故郷未だ忘れ難く by 海援隊
海援隊といえば、有名な曲はなんといっても「贈る言葉」と「母に捧げるバラード」あたりであろう。
今回取り上げる「故郷未だ忘れ難く」という曲は、「母に捧げるバラード」も収録されていたアルバム「望郷篇」に入っていた曲で、「母に捧げるバラード」の次にシングルカットされた曲だった。
私は当時「母に捧げるバラード」よりも、こちらの「故郷未だ忘れ難く」のほうが好きだった。
もちろん売り上げは「母に捧げる」のほうが圧倒的で、「故郷未だ」は「母に捧げる」ほどのヒットにはならなかった。
私はこちらの曲の方が良い曲だと思ってたので、その辺少し残念だった。
まあ、「母に捧げる」のほうがインパクトはあったのは確かだと思うが。
なまじ「母に捧げる」がインパクトがあったぶん、「故郷未だ」は地味に聴こえたのかもしれない。
そのへんも、思ったほどのヒットにはならなかった理由だったかもしれない。
私が「故郷未だ」のほうが好きだったのは、「母に捧げる」は語りの部分がメインだったからだったと思う。
歌というより、芸人さんのネタみたいに思えたのかもしれない。
もちろん、曲の冒頭とラストにはちゃんとしたメロディが流れるし、語りのバックには郷愁を誘うようなリードギターが奏でられており、そんな構成はやはり芸人のネタというより、れっきとしたミュージシャンの楽曲ではあった。
でも、中間の語りの部分がメインであったのは確か。
一方「故郷未だ」は完全に歌詞とメロディが一体化した楽曲であり、「母に捧げる」にも通じる故郷への思いがストレートに歌われており、個人的にメロディラインも大好きだった。
「ヨナ抜き」の音階が余計に故郷への郷愁を感じさせられた。
私は「あ、これなら歌える」と思ったのだったろう。「母に捧げる」はちょっと歌えなかったもの(笑)。「母に捧げる」はやはり武田さんがボーカルだからこそ歌える曲であり、語れる曲。
武田さんはインタビューなどで、「母に捧げる」のヒット後の海援隊の推移について語ることがある。
それによると、「母に捧げる」のヒットの後、中々ヒットが出ずに、海援隊の人気も下降線をたどり、しまいにはアマチュアグループのライブハウスでのライブのように、たった数人のお客さんしかいない場で歌うことも多かったらしい。
紅白にも出たことがある自分らが、すっかり落ちぶれたような気分になったとも語っていた。
個人的には、「母に捧げる」の後にでた「故郷未だ」も続いてヒットしてたら、もっと波に乗れたかもしれないのに・・・などと思ったりもする。
そういう意味では、個人的に「母に捧げる」よりも好きな曲だった「故郷未だ」にはヒットしてほしかったという気持ちが私の中にはある。
いい曲だと思うんだがなあ。
ちなみに、海援隊はその後レコード会社の移籍を繰り返し、やがては武田さんが「金八先生」で主役を演じることになり、主題歌も海援隊が手掛けた「贈る言葉」が使われた。
で、ドラマもテーマソングも大ブレイク。
「母に捧げる」以上のブレイクだったように私には思えた。
で、その後は地道な活動をされるようになっているのは、皆さんもご存知の通りであろう。
「故郷未だ」は、発表当時はヒットには繋がらなかったものの、海援隊にとっては大事にしている曲に見えるので、この曲が当初から好きだった私としては嬉しい。
この曲は、海援隊が歌い継ぐことで、段々世間からの評価も徐々に上がっていったように私には見えている。
武田さんはドラマや映画に役者として出たり、コメンテーターとしてバラエティに出たり、時には「ドラえもん」の映画盤の主題歌を担当されたり、多彩な活動をされている。
海援隊というグループも完全解散はすることなく継続させていっているのが嬉しい。
私には、音楽以上にトークが聴きたいシンガーというのがいた。
例えばさだまさしさんがそうであり、武田さんもそうだった。
海援隊がまだアマチュアだった頃、泉谷しげるさんをはじめとするミュージシャンや、プロのスタッフから目をかけられたのは、そのステージングのうまさだったそうな。
ステージングのうまさには、武田さんのトーク力は大きかったはずだ。
で、そのトーク力は、今では音楽だけでなく多方面で活かされている・・・というわけだね。
ちなみに、「故郷未だ」にも通じる良さを感じる海援隊ソングとして、私は「思えば遠くへ来たもんだ」という曲も好きだ。
同名の映画も劇場に見に行った覚えがある。
とりあえずここでは、「故郷未だ忘れ難く」を。ホント、良い曲です。
↓
突然のコメントのお目汚しにて失礼申し上げます。
毎回ではないですが時折お邪魔して拝読しておりました者です。
昨日(4/6)、海援隊とさだまさし(グレープ再結成含め)さらに南こうせつを加えたイベントライブに行ってました。
あいにく「故郷未だ忘れ難く」は演りませんでしたが、トークがメインの海援隊は、さだ氏、こうせつ氏らがそれでも5曲演奏したのに、4曲にして武田氏の鉄板トーク集をコンパクトにまとめて場内の爆笑と喝采をかっさらっていきました!(笑)
なお、来月このイベントは文化放送とBSフジで放送予定だそうです。
今後も貴ブログ拝読させていただきます。
お邪魔いたしました。
時間の外にようこそ。
私の拙いブログを読んでくださり、ありがとうございます。
そういえば先日のNHKの「生さだ」でグレープが再結成されてましたが、ライブまで出るような再結成になったんですね。
武田さんとさださんとこうせつさんなら、トークも楽しいでしょうね。
なんでも海援隊が東京に呼ばれたのは、海援隊のステージングのうまさが買われたからだそうですし、武田さんのトークは大きな武器だったでしょうね。
ある意味音楽以上に楽しみかも(笑)。
映像で見れる機会を見つけたら、私も見たいです。
これからもこのブログを、気が向いた時に覗きにきてやって下さると嬉しいです。