今回は、アクリル樹脂の代替素材として耐熱性硬質ポリ塩化ビニル樹脂(耐熱塩ビ(HTS))を使った製品と、その特長をご紹介させて頂きます。
アクリルは、高い透明性・耐候性・耐衝撃性といった特徴があり、光学レンズやデシケーター、飛行機の窓や水族館の水槽など多くの製品に使用されております。しかし、酸化性の酸や強アルカリに弱く、弾力性が低いためクラックが入りやすいといったデメリットがあります。そのため、50~60℃程度の酸性溶液を長期間保管していたことが原因でクラックが発生した事例がありました。
そこで弊社では、透明性があり耐酸性がある耐熱塩ビを代替素材として提案させていただきました。耐熱塩ビの特徴は、塩ビ由来の耐酸性・耐アルカリ性・柔軟性に加え、通常、塩化ビニルが持ち合わせていない耐熱性を備えており、耐熱温度は80~90℃となります。(参考:アクリルの耐熱温度は60~80℃)耐熱塩ビで作製した容器には、ねじ込みボスが取り付けられておりますが、溶接によりボスを接合しているため、溶剤接着よりも強度に優れており、漏洩リスクを低減することが出来ます。
耐熱塩ビは、アクリルと比べ高価になりますが、耐久性を考えるとコストパフォーマンスは悪くないかと思います。素材の選定にお悩みであれば、使用用途に合わせてご提案させていただきますので、弊社営業担当までご相談頂ければと思います。
ご相談、お問い合わせは、TEL 029-270-5501またはe-mail:info@artkagaku.co.jp
アクリル樹脂のクラック
耐熱塩ビで作製した容器
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