リュクサンブール宮殿はイタリアのメディチ家から嫁いできたマリー・ドメデシス(イタリア名マリア・デ・メディチ 1575-1642)が持金として持ってきた莫大な持参金で作りました。そしてこのメディシスの泉もその時に作られました。
(2019年10月撮影)
その頃のメディチ家は、金融で財を成し莫大な財産と、権力を有していました。フレンツェに行かれた人は今残っている建物、美術品そして財宝などをご覧になって驚かれたことと思います。
しかし、マリーの夫フランス王のアンリ四世は放蕩癖があり、50人もの愛人を作ったといわれた人です。この頃の王様ではこのぐらいの愛人の数はそれほど多くなく中の上ぐらいです。
アンリ四世はメディチ家にあった、莫大な借金の帳消しと、マリーの持参金目当てに、政略結婚したのです、ですから彼は結婚後も彼女には関心がなく、マリーは寂しさを紛らわすため、金銀宝石を買い漁り宮殿まで建てました。それがリュクサンブール宮殿です。
(2019年10月撮影)
メデシスの泉の上の部分を見てください中央はマリー王妃の紋章です。
そして両脇にある彫刻はセーヌ川とその支流のマルヌ川を表しています。
中段に視線を下げてください、これはギリシャ神話から主題がとられています。
緑色をしているのがポリュペーモスです、そしてその下にいるのがガラティアとアキスです、海の神の娘ガラティアはあるとき川の神の息子アキスと恋に落ちました。しかし、かねてよりがラティアに好意を抱いていたポリュペーモスは嫉妬のあまり巨石を投げつけアキスを殺害します。
下のモニュメントは、ガラティアがアキスの亡骸を抱き、悲しみにくれているところです。
どうしてこの主題が使われたかわかりませんが、政略結婚で、悲しい思いをしていたマリーがアキスを失って悲嘆にくれるガラティアに身をなぞらえていたのかもしれません。ここにきて、佇み思いをフィレンツェに馳せているマリーが目に浮かぶようです。
でも、マリーはそんなやわな人ではありませんでした。彼女はアンリ4世が亡くなった後幼いルイ13世の摂政として辣腕を振るいました。
(2019年10月撮影)
少しカメラを引いて湖全体が画面に入るようにしてみました、大きな湖ではありませんが、ギリシア神話のモニュメントを中央にとても雰囲気がある場所です。
(2019年10月撮影)
ということで、恋人たちの語らいの場所には最適なのかもしれませんね。
あなたもリュクサンブール公園に行ったら是非ここを訪れることをお勧めします、そしてこのエピソードを思い出してください、散歩は少しの知識でもあれば何倍も楽しくなりますよ。