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筋書きのないドラマ、筋書きのあるドラマ

ロッテ戦を中心に、野球を好き勝手な視点から見るブログ

「カイジ――人生逆転ゲーム」 面白かったけど

2009-10-15 11:34:42 | 映画ア~サ行

友達の保証人として借金を背負い込んだカイジ。チャラになると吹き込まれて参加したゲームは、人生や命までも賭けることになる――


何の努力もしない、勉強もしない、ろくに働かないのに、自分の人生はこんなはずじゃないと言い訳や逃げばかりのカイジ。
だから一発逆転のチャンスなんて甘いささやきに、すぐに引っかかる

そんな自堕落な若者達に香川照之が放つ言葉は強烈だ
主人公の敵なのだから憎まれゼリフなのだろうが、ちょっと共感してしまう部分も。

そもそも原作の漫画家福本伸行さんは、そういうことを大人があまりにも言わなくなった最近の風潮に違和感を感じたとおっしゃっている(日経10/14(夕))。
なるほど、そこがスタートだったなら共感するわけだ


映画で中心に据えられるゲームは、至って簡単なものばかり。じゃんけん、レール渡り、カードゲーム。
それをカイジは機転と気合いで乗り切っていく。
それが見せ場。

う~ん……。

スリリングで面白かったんだけど、これ、「ライアーゲーム」と同じだよね
あのドラマを見たときは新鮮でへえ~と見入ってしまったけれど、そのせいでこちらが二番煎じに思え、オドロキも新鮮味も感じなかった。
更にあちらには「確率論」や「統計」などの要素があって、理論的だった分深かったかな~。

で、じゃあ「軽々しい気持ちでの借金は恐ろしい」という路線はどうかというと、「ナニワ金融道」にはかなわないし。

そういうわけで、ストーリー的にはちょっと残念だったかな……
その甘やかしの風潮だったりの原作者の意図が、もう少し汲まれていると違ったのかも。


ただ、役者さんがかなりイイ

藤原君は、可愛い顔に似合わず何故か狂気を帯びたような役が多くて、何となく割食ってる感があったんだけど、今回はへたれからの成長ぶりを力強く見せる

天海さんも、こういう粋で威勢が良くて、それでいてちょっと影のある役所がとても似合っていた

そして何と言っても香川さん。
勝ち組の鼻持ちならないエリートが上手すぎ
「ゆれる」の卑屈な役を見たばかりなので、同じ人なのに全く違うテイストが面白すぎ

もったいなかったな~と思うのが、友情出演の松山ケンイチくん。う~ん、あれだけですか……残念
それと山本太郎さん。後にも出てくるかと思いきや、退場したっきり。これも残念


総括――面白かったけど、ちょっと目新しさに欠けたかな、でも役者さんは見応えあった。
そんな映画でした。



追記
平日昼だというのに、母親に連れられて観に来た小学生がずーっと咳をしてました。インフルで学校を休んだのでは? おまけにマスクもしていないその非常識さ
離れた席でも気になるほどの激しい咳。
そういう人が映画館に来るってどうなんですか。治るまで待てないのでしょうか。。。


「ゆれる」 余韻の残る映画

2009-10-13 18:24:31 | 映画マ~ワ行

都会でカメラマンをする弟猛と、田舎で親のガソリンスタンドを継いでいる兄稔。
智恵子は、地味で泥臭い稔が想いを寄せていた女性。だが華やかで要領の良い猛に一晩で寝取られる。
そして三人で出かけた渓流の吊り橋から智恵子が転落死……兄が彼女を突き落としたのか?? 
(2006年 オダギリジョー、香川照之、真木よう子)


温厚で優しく、でも地味で男性的な魅力には乏しい。
そんな稔は、要領が良くて女もよりどりみどり、何でも思うようにいく弟に、どういう思いを抱いていたのだろう。

猛も、兄には感謝している、いい奴だと口にしながらも、バカにしていた感がありあり。
優越感を抱いていたのだろうが、それでも今の自分にどこか満足していない様子。

智恵子が吊り橋から落ちて死んだ後、稔には温厚な面とヒステリックな面が交互に現れる。
劣等感の現れか、その卑屈さに、観ていてだんだん胸が痛くなってくる。

「突き落とした」とされる裁判で、「事故だった」と兄をかばおうとする猛だったが、稔の決定的な一言に切れたのか、逆上。
そして猛の取った行動は、裏切り。

これは、兄なりの復讐だったのかな――。
「人を不幸に突き落とすウソをつかせた」こと。

最後に兄は笑ってみせる。
それはどういう笑いだったのか。
「許す」? 「許さない」?

そんな風に、考える余韻をたくさんたくさん残す映画だった。
こうだ、と断定できるところがあまりない。
というか、こうなんだな、と思った私の解釈でいいのかどうか、自信がない。。。(学生時代の国語の読解力試験を思い出してしまう

でも、二人の捻れていく過程など……じっくり見せられる映像から目が離せない映画であることは間違いない

チャラッとした都会男の弟役、オダギリジョーがピッタリ
でもそれ以上に、哀しい兄役の香川照之が素晴らしかった

 


ロッテ、マリン最終戦と、日ハムリーグ優勝

2009-10-07 00:12:12 | 野球

雨の中、成瀬vs岩隈で幕を開けたロッテの本拠地最終戦

2-2のまま双方譲らず緊迫した展開。

ロッテに勝って欲しいけど、楽天を負かしてしまうとM1の日ハム優勝に貢献してしまう。
それもちょっとシャク

だから日ハムさん、とっとと自分で勝って決めて下さいな、と思っていたのに。
9回2アウトからこけて追い付かれて延長戦~。。。何やってんじゃ

ま、順位はどうあれ、この日はボビーの千葉最終戦。
ロッテだって気合いが入ってる

というわけで5-2と勝ち越し、荻野、シコースキーのグッジョブで締め…ではなく。

今日は小宮山の引退試合でもあって、どこかで彼の登場があるはずだった。
それが、ランナーが残った9回2アウトで来た。
もう後には勝ちパターンのピッチャーいないよ、といえる状況

なんちゅう怖い場面での引退イベント

しかし彼はたった1球で片付け、最高齢セーブまで記録。
いやあ、恐れ入りました
日ハムがまだぐずぐずしてるうちに、楽天撃破してやりました

結局日ハムもサヨナラ勝ちしたんで、ま、ロッテが優勝させたげたわけじゃない、ということにしておこう


で、試合後には小宮山とボビーのさよならセレモニー

ボビーの日本語による挨拶は、その拙さも手伝って、かなり胸に迫るものがあった。

中でも自作のポエム。
そして締めの「(ロッテもファンも)愛してます」。
いや~、日本人じゃできません 
ボビーだから様になる。

今年はいろいろ?な采配と思えることも多かったけど。
それまで打ち立ててきたリスペクト精神とか、功績は大きかったと思います

試合中、バーナムJr.やランビンが自前のデジカメ持参で外野席に来ていたり、ベニーやコバマサも駆け付けたりと、やっぱり愛すべきキャラのオジサマでしたね。
小宮山が、子供達が自分向けに持ってきた花束をボビーに渡させたのも粋。
お疲れ様でございました

 

 

 

蛇足ですが、日ハム梨田監督の優勝インタビューは、ボビーとは対照的に、とっても日本的な気がした
選手とファンをたたえつつ、気さくに地に足がついている感じ。

でも「ファイターズファンは宇宙一です」の決めゼリフは、、、いつぞやの「そのチームはイチバンデース」と似てなくもないのでは???、という気もしたけれど

 


単調なはずの中の緊迫感 「激突!」

2009-10-06 16:22:57 | 映画ア~サ行

昨日BS放送でやっていたスピルバーグの初期の作品(1971年 デニス・ウィーバー)。

先を急いで運転していたマンは、前をゆっくり走っていたタンクローリーを追い越す。その上ガソリンスタンドでもたついたせいもあり、その運転手を怒らせてしまう……

そうしてそのタンクローリーに嫌がらせされるだけのお話
こう書くと、一体どこが面白いんだ、と言われてしまいそうだけど、これがだんだんのめり込んでしまう

遅い前の車を追い越す、という誰でもよくやる行動
でも抜かれ方によってはかなり腹が立つ。それもよく起こる感情
それがこうまで泥沼化するかというと現実には疑問だけれど、あり得そうだから怖い

前へ出してやったら超スロースピードで前を塞ぐ
「抜いていいぞ」と合図され、抜こうとしたら対向車
そのうちあおられて150㎞超の猛スピードを出さざるを得なくなる
踏切待ちで後ろから押し出されそうになる
……

嫌がらせからだんだんエスカレートし、殺意に変わっていく相手。
自分の車より図体も重量もあるタンクローリー。
最後まで運転手がどんな人なのか映らないのも一層恐怖

いやいや、ただ道路を走るだけのことなんで、単調かと思いきや。
えらい緊迫感です。
運転が、こんなに怖いものだとは
再確認。

みなさん、前の車を追い越すときには充分注意しましょうね


淡々と見せる「幸福な食卓」、ドラマチックな駆け引きの「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」

2009-10-02 21:31:53 | 映画ア~サ行

おうちで録画鑑賞~~。

「幸福な食卓」(2006年 北乃きい、勝地涼、石田ゆり子)
「お父さんは今日からお父さんをやめる」と食卓で宣言した父。そんな普通なようで普通でない家族が、ありふれた毎日を過ごしていくが……

ありふれているようでありふれていない毎日だったり家族だったり。
そんな中に小さな幸せがいろいろ。傷もある。
淡々とした描かれ方が心地よかった

だから……最後までそのトーンで行って欲しかったな~~~。
ドラマチックなことを入れるために、勝地君の末路が……ってこと? うああ~~~(>_<)
途中からそうかも、そうかも、と嫌な予感はしてたんだけど。
ちょっと許し難い……

原作が瀬尾まいこさんの小説だそうだけど、未読。
原作もこの通りなのかなあ。。。(かなり不満)

勝地君がとてもいい味です。
「六番目の小夜子」の頃はただ可愛いだけだったけど、今や目力のある、印象に残る役者さんになってますね
北乃きいちゃん、今も初々しいけど、この映画ではもっと新鮮 最初、誰だっけと思い出せないくらいでした。


「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」(2002年 レオナルド・ディカプリオ、トム・ハンクス)
実在した偽造小切手の詐欺師。パイロット、医者、弁護士と次々なりすましてはお金をたたき出す。一方担当FBI捜査官も、わずかな会話の手がかりから彼を追いつめていく……

いや~、こんな実在の詐欺師さんがいたとはオドロキ
とにかく突発的な不測の事態に対しての頭の回転がすごくて見物(ここは実話か、虚飾かわかんないけど)。

対するFBI捜査官も、ジョークも言えない頭が堅い奴ではあるが、とても切れる。
ただ、情がある。それがいいな~

詐欺師の方も、根本には父親孝行をしたい気持ちがありあり。だから憎めない

二人のめまぐるしい駆け引きや、だんだん信頼関係が出来ていく様子は、まるでルパンと銭形を見てるようだったわ

そしてラストもとってもホッとする。彼がこうなってよかったな~って。
観て満足の一品

ただ……このときディカプリオ、28歳。
さすがにほとんどが16~17歳の役ってどうなの? って思ってしまった
童顔だから、大丈夫といえば大丈夫なんだけどね。

レオ様のパイロットや白衣姿、ビシッと決めた背広姿など、それも見物でした~~