FROM HAGI

こんばんは〜

ハロウィン🎃も近づいて来たのでお化けや幽霊👻の話を二つ。2012年に入院していた病院には得体の知れない黒い物体が出ると看護師たちが話していた。死の館である病院だから、何が出ても変ではない。毎日のように見舞いに来てくれていた鬼教官は、私にはない能力や、シックス・センスがある女性で、この階の一番奥の病室は、何かが住んでいると、ずっと言っていた。一番奥まった病室だから、空気の流れが悪いのかなと思っていた。が、しかし、強引に院長に喧嘩を売って退院日を決め、退院日の前夜、それは起きた。9時半を過ぎると消灯になり、薄暗くなる病棟。ベッド周りのカーテンを閉め、明日は家に帰るぞと思った瞬間。。。力ない女性の声で『こんばんは〜』と聞こえてきた。何とも不気味な声で、足音もなく、病室の入り口で『こんばんは〜』。全身に鳥肌が立ち声が出なかった。この『こんばんは〜』の話しを、翌日鬼教官にしたら返事をしなくて良かったと言われた。返事をしていたら、どうなっていたか分からないと。返事をしなかったのではなく、あまりの恐怖に声が出なかっただけ。しかしあの声は何だったのだろう。去っていく足音も聞こえなかった。出ちゃったのかなぁ。

病室での話しではないが、昔々、老女の捜索に出たことがある。残念ながら、その老女は道路から転落し落石防止ネットにはまり亡くなっていた。普通は、これで嘱託警察犬の出番はないのだけれど、転落に至った足取りを調べたいとの事で、老女の家から足取り捜索をした。老女の血の付いた服を嗅がせ捜索をした記憶がある。捜索が終わり、訓練に向かい、鬼教官の犬舎に立ち寄ったのだが、鬼教官の目には、血だらけの老女が、車の助手席に座っているのが見えたそうだ。見えた瞬間、自分に取り付いてしまい大変だったと教えてくれた。老女は、私に気づいて欲しかったらしいのだけれど、私はまったく気がつかず、今夜は焼肉は無理だなぁって思っていた。気づかなくて良かったと思う。鬼教官は、その老女の為に、除霊を受ける羽目になったと聞いた。下手に、そんな能力があると大変だ。

冗談抜きで怖かった。あの『こんばんは〜』は忘れない。毎日、病院に来てくれる友人は3階まで階段で上がって来ていた。エレベーターにはいるらしい。3階の給湯室の前の病室にもいるって言ってた。いる、絶対、いる。あの病院にはいる。塩を何トン撒いても駄目だと思う。

経験したら分かる。信仰は気の迷い、神仏を一切信じない私でも、怖いものは怖かった。入院当初は、何だか色々見えてたけど、何せ頭の疾患だからだと、自分に納得させていた。でも退院する、前の晩に、『こんばんは〜』が聞こえたら、とんでもない恐怖だった。

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