Psychotic Family Limited

ねばならないをやめて、あったら良いなを考えよう。

びっくり。

2005-12-23 18:06:21 | カタコト

D氏から借りた本を仕事中に読んでいた。
タイトルは「外人のTOKYO暮らし」。
東京に住む外国人15人を著者がインタビューした内容が書かれている。

その中に、ある日系二世のアメリカ人女性のインタビューも掲載されていた。
読んでいて驚いたのは、彼女の出身がアメリカ、コロラド州ボルダーであり、父親は物理学者であると言う。
はっとして、彼女の苗字を確認したらM島と書いてあるではないか。

ああ、あのM島先生の娘さんだぁ。


私が学部4年生の時に、学部生のためにアメリカの大学や研究機関が夏の間だけ受け入れてくれる研究プログラムに参加した。
私が行ったのがHigh Altitude Observertory
コロラド州の州都デンバーから車で約40分ほどのところにあるボルダーという町にある。
M島先生は、ボルダーにあるコロラド州立大学の物理学科の教授だった。
私の恩師のH井先生の知人であったので、私がボルダーに行く前に、H井先生からM島先生に連絡を取るよう電話番号をもらったのだ。

ボルダーに着いた最初の日に早速、M島先生に電話をした。
では、土曜日にいらっしゃい。
と言われ、次の週の土曜日に先生のお宅にお邪魔した。

M島先生の家は、ボルダーの中心部から車で15分ほど走った、閑静な高級住宅地の中にあった。
アメリカンドリームを勝ち取ったかのような、広い敷地に大きな平屋の家だった。

私は、自分の今までの研究資料を持って行った。
広い居間に通され、お茶を貰うと、早速、私は研究の話をした。
私は大先生の前で緊張しながら、手短に話を進めた。
しかし、先生は、私の話に全く興味を示さなかった。

いや、そんなことよりも、私の今の研究はね、連星の位置を調べて・・・、

私は、おや?と思った。
この時になって、このM島先生が太陽の先生でないことに気がついた。

・・・ってな訳で、連星の位置を調べて欲しいんだがね。

はあ。


恩師H井先生の友人であれば、断る事も出来ず、結局、夏の間、太陽の研究の傍らで、ダブルスターの位置を星図に記す作業をすることとなったのだ。

でも、そのかわり、M島先生には非常にお世話になった。
毎週末、ランチやディナーに招待してくれ、更に、頭の体操のためといっては映画に連れて行ってくれた。
夏の終わりには、娘さん家族が帰郷していて、その子供達に、GとZの発音の区別が出来ていないと泣かれたりもした。


連絡を取らなくなってからずいぶん日がたった。
この偶然は、連絡をしろという啓示なのだろうか。



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