先日の信濃川再訪の時のことを、ちょっこし。
なんてことだ・・・・。
それしかなかった。
よりによって、私が数十年ぶりにその地に行くことが決まり、その古い町屋風景を見るのを楽しみにしていたのに、まさか・・・その町屋風景が、私が行く前日に火事で焼けてしまうとは。
その古い町屋風景は、明治の頃の建物が今も残り、そこに人が今も生活している町風景なのだ。
そこには私が幼少の頃に預けられて過ごし、幼少の私が見た町屋風景がそのまま今も残されているはず・・・だった。
なのに・・・。
あんまりといえば、あんまりだ・・。
なんたるめぐりあわせ。
旅に出る前日、テレビの報道番組で火事のニュースがあった。
まず「新潟の秋葉区」という言葉が聞こえた時、「え?明日行く小須戸の近くかもしれない」と思って、思わずテレビ画面を見たら、次の瞬間「小須戸で火事が発生し、街に残されてた古い建物に燃え広がり、多くの古い建物が焼けてしまいました」とのアナウンスが。
目が点になった。
口があいた。
呆然とした。
顔も体も、心も固まった。
おいおい、明日その町に行き、その風景を見るのが楽しみで、何カ月も前から予定を調整してたのに。
そりゃないよ。
前日はないだろう、前日は。なにも前日焼けなくたっていいだろう。
これじゃ、狙い撃ちみたいだ。
いや、前日どころか、いつであってもそんな火事はあってほしくない。
その古い町屋風景は、町の売りであったはずだし、燃えてはいけないエリアだったはずだよ・・。
翌日、かねてからの予定通りに現地に行ってみたら、「緊急事態につき、車両通行止め」で、町屋エリアに入っていけない。
もう、がっくり。
でも、歩きならなんとか入っていけそうだ。
というわけで、恐る恐る歩を進め、火事現場に行ってみた。
そうしたら・・・・このありさまだった。
町屋の中でもとりわけ「惜しい建物」とみなされていた建物までが・・・焼けてしまっていた。
もしかしたら、この写真に残ってる焼け残りの壁が、その建物の一部だったのだろうか。
だとしたら・・あまりにも悲しく切ない光景である。
今回の旅行の一番の目的は、祖母の墓参りをすることだったが、ついでに小須戸の町屋を見るのも楽しみにしていたのになあ。
とはいえ、町屋全てが燃えてしまったというわけでもないのが、せめてもの救いか。
呆然と焼け跡に佇んでいる人たちの心情、察してあまりある。
ここに・・・かつて古い明治の建物が・・・並んでいたのだ。
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