このブログではもうお馴染みのシリーズ、「ソノシート紹介シリーズ」。
このシリーズも、もうこれで19作目。
「復刻大怪獣ソノシート」シリーズ紹介としては、第4作目。
今回は「悪魔くん(旧)」のソノシートの登場だ。
アニメ版ではなく、旧作バージョンの「悪魔くん」であり、特撮実写ドラマ版だ。
NHK朝のテレビ小説「ゲゲゲの女房」で水木しげる先生の奥さんを主役にしたドラマが放送され、そのドラマは当然のことながら旦那さんである水木先生のことをも描く内容になっている。
水木先生を描く場合、「鬼太郎」と共に欠かせないキャラ「悪魔くん」。
「悪魔くん」は、初めて水木作品がテレビ番組になった・・という意義がある作品なので、水木先生の人生にとっては「鬼太郎」に劣らぬ重要な作品であろう。
NHK朝のテレビ小説ドラマという思わぬ媒体から、先日「悪魔くん」は再び脚光を浴びることになった。
蛇足ながら、「ゲゲゲの女房」の中で、実際の実写版「悪魔くん」のオープニングとエンディングの映像が使われていたのは、嬉しかったなあ。
ウィキペディアによると「悪魔くん」は・・
「漫画はまず1963年に貸本劇画として発表され、その後1966年~1967年の間「週刊少年マガジン」などに連載。「悪魔くん(悪魔くん 千年王国)」、「悪魔くん」、「最新版悪魔くん」と主人公の異なる三種類のシリーズに大別される。」とある。
更に、
「特撮ドラマは1966年(昭和41年)10月6日から1967年(昭和42年)3月30日までNET系の毎週木曜日19:00 - 19:30で全26話」とも。
このドラマ「悪魔くん」、私は毎週見ていた。
特に印象に残っている敵は、百目、首人形、ペロリゴンなど。
特に首人形の怖さは特別で、幼心に本当に怖かった。首人形を題材にして、このブログで日記を書いたこともあるくらいだ。
また、番組のオープニングが斬新で、いまだに「旧・悪魔くん」のオープニングのようなオープニングを他作品で私は見たことがない。
そのオープニングに関しても、以前このブログで日記を書いたことがある。
当時から私は水木作品が好きだったし、「鬼太郎」のほうが馴染み深かった。
なので、「悪魔くん」がテレビ番組化された時、なぜ「鬼太郎」をテレビでやらないのか不思議だった。
だが、その辺の事情は「ゲゲゲの女房」で、なぜ「悪魔くん」のほうが先にテレビ化されたのかが描かれていたっけ。
当時の鬼太郎は「ゲゲゲの鬼太郎」ではなく「墓場の鬼太郎」というタイトルだった。
スポンサー的に「墓場」という語感がネックだったらしい。
とはいえ、まあ、「悪魔くん」がテレビ化されるなら、いずれ「鬼太郎」もテレビ化されるのも時間の問題だろう・・と幼心に思っていたし、実際それはその通りになった。
そんな思いで見始めた特撮ドラマ「悪魔くん」だが、見始めたら、これが実に面白かった。
当時は怪獣ブームの時代で、テレビではウルトラシリーズ、映画ではゴジラやガメラが大人気だった。
だが「悪魔くん」は、その怪獣ブームの中に、「妖怪」を持ち込んだ。
妖怪モノではありながらも、番組は怪獣ブームをうまくブレンドした作りになっていた。
ペロリゴンという敵などは、妖怪というよりも怪獣だったしね。
でも、怪獣も登場させつつも、メインは妖怪。
この基本線は守られていた。
そこが、ほかの特撮怪獣モノと「悪魔くん」が違う点だった。
怪獣番組はどれも特撮ドラマだったが、「悪魔くん」もまた特撮ドラマだった・・というのは、結果的には非常に大きかったと思う。
おかげで、妖怪は怪獣に匹敵する特撮ドラマの題材として認知されるに至ったと思う。
特撮ドラマ悪魔くんが下地を作った「妖怪モノ路線」が成功したからこそ、その後の「鬼太郎」という妖怪アニメ、更には特撮ドラマ「河童の三平」と水木妖怪モノが次々とヒットすることになったのだろう。
またそれは、水木作品に限らず、「妖怪モノ」というジャンルを確立するに至ったと思う。
その意味では、特撮ドラマ「悪魔くん」の果たした功績は、日本のテレビ界において非常に大きかったと思う。
水木先生を大物漫画家の地位に押し上げ、更にはテレビ界に「妖怪モノ」を定着させた、偉大な作品だ。
その「妖怪モノ」は、その後の「妖怪人間べム」、手塚治虫先生の「どろろ」、楳図かずお先生の「猫目小僧」などのテレビ番組にもつながった・・といえるのではないか。
蛇足ながら、特撮ドラマ「悪魔くん」で主役を演じてた金子光伸さんが1997年に亡くなられた・・というニュースを知った時はショックだったし、悲しかった。
彼が1987年にテレビの某深夜番組に出演した時の映像をネットで見かけたことがあるが、子役時代同様にハンサムだったのが忘れられない。
その時、彼は29歳だった。
悪魔くんを演じてた頃の、横わけで、あの少し舌っ足らずな彼は、その後、悪魔くんが理想とした千年王国に行ってしまったのだろうか。
それは誰にも分からない。
エロイム・エッサイム。
エロイム・エッサイム。
我は求め、訴えたり。
その呪文と共に、悪魔くんも、メフィストも不滅だ。
もちろん、水木しげる先生の他の作品もまた、しかり。
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