母の認知症が、かなり進んだと苑から連絡。
母から来る手紙に、薄々異変は感じていたが、職員からの話は、想像以上。
年月日の認識も怪しく、被害妄想、取られ妄想が進み、机の引き出しを開けるのも拒むようになったとのこと。
母の中では、植物状態の旦那は死んだことになっており、お葬式も済ませたとか。母の手紙に、お互い、未亡人の文字を見つけ、認識症が進んでいることを確信した。
自分の年齢も、手紙が来る度に、何故か、1歳ずつ増えている。
元教師。本人の意識下の底に、微かに、先生としてのプライドが残っていると、介護士の話は聞かない。
私に出す、手紙の切手1枚で、取った、取られた妄想が始まる。苑では珍しいことではない。母から、○○さんは、毎日、取られたって言っていると聞かされていた。
そんな母が取られ妄想になってしまった。
何も出来ない。会いにも行けない。だから手紙を出す。
母へ
寒くなりましたね。今年も残すところ、10日になりました。
あっと言う間の令和3年でした。
元気にしていますか?
気がつくと、クリスマスも目の前、お正月も迫っています。
クリスマスは、小さなケーキを、食べようかなと思っています。
お正月は、一人用のお節料理を買って、食べるかなと思っています。
母からの手紙、楽しみにしています。なかなか返事が、出せなくてごめんなさい。
手紙用の切手を、10枚入れておきます。介護士さんに、切手を貼ってもらって下さい。切手代も値上がりしましたね。
お互い、元気に、
令和4年を迎えましょう。
明子
令和3年12月23日
長生きは神が与えた、その人の特権だと思う。そうであれば、認知症なんて病を、年老い者たちに、何故、課すのか。だから、私は、神も仏も、神仏すべてを否定する。