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競馬

着外への賞金など要らない

2010-01-31 02:27:48 | Weblog
昔から、自分が買った穴馬の騎手が、スタートから控えて道中は後方待機、3角からまくるでもなく4角でもまだ後方で、最後にやっと追い出して直線でちょこっと差して8着、みたいなレースを百万回は経験してきて、そのたびにこの騎手は本当に勝とうと思って乗っていたのだろうかと、ずっと疑問に思ったものだった。よく友人と、「もし勝たなければブッ殺すとか言われても、ああいう乗り方をするのかなあ」などと話したものだ。そう、競馬を始めた頃は、すべての馬(陣営と言い換えてもよい)は勝つためにレースに出ていると信じて馬券を買っていた。

それが誤解だとわかったのは、一口馬主を始めてからだ。ちなみに一口馬主という言い方は、馬主ではないのだから使ってはいけないと、本物の馬主からどこかにクレームが入ったことがあると聞いたことがある。残念ながら、今の世の中で馬主をリスペクトする者などほとんどいないのだが、中小企業のオーナーなどになると、周りに太鼓持ちが多くてどうしても眼が曇るのであろう。

さて、本題に戻るが、一口を始めた頃、送られて来る入金明細を見て知ったのだが、当時の賞金配分は1着を100とすると、2着が40%、3着が30%、4着が20%、5着が10%の配当なのだが、それで終わりではなく、何と、6、7、8着にまでそれぞれ9%、8%、7%の配当があるのだった(今は不景気により多少変わったはず)。何と生ぬるい世界であろうか。これで今までの疑問は氷解した。そうか、勝たなくても、馬券圏内の3着に来なくても、着外でも賞金は出ていたのだ。勝ちにいって惨敗するぐらいなら、着実に8着までに入って賞金を稼ぐことを繰り返せば、一ヶ月の預託料ぐらいは充分に賄えるのである。馬券購入者は3着の馬を当てるしかないのに、馬主や調教師、厩務員、騎手が8着まで賞金がもらえるのは断じてフェアではない。それなら、6着や7着、8着を当てる馬券も発売すべきだと思う。

何年か前に、一口で持っていたマイネルソロモンという馬が香港のG1レースに出ることになり、クラブから事前に香港競馬の詳細が書かれた書類が送られてきたのだが、それをみてオッと思ったことを覚えている。正確な数字は覚えていないのだが、香港競馬では総賞金のほぼすべてが、1着、2着、3着までの馬へだけ配分されていたのだ。これが本来のあるべき姿であろう。すなわち、馬主や厩舎関係者は馬券圏外の馬を出走させてもまったく意味がない。出すからには勝ち負けをさせなければならず、馬券を買う側もその前提で予想ができる。

暴論と言われようが、着外への賞金などやめてしまえばいいと思う。一口馬主の賞金など減っても構わない。本物の馬主だってあぶく銭で馬主をやるべきなのだ。馬主など、余剰金の道楽以外の何者でもなく、西山牧場やノースヒルズのようなオーナーズ・ブリーダーにとって厳しいのはわかるが、そもそも馬主を職業にしてはいけないと思う。牧場経営でビジネスを成り立たせ、あくまで馬主は道楽でやるべきだ。

もしも、賞金が3着の馬にしか出ず、すべての馬が3着までの馬券圏内を目指すことが常態化したならば、競馬はさぞかしスリリングだろうと思う。3着までに入らないと賞金がもらえず、馬券購入者もまた、自分の買った馬が3着までに来なければ馬券は紙くずになる。とてもフェアだ。4着以下だと、馬主、調教師、厩務員、騎手、そして馬券を買った者、すべての者にとって意味がない。絶対にそれが正しいと思う。

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4 コメント

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馬主は道楽ではない (ウマズキ)
2010-01-31 10:22:54
お久しぶりです。
ブログ主さんは着外への賞金はいらないとのことですが、私はこの意見には賛同できません。
まず、あなたは3着までに賞金が入る仕組みを作れば競争原理が働くスリリングな競馬が見られるとのことですが、今の状況下でも十分競争原理が働いていると思います。

まず、未勝利戦は競馬場に残るために勝つことが要求されますし、500万、1000万クラスでも優先権である着順に入らなければローテーションも組めないので1戦1戦が勝負になってきます。とても着拾いでレースに臨むという甘い考え方をしているところはないと思います。

もっとも、私は競争原理云々という点より、あなたの「馬主は道楽だ」という言動がとても残念に思いました。

馬主は道楽ではなく立派な投資産業だと思います。競馬という興行を成り立たせるためには馬主の存在が不可欠なのは言うまでもなく、彼らこそが最大の競馬ファンであり、競馬という興行のサポータであるはずです。とても道楽という発想ではこんな投資効率の悪い、経済的負担を強いられるところに資金を突っ込むことはしないでしょう。自分の愛馬に夢を託すと同時に、金銭的に負担を強いても常時競馬場に馬を置いてくれる馬主は待遇が良くて当然だと思います。

馬の購入資金、育成場での預託料、厩舎での預託料、これらはすべて馬主の負担で賄われていて、競馬サークルにいる人間において馬主の数を減らすような行為は競馬という興行の規模を小さくするのと同時に日本のGDPを引き下げる行為に他ならないです。競馬という産業にかかわる人間の多さを知っていればとても着外の賞金をなくせなどという視野の狭い発想はしないはずです。

競馬という事業が多いに発展することを願っている人間としてあなたが言う「馬主は道楽」という発想はとても受け入れられず、気になってしまい長ったらしい拙い文章を書いてしまいました。
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道楽ではないけど・・ (ゼロワン)
2010-02-01 21:33:14
マジシャンが、勝ちました
最後の直線、ハラハラドキドキ・・
最後は、声が出ていました 「行け!! もう少し!!」「勝ったか!!?・・」
今の世の中、ハラハラドキドキすることなんてほとんどないですよね
そんなシゲキを求めて、「一口馬主」を選んだのかもしれません
少なくとも「投資」目的ではない、
かといって「道楽」でもない・・と思っているんですが、他の人からみれば「道楽」に映るかもしれません
難しいことはわかりませんが、「自分の子ども」が陸上競技に出て、それを応援している親になるために一口お金を出している心境です
それから賞金のことですが、私も3着まででいいと思います 馬券を買う者と騎手・調教師は同じ目的じゃないと不公平と思います
競馬が主で馬券は従じゃなく、平等じゃなあいと不信感がうまれてくる
「ゴール前なのになんで追わないの? なんで引っ張るの?」ということが今まで多々ありました
馬も騎手も調教師も馬主も一生懸命だからおもしろいと思います
長くなりました
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馬主とは… (ブログ主)
2010-02-02 01:25:13
ウマズキさん、本当にお久しぶりです。ゼロワンさん、こんばんは。コメントいただき、ありがとうございます。少し補足的な意味でコメントします。

競馬という文化において、本来、馬主は道楽としてやるべきだというのは、自分がずっと持っている主義です。ちなみに、道楽というのはマイナスの意味に取られがちですが、道楽はとっても大事なことです。道楽こそが文化や芸術を支えるからです。道楽とは辞書を引くと、「本業以外のことに熱中すること」とあります。ただし道楽のうしろに「者」をつけると、とてもだらしないニュアンスが加わりますから、使う言葉としては適切ではなかったかもしれません。努力しない怠け者のイメージがありますか?大旦那のイメージで使ったつもりでしたが。海外では、金持ちには弱者を助けたり、芸術や文化を支援したりする義務があるという考え方があります(これはパトロンという言葉を使いますが、これも日本では“愛人を囲う金持ち”のように使われるので気をつけなければならない言葉です)が、そういう人たちによって競馬は支えられるべきであるという意味において、それは支援と言い換えてもいいかもしれません。で、その支援とはもちろんお金です。リスクの伴わない範疇での経済的な支援。見返りは名誉と尊敬です。文化や芸術を支えている人は当然のこととしてリスペクトされる社会でなければなりませんし、馬主の側もそう努力しなければなりません。本来、馬主とはそういう存在だと俺は思っています。

そんな余裕がどこに?と言われるでしょうが、馬の生産界に落ちているお金は日本経済総体からみるとそんなに大きいとは思っていません。なのに、限られたお金しか入ってこないのは、まさにここが問題で、馬主が社会的なステータスではないから、本物の資産家や企業、篤志家が支援する気が起きないのだと思います。そういう理由で、馬主は投資であってはいけないと思っています。もちろん優れた馬を所有したという栄誉の対価として高い賞金があっても結構です。でも、馬主経済が苦しいからと、条件レースの馬券圏外の着順にまで賞金が出ている制度には俺は断固反対なのです。また、馬主こそが最大の競馬ファンであり、サポーターであるというご意見でしたが、それは日々競馬場や場外で年間2兆円もの馬券を買うファンだというのが自分の考えです。どちらが正しいかはわかりません。意見や考え方の相違というのは数学の数式とは違うので答えはあるようでないことが多いからです。それぞれが生きている土壌や生きてきた経緯でも変わるでしょう。貴殿には貴殿の目線、自分には自分の目線があります。

現実の馬主というのは競馬を支えているなどという意識はなく、厳しい財政状況の中で、それでも馬主の楽しさやすばらしさが忘れられずにがんばって続けているのが実情でしょう。そういう方々の苦労をみてこられて、そういう馬主たちこそが競馬界を支えているのだという意見や感性を否定することはできませんし、何よりもウマズキさん、貴殿あるいは貴殿のご実家は生産牧場兼馬主でしたね。配慮に欠けていたことをお詫びしなければなりません。申し訳ありませんでした。

俺もこのコメントで自分の主義主張の補足はさせてもらいましたので、この件はいったんここまでとさせてもらいます。
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Unknown (ゼロワン)
2010-02-02 20:12:35
いろいろな考えがあると思いますが
競馬を大いに楽しみましょう
ブログ主さんの競馬に対する「思い」を聞かせていただければと思います
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