大学受験狂想曲

大学卒業後20年間某全国規模大手予備校の職員をやっています。仕事の中で得たリアルの情報から大学受験を読み解いていきます。

関関同立

2009-11-15 | 日記
 受験生の東京集中化が一層進み関西系大学ははっきり言って非常に厳しい状況です。関西の地元志向がある受験生ならともかく、やはり東京を中心とした首都圏と関西圏ではかなり大きな格差がありますから、九州や名古屋などの受験生はどうせ一人暮らしするならやっぱり東京のほうが学生生活も楽しいし将来のためにも得だろうという価値観が強くなっています。そのため関西系有名私大は東京の上位私大よりワンランク下がった学力層になってしまっています。はっきり言ってしまえば今後私立大学で勝ち残れるのは東京の有名大学だけでしょう。

<同志社大学>
 関西系私大のNO1です。現在は文系学部の1~2年生と理工系学部全学年が郊外の田辺キャンパスに、文系学部の3~4年生が京都市中心部の今出川キャンパスに就学していますが、2013年度からは文系学部が4年間今出川キャンパス就学となります。このパターンは青山学院大学とほぼ同じですが、それでもやはり京都と東京しかも渋谷では周辺の情報環境は比較にならない差があります。青山学院はメインキャンパスへの全面回帰を教育学問研究へのフィードバックにするという大きなメリットを作ろうとしていますが、同志社の場合どうも単なるメインキャンパス回帰に留まり大きなメリットを感じられません。心理学部を田辺キャンパスに作ったのは明らかに失敗ですね。

<関西学院大学>
 私大バブルのときは全学部がメインの上ヶ原キャンパスに集まっていることもあって早慶上智に次ぎ偏差値が高かったんですが、最近はかなり厳しい状況になってしまっています。郊外のとんでもない立地にある三田キャンパスの学部はかなり不人気ですが、上ヶ原もメインキャンパスとはいっても実際はけっこう田舎にあります。バブル時期には土地が高かったのと大学が都心部に立地するのが難しかったこと、それと関学の上ヶ原キャンパスの校舎っていうのが日本でもいちにを競うくらい美しい凝った校舎ですので、ミッションスクール人気ということもあって同志社に近いくらいの高い偏差値だったのですが、最近は規制緩和で大学キャンパスが都心に回帰してますからね。そうなると上ヶ原のような田舎ではいくら外国の大学みたいなキャンパスでも受験生としては魅力を感じにくいのでしょう。そういうこともあって大学全体が明らかに地盤沈下しています。近くの聖和大学を吸収合併して教育学部を作りましたが、どうもあまりうまくいってないように感じます。お荷物をしょいこんでしまったように見えます。また国際学部を設置することが決まっていますが、あまり人気がないようですね。上ヶ原のような田舎に国際系の学部を作っても受験生はイメージしずらいでしょうし。関学に限りませんが、東京以外の大学で国際系の学部を作ってもあまり受験生の支持は得られないと思います。

<立命館大学>
 大学改革の旗手として知られた立命館、ここ15年間でものすごい勢いで偏差値も上げてきました。しかし知る人は知るようにその偏差値上昇の要因は特殊な入試形態によるもので、実態的にはあまり変わってないんじゃないかというのが大学関係者の大方の意見です。立命館は1学部だけでも十数通りの入試方式があり学部を問わない場合星の数ほどの受験機会があります。すなわち募集定員を細分化すれば1回の受験方式に集まってくる受験生が多くなくても倍率的には高くなります。受験業界では有名な話ですが、立命館の受験では偏差値の高い方式だと最終的な入学者がゼロというものもけっこうあるそうです。こういうこともあって5年前くらいから志願者数の伸びにかなり陰りが出てきました。また立命館の場合びわこ草津キャンパスという郊外キャンパスがありますがこれがかなり僻地にありますし、メインキャンパスの衣笠キャンパスもいちおう京都市内ですが、金閣寺の近くで京都市のはずれのはずれにあってキャンパスの裏はずっと山ばかりですから立地が良くないですね。この立命館も中央と同じように予備校が偏差値を下げると学校やOBがものすごい勢いでクレームをつけてきますので、表面上はまあまあの偏差値になっていますが、実際は法政か中央(法学部以外)に受かる力があれば十分合格できます。

<関西大学>
この大学偏差値はあがっているんですが、予備校の操作によるものですから信用しない方が良いと思います。実際は東京で言えば中央や法政クラスです。話題性も乏しく書くことがありません。