いや、親ではないか。人生初の同棲相手か…。
本日、あいつに最後のお別れをして参りました。
本当にたくさんの皆様からの励まし、そしてあいつに対しての愛情のこもったお言葉、本当に本当にありがとうございました。
リリイが出ると、飼い主なんかが出るよりも、グンっアクセスが増えるという(^_^;)
本当にたくさんの方に愛されているのだな、と飼い主も幸せに思っておりました。
それにしても若いときは波瀾万丈な犬でございました。
そもそもは、
私が劇団の研修科時代、まだ実家に住んでおりまして、夜間部終えて夜中ただいまあと玄関を開けましたら、生後間もない丸っこい足でかい犬が玄関に座ってるではないか。
ん？あなたどっからきた？
もう夢かと思いましたね。
ずーっとゴールデンを飼いたくて仕方なかったのでした。
親が獣医大学の知り合いさんから譲り受けたとのこと。
勿論その日は、自分の部屋に入れまして。
お母さんから離されてクンクン泣くこやつに、結構痛めに指をかまれながら、部屋におしっこをされてティッシュをもって走り回りながら、寝不足だったのを覚えてます(^_^)
そして結局はある程度大きくなると、外犬として飼われることに。
雨の日も雪の日も、外の犬小屋ですごし、庭での放し飼いをしていたので、時折脱走をしておりました(笑)
ま、その頃は家のものがみんな忙しく、散歩不足だったというのもあるかもしれない。
そんな折り、私は劇団のあるマネージャーさんから「おまえ、やせないと仕事あげない」と言われまして、
“はっ、やらねばっ”
と毎夕方5キロのジョギングをすることに。
そこへああた、リリイも道連れに(^_^;)
でも、ようあんときはあいつも走った走った。
その時のトレーニングもあって、そして腹減ってるところへ、スープのだしとるような大きな豚骨をそのまんまあげるとガリガリ全部食ってしまっていたこともあって、骨だけはさらに強くなっていたのでした。
そんな時期もつかの間、うちからいなくなってしまいます。
失踪ではなく、うちが経営しておりました、釣り堀園で飼われることに。
外犬は変わらず(^_^;)
釣り堀のお客様や、子供たちのアイドルになったのはいうまでもない。
あとこいつ、しまいには魚のコイとか生でバリバリ食う離れ技まで身につけていました。またこれでワイルドさたくましさポイントup。女の子らしさポイントdown。
私はといいますと、その頃から一人暮らしをそこから車で30分くらいのところで始めていまして、夜とか、誰もいない釣り堀へふらりと会いにいったりしてました。
そんな中、釣り堀が閉鎖されることに。
ここでもうリリイは10歳。
両親も二人なのでマンション住まいになっていましたので、リリイの居場所がなくなってしまうと。
だから、人にあげると親が言い出してまして…
ある夜、閉鎖間際の釣り堀にいったら、相変わらず誰もいない夜にリリイが犬小屋にいた。(そう、夜は無人なのです)
もう、
あきらかに元気がない。
絶対にあの時、あいつは手離されるって感づいていたと思う。
ま、そこで決心しまして、“よっしゃ、私が連れていったげるから心配するな”
でも外犬だしなー…一人暮らしで外犬って結構難しいぞーと。
んじゃ、平屋の一軒家でしょ。
んでどうせなら、また散歩も楽しくなる
海行っちまうかと。
んで来ちった＼(^_^)／
こうして同棲生活が始まりました。
そして大家さんのはからいで、こんなにでっかいのに、家の中で飼ってもいいということに。
やった(*^-^)b
が、ま、最初のうちはこやつも一人知らない家で留守番するのは心細く不安だったのでしょう、
暑さ対策のために少し網戸にしていたところに体当たりして、私を探しにいった模様。
私俳優座劇場で本番中のときに、不動産屋さんから劇場に電話が入り、お宅の犬が脱走したと。
これがまた、ご近所様方がとてもお優しく(こんな新しく一人で越してきたあやしい男にも)、そして皆様動物好きということもあって、皆さんであちこち手配して捜してくれていたのでした。今も忘れません。
本番終わって急いで帰ってきたときは、リリイは皆さんに囲まれて家の前にひもでつないでいた。
また一人じゃかわいそうだからと皆さん外で待ってくれていたのですね(涙)本当にありがたいことで…
本当に心から感謝いたしました。
肝心のリリイはどこで発見されたかというと、私と歩く散歩道で海へ向かう道を私捜しながらウロウロしていたら、
ご親切な家に保護されてお水などと共に玄関につながれていたとのこと。
なんでも、そちらの家も昔はラブラドールを飼っていたことがあり、その子も遠いところから歩いて飼い主を捜しにきたことがあったと。飼い主が困って捜していれば、玄関につないでおけば必ず大丈夫だろうと。
なんてことだ(;_;)
次の日には菓子折りもっていきました。
そしてリリイには、少し、こらっ！とか怒りながら、
ごめんなあ、と抱きしめました(^_^;)
そん時から、１日1回はものすごくいじくってハグをするのが習慣となりました。
それからあらためてこいつの湘南ライフが平和に始まるのでした。
夏などは朝から海パンで散歩行って、私が海で泳いでる横で、こいつ必死に犬かきしてた(*^_^*)
同じ目線で一緒に泳ぐのって、結構ありそでないので、楽しかったです。
ある時は、夜中に声出せる海岸へ台本とリリイ連れて行ったのですが、
セリフ練習中、さっきまでとなりにいたあいつの姿がそばにない。
あれ？どこじゃ？と周りに目をこらしてみると…
海の少し沖めでなにか白っぽい物体が、クイクイ動いているのを発見。
余裕でナイトスイミングを楽しんでやがった(^_^;)
おそるべし…
とつぶやいたのはいうまでもない
そんな中、
お芝居に使われる映画にも飼い主とともに出演。
やばいぐらいな女優魂を見せつけられました。
その時の共演の山像先輩とともに。
しかしよる年波には徐々に勝てなくなってきまして
まず一度目の命が危険なもうやばいという病気に。
これね、本当の話なんですけど、夢でリリイが出てきまして、なにもいわずに私のふところに身をよせてきた、ってまあシンプルな夢なんですが、
そん時はまた大変な本番中で一時だけ親に預かってもらっていたのですね。
夢から覚めて気になって電話したら、実は犬が大変調子悪いと。知らせたら心配で本番に支障をきたすかもしれないから、本番終わるのを待ってたと。
とにかくすぐに犬を迎えにいき、動物病院へ。
したら、処女の犬がなりやすい病気、子宮蓄膿症であまりにもひどいものであると。
死ぬ確率が高いと。
それでも手術するかと(子宮全滴)。
そりゃ一縷の望みがあればお願いします。
お医者さんに託して帰ろうとするとき、仰向けになって麻酔かけられたあやつが起き上がろとしてきた。
“大丈夫、大丈夫だから、がんばりやあ”
と鼻をなでて本番に行きました。
んでまた急いで帰ってきて、緊張の次の日行ったら
なんという生命力
すでにおばあちゃんなのに(^_^;)少し入院させて頂いて家に帰ってきまして
本人、とてもエリザベス、うざそうでした(^_^;)
でも一安心。こっから二年ほどは元気な安定生活へ。
クリスマスのサンタも
お正月の干支も(虎)
ま、歩速は遅くなって距離も短くなってはいましたが、頑張って彼女自身湘南ライフを楽しんでおりました。
しばらく平和に暮らしたのち、
第２の危機に。
眼震(がんしん)という、眼が揺れてしまう病気に。それとともに内耳炎も併発してて、ここで視力と聴力が著しく低下。
でもがんばるりりい(^O^)そのままちゃんとこの暑い夏を乗り切ったのです！
眼が見えないのに立ってた。
えらい
そして心配ながらも私は家を離れて旅公演。
やっと夏がおわったかな？
と、めちゃくちゃ寒い日が逆にリリイに体調順応を与えなかったのですね。
食欲が全くなく足腰も立たないとのこと。
ありがたいことに、特別に動物病院の先生方に家に迎えに来て頂きまして、そのまんま私の一時帰京まで入院。
そして夜行バスで帰り、朝一会いに行くと、少し回復気味
なんでも大型犬特有の胃にガスがたまり、ほかの臓器を圧迫する病気。ひどいと胃捻転になり命め落とすと。
幸い、ガスを抜いたらまた元気がでて、食欲もばっちし。
よし、がんばれがんばれ。
と寝かしつけてまた旅へ。
しかしやはりあきらかに私がいなくなると体の調子がおかしくなる。
また連絡をもらい、お医者さまに来てもらって見てもらうことに。
そしたら、診察治療後、また回復してきて、帰りたそうに出ない声で鳴いてると。
よってまた親に面倒みてもらうことに。
んでまた一時帰京。
会ったら前回よりも調子が良さそうでした(*^_^*)
嫌な予感もって帰京してきたんで、少し安心。
んで、また出発前に行ってくるな、と声かけてなでると、
私のスリッパにあごを乗っけてしばらく動かない。
これが生きてるリリイに触れた最後でした。
旅公演がまずは一段落して帰京する2日前の朝、元気かあ、って電話すると、だんだん弱ってはいるが、食欲は少なからずあるということ。
親が受話器をリリイに近づけて、息を聞かせてくれた。
そしてその夜、
終演後、携帯に電話が入り、リリイが息をしてないと。
さっきまで一生懸命ごはん食べて、スヤスヤと寝入ったのにと。
リリイらしい(^_^;)
聞いた瞬間、とうとうきたか…と思って、自然とおちつかそうとしたけど、
部屋に戻ったらやはり、吐きたくなるくらい動揺してた。
けど、帰るまでリリイを綺麗なままで安置できることを、頑張って調べて頂いて教えてもらい、手配。
んで、公演終了後帰京。無理やりビールたくさん飲んでった(^_^;)
素面じゃこわかったので。
が、会ったら酔いはやはりふっとんだ。
綺麗だった
もっと小さくなってるのを想像してたけど、まだ息してるみたいでした。
ずっとなでたりしながら朝までしゃべってました。
そして本日、火葬場へ。
お花などを入れて最後のお別れをして、
棺の蓋を閉めるのがやっぱ正直きつかった(^_^;)
でも、こいつも本当に一生懸命頑張ったのだ。誉めてつかわすのだ。
焼いたあと、係の人がびっくりしていました。
まず、骨があまりにもしっかり残っていると。
とても女の子の骨とは思えない、それも16歳とはとうてい思えないと。
最後に笑わせてくれるなあ、お前よ(^-^)
今自分の部屋にあいつの骨壺がきれいな包みに入ってあります
浅野リリイ
享年 16歳(人間でいえば120歳ほど)
本当にありがとうなあ。
私の役者人生全てあなたが見てます。
つらいときや苦しいときなど、玄関あけたらおまえがハアハア言って待っててくれたおかげで、どんなに救われたことか。
もっといっぱい一緒にいたかったけど、あなたもつらいの黙って耐えて笑った顔してくれてたかもしんないもんな。
ありがとうな。
さよなら
私のPC…
