★ティツィアーノのビーナス ウフィッッイ美術 フィレンツェ
ウフィッッイ美術館 83室 ティツアーノ・ヴェチェッリオ 1488-1490
フローラ ウルビーノのヴィーナス
『フローラ』1515年
中世のカトリック社会では、裸、特に女性の裸を描くことはタブーでした。しかし、『ルネサンス』期には、ギリシャ、ローマ芸術が復興し、ギリシャ、ローマの神々や神話になぞられるように裸の女性が描かれるようになりました。
そして、『ラファエロ』はすでに『若い婦人の肖像(ラ・フォルナリーナ)』 1518-1519年、特にギリシア、ローマにゆかりの無い女性の裸をこの年に描きました。
本作はヌードではありませんが、胸元を大きくはだけた女性が描かれています。
題材は『フローラ』です、『フローラ』はローマ神話における、花と豊穣の女神です。『フローラリア祭り』の主役です。
本作は『ラファエロ』の『若い婦人の肖像(ラ・フォルナリーナ)』に比べると上半身裸というわけではないのに、エロチシズムを感じさせる作品であると思います。
『ウルビーノのヴィーナス』1538年
本作にはかなり『ティツアーノ』の目論見が明確に描かれています。
『ヴィーナス』が古代の風景ではなく、そのころの寝室に投げ込まれています。
そして手には『愛』を表す薔薇を、足元には『貞節』を表す子犬が静かに眠っています。
ベッドの寝具は乱れ、愛の後を感じさせます、そして主人公は蠱惑的なまなざしで、鑑賞者を誘惑します。
それにしてもこの二枚とも何とも美しく、魅力的な女性です。