仕事を終えた夕方の事、
帰り道に知人への書類を手渡ししに練馬の駅へと行く。
要件はものの30秒程度で終わったのだが、
少し駅前ぶらつくことにする。
というか買い物を少し・・・。
気になる看板がある。
珍しい餃子が売りみたいで、
店の前でメニューをみて中を覗く。
夕方でもありランチという雰囲気ではない。
どちらかといえば居酒屋にシフトした感じがある。
入りたいが飲めないし、
飲めないけど入りたい。
スーパーがそばにあったので買い物をしてから考えることにする。
結果、やっぱり入ることにした。
頼んだ餃子が出てきて食べていると、
店員さんがどうもニコニコとしてなんか話しかけてくる。
白髪交じりのおっさんに何の御用かと思ったのだが、
どうも私のことを知っていたみたいである。
「〇〇の仙龍というお店によく来ていませんでしたか ?」
そのお店はかれこれ随分と前になくなってしまったのだが、
「私、そこに勤めていました。」
8~10年ぐらい前のことである。
よく食べに行ったお店である。
小さな定食屋さんだったが特別美味しいわけでもない。
普通に美味しくて値段もごく普通である。
ただ居心地がよくてまた行きたくなるお店だった。
残念ながらお店はなくなってしまった。
懐かしいお店の名前がよくも出てきたものだ。
ただ昔の事で記憶がほとんどない。
店員さんと話したこともないし。
でもよく覚えていてくれたことにびっくりする。
料理が出てきて箸をつけた頃に彼女のシフトが終わる。
着替えて帰るときに残してくれた笑顔は嬉しいものである。
ありがとう。