ちょっとコーヒーでも飲もうかと中山堂に寄って、
途中で2階のお手洗いから出てきたら、ボランティアの
おじいさんと偶然目が合った。
展覧会を見ていったらいいよ、というので気軽に
部屋に足を踏み入れると…
展覧会のテーマは「青年軍」だった。
初めて聞いた言葉です。詳しくは記事のリンクをご覧ください。
(台湾の新聞の参考記事はこちら)※記事内容は中国語です
その展覧会のボランティアのおじいさんの話は
なんと気まずいことに抗日作戦から始まった!
必死で高校の世界史の記憶をたぐる私、
どんどん話すスピードが早くなるおじいさん…
おじいさんの説明によると、青年軍は蒋介石がひきいる
国民党の軍で、戦時中、抗日作戦で日本と戦ったり、
当時のビルマでイギリスと戦ったりしたそうです。
そこには200もの師団があったそうです。展示室では
当時の映像や写真、軍人さんの持ち物、軍の資料
(規則が書かれた手帳や出身地が書かれた名簿など)が
ところ狭しと展示されていました。
そういえば確かに私の学生時代、高校の世界史のなかの
東洋史の項目に近代中国史かあって、授業で中華民国成立までの
流れをひととおり聞いたことがあったような気がします。かすかな記憶…
でも、実際の人がどのようにその時代を生き抜いて
きたか、どんな資料が残っているのか、ましてや当事者や
その子孫の方がどんかふうに生き抜いてこられたかは
想像もつきませんでした。
展示室のおじいさんは、たとえ相手が私のようは外国人でも、
「ぜひ知ってほしい」というスタンスで熱心に説明してくれました。
こちらでは「抗日」の歴史もあるので日本や日本人に恨みがあったり
するのかなと一瞬思ったのですが、決してそんなことはありませんでした。
(いろんな方がいらっしゃいますから、私も少し用心していました…)
そのおじいさんは今は70代で、実際に戦争を経験したわけではないのですが、
親族の方が青年軍だったそうで、戦後家族で中国から台湾に移り住んだ
そうです。
当時おじいさんが子供の頃に住んでいたのは、日本が引き揚げてまもない
軍の施設だった場所で、そこで同じような数十世帯の人たちと文字通り
身を寄せ合って暮らしたそうです。醤油を隣に借りたりする昔の濃い
ご近所暮らしだったそうです。そして、 そこはジュエンツンだと
言っていました。*漢字不明
残念ながら私の中国語力が及ばなくて全部は聞き取れませんでしたが…。
そして、子供の頃に遊んだ場所は、パオジェンディーだったと
言っていました。そこは、昔昔、日本だった時代に
大砲をしまっておいた場所なんだそうです。
家に帰って、検索したら、おそらく砲陣地じゃないかなあと
思いました(推測ですが…)時代を感じますね。
戦後しばらくはまだ戦争の痕跡が色濃く残っていたのでしょう。
この日はほんとに偶然なのですが、貴重な話を聞く機会になったのでした。