2月に行われた組香。
春を告げる鳥が鶯なように、春を告げる花は梅ということで梅花香。
証歌
梅が香を袖に移してととめては春は過くともかたみならまし (古今集 詠み人しらず)
梅の香りを袖に移して残しておくことができたなら、春が過ぎてしまっても(春の)形見となるだろうなあ、という意味。
構造式
白梅 } (羅国)
紅梅 } 2T (真南蛮)
鶯 } }4 (佐曾羅)
梅花 1 (伽羅)
「白梅」(羅国)と「紅梅」(真南蛮)と「鶯」(佐曾羅)には試香がある。全4種を一炉ずつ聞いてその順番を当てる。
名目
白梅 一輪
紅梅 一枝
鶯 花の友
梅花 梅香
下附
皆 梅花
他 点
試香では「白梅」(羅国)は甘い香りでこげ茶にしまの香木。「紅梅」(真南蛮)は色は羅国と似ていたが、ちょっとゴムのような香りで決していい香りではなかった。「鶯」(佐曾羅)は白い香木でミルキーな香り。
一炉目は佐曾羅。二炉目は甘くて強い香りだから羅国。三炉目はちょっとわかりにくい香りだが、いい香りじゃなかったのでしいていえば真南蛮。四炉目は試香にないので伽羅。ほぼ第一印象で間違いがなかった。
実はこの日は第二回目の香元を務めた。香元はお客に回す前と皆が聞き終わった後と二回聞いて確かめる。三炉目の真南蛮は初めはいい香りじゃなかったが、終わりにもう一度聞いたら甘い香りに変化していた。これで迷った参加者がいたようだ。
この講座では聴き終わった後、リクエストができてもう一度聞き直せる。そのときの真南蛮はゴムのような香りだった。
本香の出は「鶯、白梅、紅梅、梅花」の順。記録紙には「花の友、一輪、一枝、梅香」と書く。
香元の所作は大まかなところでは覚えていたが、まだまだいくつもの注意を受けた。
でも面白い。
この日の地敷は華やか。宝づくしの模様。御所車や砂金袋、鼓、鳳凰などが刺繍されている。
打敷も金のしま模様。
乱箱。空いているところに香炉が二つ入る。何回もお道具の出し入れの練習をする。
梅花香にちなんで梅模様の手記録盆。
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