、
世界中を虜にする傑作が誕生!』
・・・60本?
うーん。
ますますこの映画が気に入りました
映画全体に言葉少なく、
淡々としていています
じわり、じわりと
独特のテンポで進んでいきます
ラストシーンは、
それぞれの結末がはっきりと描かれていない
それぞれがどう生きていったのか
想像させるような結びです
そのせいか、映画が終わり
すっかり好きになってしまった3人
ハコボ、マルタ、エルマンたちが
幻の映画の街に消え去ってしまうと
その残像を追いながら
おいてけぼりにされた私は
さて、どうやって生きていこうか。。。
なんて考えながら
まるで自分も
ウルグアイの街の住人になって
ひとりアスファルトの街路に
佇んでいるような
そんな気持ちになりました
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以下、公式サイトより転載
http://www.bitters.co.jp/whisky/index.html
「ウィスキー」
2004年東京国際映画祭 グランプリ・主演女優賞
2004年カンヌ国際映画祭 オリジナル視点賞・国際批評家連盟賞
出演:アンドレス・パソス、ミレージャ・パスクアル
ホルヘ・ボラーニ
監督:フアン・パブロ・レベージャ、パブロ・ストール
脚本:フアン・パブロ・レベージャ、パブロ・ストール
ゴンサロ・デルガド・ガリアーナ
撮影監督:バルバラ・アルバレス
編集:フェルナンド・エプステイン
録音:カトリル・ビドソラ、ダニエル・ヤファリアン
美術:ゴンサロ・デルガド・ガリアーナ
音楽:ペケーニャ・オルケスタ・レインシデンテス
製作:フェルナンド・エプステイン
<ストーリー>
ウルグアイの町。
ハコボは、父親から譲り受けた小さな靴下工場を細々と経営している。
毎朝決まった時間に工場に行き、シャッターを開ける。
その工場では、控えめだが忠実な中年女性マルタが彼の片腕として働いている。
ハコボの一日の大半は、彼女にこまごまとした用事を言いつけることで過ぎてゆく。
二人は長年仕事をしていても、必要な会話を交わす以上の関係になることはなかった。
1年前に亡くなった母親の墓石の建立式に、ハコボの弟エルマンが来ることになる。
ブラジルで同じく靴下工場を経営しているエルマンと、ハコボは長い間疎遠になっていた。
ハコボは弟が滞在する間、マルタに夫婦の振りをして欲しいと頼むと、
意外にも彼女はすんなりとハコボの申し出を受け入れる。
そして偽装夫婦の準備を始める二人。
結婚指輪をはめ、一緒に写真を撮りに行く。
カメラの前に立ち、二人はぎこちなく笑う。「ウィスキー」
そしてエルマンがウルグアイにやってきた。
ハコボ、マルタ、エルマン嘘でつながった彼らはどんな物語を繰り広げていくのか・・・。
2011.4.4 記
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