いいかげんにシナモンティ

スウィーツばかりも飽きるから、時には思い出したり感じたことをゆらゆらと・・

マルコムX(エックス)

2008-05-24 00:10:44 | Weblog
黒人のイスラム教徒として白人が支配する「体制」と戦った
 マルコムXという人がいました

あのキング牧師と同時代人で、二人は生涯に一度だけ会っています。

マルコムはヒットした映画にもなったから、若者にも覚えている人が
 多いかもしれません

人気俳優の、デンゼル ワシントンが主演だったし、流れるラップも
  なかなか素敵でした。

放埒で自堕落な青春を送っていたマルコムは、刑務所でイスラム教と
 出会い

刑務所内の図書館で根気よくボキャブラリーを増やしながら
 自分自身を教育し直していきました

悪に強い人は善にも強いというけれど
 彼は、それまでの悪漢ぶりとはうって変わって

イスラム教によって人種差別と戦っていこうと決心します

天性のチャーミングな人格的吸引力と、あふれる泉のような感性
 彼が指導者として大衆の心をつかむのに、そう時間はかかりませんでした

やがて教団内でめきめき頭角を現した彼は、心酔していた「師」ムハンマドの
 女性会員達とのスキャンダルを知らされ愕然とします

当事者の女性会員達に直接事情を確かめて、噂が真実だと知ったマルコムは
 奈落に落ちるような感覚を味わいました

情欲にのたうちまわっていた自分を闇から救い出してくれた尊敬する「師」が
 まさかスキャンダルの当事者だったとは

やがて、彼への人気の急激な高まりに危機感を覚えた「師」の側近達は
 マルコムと袂を分かつべく画策を始めます

そしてやってきた運命の日、演説会場で罠に落ちたマルコムは、元の仲間達
 に撃ち殺されたのでした

時移って、そのマルコムの妻が、孫が床に巻いた油に火を放って
  焼き殺されたという記事が小さく新聞に載りましたが

時代の寵児となったがゆえに、数奇な運命に翻弄されたマルコムの悲劇は
 妻にまで及んでしまったのでした

非道な生活からの信仰による美しい再生と、襲ってきた悲劇的な最後

今日報じられた、島根での、孫による祖父殺害を聞いて
        私は、マルコム夫妻の悲劇を思い出しました

この世はやはり、悲しみに満ちた所なのかもしれないですね