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by ares19

◆恵まれたエリート・コースではなかったようです…指揮者の佐渡裕の場合

2007年12月17日 14時01分03秒 | 世の中、いろんな人がいるもんだ~
12/15(土)朝日新聞夕刊 5面
「天才の育て方―指揮者 佐渡裕のお母さん つた子さん」より


◎佐渡裕は、音楽の道に入ったのが遅く、
小学校6年生の時に担任の教師に勧められて
フルートを始めたのが端緒だという。


その後、中学で吹奏楽部に入部→地元の公立高校の音楽科
→京都市立芸術大学のフルート・コースへ進学と、
音楽家としてはエリート・コースとは言えない道をたどり、
指揮者を志望するようになったのは、大学2年の時。

学内でオーケストラを作って自主演奏会をしているうちに
指揮者に目覚めたそうだが、当時の大学の在籍は、あくまでもフルート・コース。

在学したまま、名古屋フィルハーモニーの副指揮者に応募したが落選。
ママさんコーラスなどの指揮をしながら大学を卒業し、
オペラを上演する「関西二期会」の副指揮者に何とか採用される。

副指揮者といっても、仕事は片付けや使い走りといった雑用が主で、
カラオケやドラマのテーマ曲録音の指揮などをしているうちに25才に。


兄は中学でさっさとピアノを辞め教員になっていたし、
友人も定職についていたため、本人は焦ったよう。

それでも母親は、「どーんと構えていた」そうで、
「心配? そんなんない。とにかく音楽一筋なんやから。
お金がなかろうが、 成功してなかろうが、
好きなことをしていれば仕事はいつかついてきます」。


あっぱれな「肝っ玉母さん」ということのよう。

その言葉通り、エリートだけが参加できる「タングルウッド音楽祭」に
ダメもとで応募したところ、指揮者コースの奨学生に選ばれ、
そこで巨匠、レナード・バーンスタインと
小沢征爾の目にとまり指揮者としての道が本格的に開けていったそうです。

◎同じく「遅咲き」ということでは、
先週の新聞記事だったと思うが、名優ダスティン・ホフマンは
31才になるまで全く俳優として芽が出なくて、
年収は30万円程度、その間は親に食べさせてもらっていた
とか書いてあった。

身長が低く冴えないルックスでも、演技力が抜群ということで
映画『卒業』の主役に大抜擢されて、
ようやく俳優として売れるようになったということです。


★「エリート・コースでなくてもいい」、
「遅咲きでも心配ないよ」と励まされる一方、
遅咲きでも結果として大成すればいいけれど、
ずーっと、いい年まで粘って努力しても道が開けず、
中途断念する人のほうが実際には多いだろうなあ、とも。

それでも、めげずに図太く生き抜く。

上記の記事のサブタイトルは、
「やってみたら、ええんちゃうか」という、つた子さんの言葉。

前向きで、とてもいい言葉。