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映画感想文 Vol.34 「THE有頂天ホテル」

2006年01月15日 | 映画感想文
THE有頂天ホテル (2006)
★★★★★★★★★☆



初日に観てきました。やはり初日という事で、満員で、二列目の席で観る破目に。おかげで、ずっと見上げて、しかも画面がでかくて、首痛くて、最初の方は、画面酔いして、あぁ二時間弱も耐えられるかなぁ、ローテンションで観ていたんですけど、世界に入ると、気にならなくなりました。(首の痛みはずっとでしたけど)

まず、登場人物が多いし、そのキャラが一画面で入り混じるので、目で追うのが大変だった。でも、やはり構成が上手いおかげで、「あれ、あのキャラ誰だっけ?」と言わせる前に、コンスタントに出して、記憶させる。ストーリーが進むに連れて、キャラもどんどん絡んでいくので、画面に釘付けでした。

笑いも、コンスタントに入れてあるおかげで、冷める事もないし、逆に観客のテンションを維持できる。(しかも今回は、かなり笑う箇所が多くて面白かった)。おかげで、上映時間が二時間以上あるにも関わらず、全く長いとは感じませんでした。やはり映像での笑いの取り方に関しては、三谷さんは天才ですね。外しません。

しかもこの映画は、〝どんぶり〟という手法を用いています。つまり臨場感を出すために1カット1シーンで撮影する場面が多かった。これは、まるで舞台を見ているような感覚になるし、カメラが自然に動いていくので、リアル感が伝わる。これも舞台を知っている監督ならではだと思いました。本当に、舞台を見ている感覚に近い。

そして、何より三谷映画では定番になりつつある、サプライズゲスト。今回は、あの映画の登場人物がゲスト出演していました。見つけられるかどうかは、あなた次第です。でも、過去の三谷映画を知っていないとわかりません。ファンとしては、世界観が繋がって嬉しかったです。そういうファンサービスは大好きですね。

ラストも、本当に〝大団円〟という言葉が当てはまるような感じで、登場キャラたちがそれぞれ抱えてる問題を解決しています。(解決できていないキャラもいますけど)

過去の二作とは、スケールも面白さも、登場キャラ数も、何もかも上回っている、と言えるでしょう。まさに三谷さんの考えうる全ての要素を込めて作った集大成と言えるんじゃないでしょうか。素直に「面白い!」と言える正真正銘のエンターテイメント作品です。

ただ、やはりストーリーを繋げるために、キャラを強引に動かしているシーンがいくつかあって、(まぁ、あれだけキャラいるとそうしないと絡めないんでしょうけど、)そこがちょっと引っ掛かりましたね。そこがもっと自然に動いていれば、満点でした。でも気にならない程なので、問題ないと思います。

久々に「もう一度観たい」と思った映画です。



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