昨日今日と暖かい日和で、半袖シャツで過ごされている方を見かけました。
栃本は日々稽古と制作を続けています。
「i」を作ろうという始めのときです。栃本はいくつかのシーンを詩のような言葉をつらねた文章を用意してきました。
とらわれた感じのする自分を解放するといったような内容でした。
しかし秋紀はそれを破棄させました。
栃本の中身は物語のようなものが詰まっています。しかしそれは空想などではなく実際に体験したことがベースとなっています。その物語は自分の中の自分を創造し、それをトレースすることを繰り返しているように思えます。それは栃本がつくり出した原風景のようなものかもしれません。
しかしその原風景をずっとなぞっているだけではそこから新たに進むことはできないと考えました。人生の経験から自分というものはこういうものだという高い塀のようなものをこしらえて、そのなかでグルグル創造するより自分を外に出す作業をここ最近くりかえしています。息を切らせながら今栃本があずさという人間を踊らせようとしています。
この作品に関して秋紀は最小限の編集作業しかかかわっていません。そうすることによって栃本の能力がのびのびと出せる下地を用意しました。そこからあらたな栃本あずさの物語が始まれれば幸いです。そうするためにも今充実した制作を続けています。
当日どのような栃本の作る「i」ができるか、まだ、わかりません。それを目撃するということは、生身の人間が変貌する有様を見れるいい機会になるでしょう。
3月11日金曜日、15時30分と19時30分の二回公演です。
もういまからゾクゾクしています。