~小学校・中学校・高校・特別支援学校の「やる気」がある先生方向け~
「文化庁の事業を利用して、お金をかけずに音楽室で“風の五重奏団”(プロの木管五重奏団)の演奏を楽しむ方法」
第6回:(2)どういう内容なの?~その4~
(「カノン」以外の共演曲について)
今回は“風の五重奏団”が、この事業(文化庁:文化芸術による子供の育成事業~芸術家の派遣事業)で、
使用しているプログラム(既にご紹介したプログラムの例はこちら)の中から、
「カノン」以外の共演曲について、お話をいたします。
共演曲は、せっかくなのでプログラムの中で1曲、何か一緒にできることを、と考え、
2005年からずっと取り組んできたわけですが、
著作権使用料についての処理についての状況が変化してきたことを受けて、
現在は特にご希望がなければ、ハンドベルを使用した「カノン」をご提案しています。
当初は、一緒に歌いたい曲のピアノ伴奏譜をお送りいただいて、木管五重奏で演奏できるように、
小川が「フィナーレ」というソフトを使って譜面を作っていました。
先生や児童生徒がピアノで共演することもありますので、
ピアノ伴奏譜に使われていない音は一切使わずに、音域の調整と音の振り分け作業を行っています。
ちなみにこの程度の作業は「編曲」とは言わないそうです。
なので、皆さんと一緒に演奏できる曲は、他にもたくさんあり、
ご希望により校歌もかなりたくさんの譜面を作ってきました。
(小さな字でA4の紙4枚分程度の表になっています)
やはり歌が最も多いですが、中には器楽合奏やリコーダーアンサンブルなど、
かなり凝った内容で共演を行った学校もあります。
今でも、ご希望があれば譜面を書いています。
文化庁の事業においては現在、ジャスラックを通した著作権使用料の処理が行われていますが、
仕組みの問題が色々とあり、この形に落ち着くまでにかなり時間がかかっています。
実は小川もジャスラックからの依頼を受け、東京代々木上原のジャスラックまで、
この事業についての説明に行ったことがあります。
この時には、日本音楽家ユニオン(音楽家の労働組合)の仲間が、
話を取り持ってくれました。感謝。
また「公教育の授業時間に於いて著作権使用料を徴収することはありえない」という
主張もあり(学校ではよく伺う意見です)このあたりは今後も流動的な状況が続くかもしれません。
ちなみに2020年4月現在、音楽室での公演1回、1曲あたりの徴収額は約275円で、
事前に「諸雑費」として計上することが可能です。
既にご案内したプログラム例の中で、上記に当てはまるのは
「いつも何度でも」と「作品番号獣番」の2曲で、
他の曲は「P.D.」(パブリック・ドメイン)と言い、これは「無料で使えます」という意味です。
今日はあまり夢のないお話で、失礼いたしました。
次回はどちらかと言うと理科系の先生方からのご質問が多い、
公演中に使用している投影のシステムについて、ご紹介いたします。
今日よりは少し面白いと思います。
(つづく)
(この原稿は、以下の内容で「専門家プロファイル」のコラムとして投稿し、
ありのみ株式会社のブログにも、同じ内容で投稿しました。
以下のリンク先は、専門家プロファイルのコラムに統一してあります)
第3回:(2)どういう内容なの?~その1~(日程や時間設定、公演回数、会場、対象学年、保護者の参加などについて)
第4回:(2)どういう内容なの?~その2~(演奏曲目などについて)
第5回:(2)どういう内容なの?~その3~(なぜ豊富なレパートリーが準備できるのか)
第6回:(2)どういう内容なの?~その4~(「カノン」以外の共演曲について) 今日はここ
第7回:(2)どういう内容なの?~その5~(投影のシステムについて)
第8回:(2)どういう内容なの?~その6~(おまけ:拍手のお話)
第10回:(4)どうやって申し込むの?~その1~「対象・募集時期と実施時期・書類の提出先と提出方法」
第11回:(4)どうやって申し込むの?~その2~「様式2」と「様式3」
第12回:(4)どうやって申し込むの?~その3~「様式4」と「様式5」と「様式6」
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(2020年4月8日up 4月22日更新 執筆:小川正毅)