看護師がアセスメントするとは、看護の最初の過程で、患者の主観的データと客観的データに基づいて分析し、患者の現在の状況を把握することです。主観的データは、患者自身や家族が感じている痛みや不安などの訴えで、客観的データは、検査結果などの数値化や視覚化できる情報です。情報収集の際は客観的なデータだからといって異常を見つけることだけに腐心せず、個々の患者を見てその患者にとっての正常な数値や状態を掴んでおかなければなりません。標準的なケアを理解した上で、個々の患者に合わせたアレンジを考えると個別性のあるケアになります。同時に検査などの数値にばかりとらわれず、顔色を見るなど患者を観察することも必要です。判断材料が多いほど、患者の異常に早く気づくことができます。
判断材料が多いほどよいといっても、無計画に情報収集をしても看護につながる情報を得ることはできません。患者に聞き取りをするときはカルテを見て、あらかじめ質問する内容をまとめておくと聞き洩らしがなくなります。看護計画を視野に入れながら情報収集をすると、アセスメントにつながります。患者の全体像の把握が難しい場合にはヘンダーソンの14の基本的欲求やゴードンの11の機能的健康パターンなどの看護概念モデルに当てはめてみると、主観的データや客観的データの多くの情報を整理することが容易になります。
アセスメントには論理的思考が必要です。他の看護師からアドバイスをもらうと、自分の思考のクセに気づけます。書き方がわからないときは文献を参考にしたり、先輩看護師に話を聞くことも有効です。また、看護師目線で書かれた【こちらの記事】もアセスメント力を身につける上で参考になるかもしれません。