時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

スターゲイザー  by レインボー

2021年03月03日 | 音楽全般

STARGAZER   by  Rainbow

 

私はこの曲が入っているアルバムをリアルタイムで体験した。

十代の頃だった。

アルバムタイトルは「虹を翔ける覇者」。原題は「Rainbow   Rising」。

そして今回取り上げる曲は、「スターゲイザー」という曲。

LPではB面の1曲目に入っていた曲だ。

 

レインボーは、あの元ディープパープルの看板ギタリストだったリッチー・ブラックモアがディープパープルを脱退して結成したバンドだった。

 

当時、ディープパープルはレッド・ツェッペリンと並ぶハードロックのトップバンドだった。

特に日本ではハードロックファンの人気を2分していたと思う。もちろん他にもハードロックの名バンドはたくさんあったけど、私の印象ではパープルとツェッペリンこそツートップのように思えていた。

一部のファンの間ではパープル派とツェッペリン派に分かれていた風潮もあったが、実際のところ当時のハードロックファンの多くは、どちらのバンドも好きだったと思う。

 

そんなパープルの、しかも看板だったリッチーがパープルから抜けてしまい、パープルのその後を心配すると同時に、リッチーの次のバンドが非常に気になった覚えがある。

 

で、リッチーは、「リッチーブラックモアズ・レインボー」という新たなバンドを結成。

そのアルバムが非常に気になった私だったが、金欠でもあったので、そのアルバムを買った友人と、私の持ってた某バンドのアルバムを交換してもらい、入手。

 

で、そのファーストアルバムは「銀嶺の覇者」というアルバムだったのだが、私は大好きだった。

後にして思えば、多少おとなしめではあったかもしれないが、名曲がけっこう入っており、特に「銀嶺の覇者」「虹をつかもう」「王の宮殿」などの曲などは、特にお気に入りだった。

なので、アルバムの方もかなりのお気に入りになった。

演奏内容的には、ともかくリッチーのギターとボーカルのロニーの2人の存在感が圧倒的だった。

 

そんなリッチーブラックモアズレインボーがセカンドアルバムを出すことになった。

セカンドでは、「リッチーブラックモアズレインボー」というバンド名ではなく、シンプルに「レインボー」名義になった。

リッチーのネームバリューに頼らなくて、バンドとして、勝負をかけてきた気がした。

 

ファーストですっかりファンになっていた私は、セカンドにも飛びついた。

確か当時、レコード会社もこのセカンドを強力プッシュしており、なんとオープニングの部分を「触り」だけソノシートに入れて、無料配布してプロモーションしていた気がする。

レコード屋で何か買い物をした人に配布される宣伝材料としてのソノシートだった。

レコード会社としては、このセカンドアルバムを聴いて「これは絶対売れる!」と判断したのだろう。異例のプッシュぶりだった。

結果的に、このアルバムは大好評になったので、レコード会社の担当者の目は確かだったのだろう。

 

アルバムのオープニング部分の触りだけ収録されたソノシート音源にも私は惚れ込み、アルバム本体を購入。

 

すると・・

 

ファーストでリッチーのギターとロニーのボーカルが目立っていたサウンドに加え、新たに凄まじいドラムがサウンドメインに加わってきた。

新加入のコージー・パウエルのドラムだった。

ともかく、アルバム1曲目「タロットウーマン」のドラムの入り方は衝撃だった。

バンドの売りが、リッチーのギター、ロニーのボーカル、そしてコージーのドラム3人になった。

 

で、アルバムは充実した内容で進み、LPはB面に入る。

そこで出てきたのが、今回取り上げる「スターゲイザー」であった。

ドラマチックな構成、中世のような世界観、メロディアスなフレーズ、などなどまさに圧巻の出来栄えだった。

 

このアルバム、LPではB面にはたった2曲しか入ってなかった。

B面は1曲1曲の尺が長いのだ。

だが、B面の2曲の出来ばえは、長さを感じさせない大傑作だった。

長い分、構成が凝っていて、ドラマチックだったのだ。

聴きごたえ満点だった。

全体的に最高の楽曲なのだが、特に個人的に圧巻だったのは、間奏。

ともかくリッチーのギターワークが素晴らしいの一言。

もちろん、さく裂するコージーのドラムも凄いし、曲全体でのロニーのパワフルなボーカルも見事。

間奏部分のドラマチックなアレンジは、リスナーに高揚感を与えまくる。聞き惚れてしまう・・としか言えない。

聴いてると、自分は今、現実を離れて、異世界にいるような気分にさせられた。

 

 

当時私の家にロック好きな友人が来ると、必ずこのアルバムを聞かせてた覚えがある。

特に、B面の大作2曲には、皆圧倒されてた。

「こりゃ久々のホームランだ!」と叫ぶ奴もいたぐらい。

 

そういう反応を聞くと、私も嬉しくなり、私の手柄でもなんでもないのに、

「だろう?すごいだろ?」

と、なぜか自慢したりしていたものだった(笑)。

 

このアルバム、ともかく毎日聴き続けていた覚えがある。

「スターゲイザー」以外の曲もどれも良かったから、聴く時はアルバム丸ごとだった。

アルバム丸ごと聴いてこそ、このアルバムの良さが分かる気がしていたから。

 

元々リッチーは日本でも人気あったし、さらにアルバムの内容が素晴らしかったため、日本でも、このアルバムはよく売れたと思う。

 

このアルバムでレインボーは、日本ではパープルに負けないぐらいの人気バンドになった。

売れ行きや人気が沸騰したので、日本公演にも繋がった。

私はロック好きな友人たちと一緒にレインボーの来日公演を見に行った覚えがある。

そう、リッチー、ロニー、そしてコージーがいた最強の時代のレインボーのコンサートに。

 

リッチーやロニーの素晴らしさは当然だが、ともかくその時のコージーのドラムはライブでも最高にかっこよかった。

叩いてる途中で、スティックの1本を高く垂直に宙に放り投げ、落下してきたそのスティックをキャッチし、何事もなかったかのようにドラムを続けていた。

1本のスティックが宙を飛んでる間、スティックは1本だけでドラムを叩いているはずなのに、手数が衰えない。

しかも、キャッチするタイミングが、リズムにしっかり合っており、ドラミング全体に何のブレもなかった。

いやあ、名人芸。カッコよすぎでしょ。

 

ライブ終了後、興奮が収まらない私たち。

歩きながら、リッチーの仕草の真似までしていたと思う。

一緒に見に行った友人の中には、熱心なツェッペリンのファンのM君もいたのだが、そのM君など「おい、みんなでリッチーのファンクラブ作らねえか?」と言いだす始末。

 

ともかく、このセカンドアルバムの余波は凄かった。

 

その後、このアルバムは今でもハードロックの歴代名盤リストにはよく入ってくるアルバムになり、ハードロック史に残る名盤として評価されている。

 

レインボーの名作セカンドアルバム「ライジング(虹を翔る覇者)」。

このアルバムの中からどれか1曲をこの記事で取り上げるなら、この「スターゲイザー」にしておくことにする。

 

中性ヨーロッパのクラシカルな香りのする、極上のハードロックの名曲を。

 

なんでも、リッチーは、レッド・ツェッペリンの「カシミール」という曲にインスパイアされてこの曲を作ったそうだが、実は私はツェッペリンの曲でも一番好きな曲は「カシミール」である。

この「スターゲイザー」が、中世ヨーロッパの香りがする中にも、どこかエスニックな要素も感じされるのは、そのためかもしれない。

 

私は、そういう曲が「好み」なのだろうな・・と思う。

 

この曲をコピーした、あるアマチュアバンドは、この曲を演奏してると陶酔してきて、いつまでもこの曲の世界観の中に居続けたくなる・・と語っていたらしい。なんか、わかる気がする。

 

こんな凄い曲を残したボーカルのロニーも、ドラムのコージーも、もうこの世にはいない。

寂しく、悲しいことだ・・。

でも、ファンは知っている。彼らがどれだけ素晴らしいミュージシャンであったかを。

こんな素晴らしい曲を残したミュージシャンがいたということを。

それはこれからも記憶されていくだろう。

彼らの残した、こういう曲があるのだから。

 

会いたくなったら、この曲を聴けばいい。この中に彼らは、ずっと居続けるのだ。

 

 

https://www.youtube.com/watch?v=W6CjO0H2j0s

 

 

 

 


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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (鮎川愛)
2021-03-06 13:21:22
だんぞうさんの語り口が、いつになく大変熱いです!

「本当に大ファンなんだな」という事が、私の胸にも突き刺さってきます(笑)

YouTube拝聴致しました。

「ザ・ハードロック」にふさわしいですね!

だんぞうさんが、かつて結成していらっしゃったロックバンドにも、やはり影響はありましたか?

又、リッチーが抜けたパープル、その後どうなったのでしょうか?
返信する
Unknown (だんぞう)
2021-03-06 17:38:22
やはり、リアルタイム時に熱中して聴いてた曲でしたから、思い入れはあります。

このアルバムで、レインボーの人気は日本で沸騰したんですよ。
リッチーは元々知名度のあるスターギタリストでしたが、ボーカルのロニーはこのバンドに加わることで、ハードロックのスターボーカリストになりました。
ドラムのコージーの知名度も大ブレイクしました。

来日公演を見ておいてホントによかったと思ってます。

私の組んでたバンドには、…どうでしょうね。自分では何ともいえません。

パープルは、メンバーチェンジをしなから、活動継続していったと思います。
返信する
Unknown (にゃっぷー)
2021-05-03 09:06:19
毎度中途半端なコメントですみません。
にゃっぷーは
ダウントゥーアースを持っていました。
今も実家のどこかにあるかどうか?

yesやpoliceはCDも買いましたが。
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Unknown (だんぞう)
2021-05-03 10:24:22
いやいや、いつもコメントありがとうございます。

ダウントゥーアースは、ボーカルのディオが抜けたあとのアルバムでしたよね。
私、すみません、聴いてないのです。

レインボーは、メンバーチェンジが多かったんですよねえ…。

それだけリッチーの権限が強かったのかも。
リッチーの方針に合わないと、メンバーは自ら脱退したり、クビにされたりで。

私はやはり、ロニーとコージーがいた頃がレインボーにとっては最強時代だったのではないかと思ってます。

イエスは、ともかくジャケットが好きでした。
ポリスも好きでしたよ。
返信する
Unknown (にゃっぷー)
2021-05-04 22:57:22
あっ
コージーパウエルのオーバーザトップ、LP持ってましたが、CDも買いました。
すごくかっこいいと思っています。
ただ、LPを買った時からずっとジャケットのバイクに乗ったコージーの写真の頭が大き過ぎてアンバランスに見えるなと思っています、😅
返信する
Unknown (だんぞう)
2021-05-04 23:21:35
コージーは、ロック界ではジョンボーナムに次ぐドラムヒーローだと私は思ってます。  

早死にしたのが残念でなりません。

彼は。ドラムの次に関心があって好きだったのが、車だったと語ってたことがありました。
でも、そうですか、バイクも彼には欠かせないものだったのかもですね。
返信する
Unknown (にゃっぷー)
2021-05-05 13:30:29
レーサーを目指したこともあるようですね。
死因も車ですもんね。
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Unknown (だんぞう)
2021-05-05 13:42:59
ですねえ…。

ボーナムもコージーも、まだまだ活躍してほしかったです。
もったいない限りです。
返信する
同じコンサートでは (武田の赤備え)
2021-12-18 02:07:30
通りすがりでございます。レインボウの2度目の来日公演 日曜の武道館に行きました。三頭時代でロングリブロックンロールの時のメンバーでした。PA の調子が悪く、演奏中もトラブル発生していました。スターゲイザーの演奏が無く、アンコールがあり、パイプ椅子が散乱したのを覚えてます。その後の中島スポーツセンターの悲劇が予想出来ました。
返信する
Unknown (だんぞう)
2021-12-18 08:47:44
はじめまして。
時間の外にようこそ。

レインボーの来日公演では客にトラブルが起きたことがあり、メディアで報道されたりしましたね。
バンドメンバーのせいではなかったと思いましたので、気の毒に思った覚えがあります。

当時の警備体制、PA、会場などに拙い要素があったのかもしれません。
まあ、今となっては、詳しいことは私にはわかりませんが…。

それにしても、ロニージェイムズディオも、コージーパウエルももういないのですよね。
寂しい限りです。
返信する

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