我が家で私が居ることが多い居間には、手をのばせばすぐに手にとって弾けるような位置に、数台のギターが置かれている。
我が家にはそれなりの数のアコギがあるが、それらを全部「手をのばせばいつでも弾ける」場所には置ききれない。数的に。
なので、定期的に、その「手をのばせばいつでも弾ける」置き場所に置くギターは、入れ替えている。
その中には12弦ギターもあった。テイラーの12弦ギターだ。
だがこのギター、高音部の第1コースの弦が1本切れて、11弦ギターの状態でしばらく置かれていた。
本来12弦ギターのはずなのに、弦が1本切れて11弦ギターという不完全な状態になっていたため、最近はあまり弾いてなかった。
このままじゃまずい・・・と思って、先日家のギターケースのポケットを念入りに探ってみたら、バラの1弦が出てきた。
そう、セット弦ではなく、1弦だけが。おそらく、練習などの時に弦が切れた時に備えて、昔楽器屋でバラ弦を何本か買っておいたストック弦だろう。
いい機会なので、しばらく11弦ギターになっていたテイラー12弦の高音弦第1コースに張って、めでたくこのギターは11弦ギターから本来の12弦ギターに戻った。
こうして完全な形になると、がぜん弾く気が大幅アップ。
てなわけで12弦に復活した12弦テイラーを、ここんとこよく弾いている。
やはり12弦ギターの響きは独特で、気持ちいい。
コードを鳴らした時の広がりが、通常の6弦ギターでは出せない音が出る。
思えば・・昔・・時代屋でライブをちょくちょく行っていた時、私の常備ギターは12弦にしていた時期があったっけ。
当時、まわりにあまり12弦ギターを通常スタイルとして使っていた人がいなかったので、自分は12弦を通常スタイルにしようか・・・と思っていたんだっけ。
それは私自身が12弦の響きが好きだったせいもあったけれど。
で、しばらく12弦を常備ギターとしてライブで使っていたんだが、練習やライブを重ねるうちに、色んなタイプの曲をやるようになると、さすがに12弦だと「これはちょっと12弦は向かないな」と思える曲も結構出てきて。
まあ、逆に12弦だと、6弦ギターより有効な曲もあったんだが、全ての曲に使うとなるとさすがに12弦だときつくなっていった。そのへんは元々分かっていたつもりだったのだが、改めてそれを強く感じるようになった。
一番いいのは12弦と6弦の両方を持ち運べばよかったのだが、ライブの短い持ち時間や、歩きでの移動ということを考えると、いつしか6弦を常備ギターとするスタイルに戻っていったのだった・・。
で、いつしか6弦を常備ギターに戻してからは、ずっと6弦を常備ギターにし続けて今に至る・・・そんな感じだ。
とはいえ、アルバム制作した時は、さすがに12弦もスタジオに持っていった。
アルバム制作の時は、6弦アコギ数本、ウクレレ、ガットギター、ジプシーギター(マカフェリスタイル)、タンバリン、ティプル、カバキーニョ(実際には使用しなかったが)、その他色んな楽器を持ちこんだし、その中には当然12弦もあった。
今のところ、私が音楽の発表の場で12弦を使ったのは、アルバムが最後になってしまっている。
でも12弦を改めて弾いてると、12弦の魅力はやはり捨てがたいものがある。
いつか、短い持ち時間でのライブで、12弦が似会いそうな曲ばかりをメニューに入れて、全曲12弦でライブを通す・・・そんな機会もあればいいなあ・・・などと思ったりしている。
どちらかというと、ピックでコード全体をゆったり鳴らす曲や、オブリガードをくっきりさせたい曲がいいかな、私が12弦を鳴らす場合。まあ、あたりまえ的な使い方になるけど・・。
少なくてもコードでの細かいリズムカッティングには、私の技量では12弦は難しい。
まあ、そのへんをうまくやってる人もいるんだろうけど。たとえばレオ・コッケ。
レオ・コッケのような12弦ギターの名手となると、12弦に向いていないような曲でも、うまく12弦で料理できちゃうんだろうけど。
ちなみに、12弦ギターが効果的に使われてる曲のプロの実例として有名でわかりやすいのは、イーグルスの「ホテルカリフォルニア」、ザバースの「ミスタータンバリンマン」、
ローリングストーンズの「涙あふれて」、ビートルズの「ハードデイズナイト」、レッド・ツェッペリン「天国への階段」、サイモン&ガーファンクル「冬の散歩道」、ワイルドワンズ「思い出の渚」など多数ある。このへんは定番だね。
ともかく、それまで6弦ギターしか弾いたことがなかった人が初めて12弦ギターを弾くと、その響きにけっこう感動するとは思う。
いきなり音の洪水みたいに感じられる場合もあると思う。
で、しばらくは癖になる・・・とも思う。
いきなり自分がうまくなったような気分になったりもして。
私の作る曲の傾向なんて、偏ってますよ。
私はそんな器用ではないです。
でも、そんなことができる人には憧れますね。
例えば、ポールマッカートニーの作風の幅広さは、憧れです。
Wネックギターといえば、レッドツェッペリンのジミーペイジですね。
かっこいいです。
でもあのギターの持ち運びはかなり大変だと思います。
だいいち、あのギターを収納するギターケースは相当大きくなるはずです。
Wネックギターです。
だんぞうさんのように、あらゆる音楽を作り、演奏される御方には、Wネックギターこそ最適ですよね。
但し持ち運びや置き場が大変でしょう…(笑)