次郎丸かなみの有味湿潤な日常生活

医療系オタク大人女子の日常生活やエッセイ。創作垢「きつねの戯言」にて小説、楽描きイラストなども描いています。

初めての胃カメラ

2023-12-05 17:01:08 | 日記
 約1ヶ月前、突然謎の体調不良に襲われた。何かいつものよくある不調とは違う。その日以前にも確かにしんどかったっちゃしんどかったけど、その日は特にめちゃくちゃしんどくて起きるのも辛かったが、何とかギリギリ遅刻寸前で出勤したものの、ふわふわするような「浮動性目眩に似た浮遊感」みたいな感じでふらふらするし、頭痛持ちの私でもあまり経験のない、刺すような、或いは締め付けるような、激しい頭痛。そして、食欲もあるし、普通に食べられるけど、たくさん食べたとか脂っこいものを食べたとかでなくても食後決まって気持ち悪くなり、軽い吐気がして漢方の胃薬を飲んだ。
 幸い翌日から2連続の午後シフトだったので、その週末の土曜日に有休を取って何とか耐えた。その後も多少の不調はあっても、MAXの不調だった時よりは幾分マシなので、何とか2週間は耐えて、12月頭に定期通院で受診した時に一応申告したら、主治医から意外なことを言われた。
「胃カメラ撮って来て。」
3週間後に職場の健診もあるけど、そこには当然胃カメラなんて含まれない。10年以上前から、昔の職場の近くの胃腸科や、今の自宅近くの消化器内科にはお世話になっていて、その都度1、2回診察して薬をもらっては、
「治らなかったら次回胃カメラ撮りましょう。」
で終わっていた。つまり、胃カメラまで到達する前に終わっていたのである。別に治った訳でもなく、「何となくマシにはなったからそのまま自然消滅」だったり、主治医が「漢方で治療するからもう他の病院は辞めとけ」的な雰囲気になったりしただけである。そして今回はいよいよ主治医から指示が出たので、そのままうやむやにはできなくなったということなのだ。

 胃カメラを撮ることになってまずは胃カメラの得意な医師の居る医療機関をネットで検索をしたが、評価はやたら高いけど明らかに胡散臭い所もあって、結局昔々の勤務先と同じ医療ビルに入っていたクリニックにした。そこに勤めていたのはかなり昔のことではではあるが、開業前の院長は私の実家近くの有名病院の消化器科の医長で「胃カメラの腕が良い」と評判だったからだ。ネットの評判を鵜呑みにして変な医者にかかるくらいなら、多少とも知識のある所の方が安心だし、クリニックは自宅最寄りの私鉄の駅から3駅ほどで駅近と立地も良い。
 そして先週そのクリニックに初診のネット予約をして朝イチ行ってみたら、既に3人患者が居て、なかなか診察が始まらないと思ったら、その日の診察前に胃カメラの予約していた患者の検査が少し長引いていたらしい。その後も合間に発熱外来患者の割り込みを挟みつつ、やっと診察になり、1週間後の今日の胃カメラ検査予約と事前の血液検査をした。
「診察開始30分前に前夜から絶食して来るように」と言われて初回は終了し、いよいよ今日が検査当日である。

 今日は天気も怪しいし、絶食でお腹空いてるし、先週半ばから運動不足解消のために片道20分ほど徒歩通勤してるし、最近本業の外来はインフルエンザ蔓延で超絶忙しいし、末期癌患者の在宅訪問は頻回だし、先週末の棚卸しは過去イチ遅くなるし、と仕事で疲労が蓄積してるし、「今日だけは駅までバスに乗ろう」と決めたら、バスの時刻表の関係で、「8:30ちょうどで良いから」と言われていたが、少し早めにクリニックに着いてしまった。
 まだ医師は白衣着てるとこだし、看護師は器具の準備とかしてるし、受付は無人だし、自動検温器で35.1℃と確認してから、とにかく診察券と予約票を受付に置いて待合に居たら、医師が準備の出来たところで早めに呼んでくれた。
 初めてなので全く勝手がわからないまま、ベテランの看護師が手際良く説明しながら準備してくれる。上着をハンガーラックにかけて鞄を置いたら、奥のベッドに腰かける。
「お腹のガスを消す薬」と言われて小さいカップの液体を一気に飲む。飲みにくくはないけど美味しくもない。
 事前に経口か経鼻か相談して選ぶのかと思ったら、既に経鼻と決まっていたようで、看護師が
「大体は右からなんだけど、初めてだから今回だけ両方するね。耳鼻科でしたことある?」
と言いつつ、「小型化した柄の長いジョウロ」みたいな形の噴霧器で左右の鼻の奥にスプレーをする。
「お腹の動きを止める薬を肩に注射するけど、結構痛いよ。」
と看護師に言われて、ストレッチ素材のTシャツの袖を捲り上げる。恒例の
「チクッとしますよ。」
で針が刺さった時は全然痛くなかったが、薬が注入されたら、我慢できないほどではないが、これが本当に結構痛い。
次は局所麻酔のゼリーを鼻から入れて飲み込む。これも「本来なら右だけだが、左もちょっとだけしとく」と言われた。
右の鼻から細いチューブを入れて、看護師から
「少し狭い所を通るけど、大丈夫みたいね。」
と言われ、2回目のチューブは「実物の胃カメラと同じ太さ」と言われ、これも難なく通った。最後に口の中にも麻酔のスプレーをして、飲み込む。ベッドに横向きになって寝転んだ状態でベッドが持ち上がって準備OK。

 医師が来て、胃カメラをいれると鼻の穴の細い所も難なく通り、飲み込んだらずんずん奥に入って行く。モニターには白い食道の粘膜が映し出されている。そのまま奥へ進んで、途中に緑色の胆汁が見えたりして、胃の出口付近で十二指腸は綺麗だと言われ、胃の屈曲した部分(底というか角というか)を見て、天井を見上げる感じで上の部分を見て、一旦入口辺りまで戻ってから、食道も綺麗なので、再びまた下からゆっくりと観察していく。
「自然な凹凸はあるけど、ポリープではない」と説明され、
「全体的に少し荒れた感じ(「慢性胃炎」)ではあるが、年齢相応ですね。」
と言われる。一部に出血してたり毛細血管が浮き出てたりもしたが、酷くはないらしい。
医師が少し気になったのは、小さい糜爛(びらん)があること。炎症が起きているということだそうだ。言うなれば「急性胃炎」。ピロリ菌の組織検査用に、平坦で滑らかな正常部位を1ヶ所採取すると出血して来たが大丈夫らしい。カメラの管の中に、触手の先にピンセットみたいなのが付いた少し細めの管を入れて摘んで採るのだが、何かMARVEL映画の『スパイダーマン』に出てくる『ドク・オク』というヴィランを思い出す。
 先を開くのと閉じるのは、医師の「開いて」「閉じて」に合わせて看護師が操作する。カメラ自体は医師が動かして、ピンセット状の先端の遠隔操作は看護師がやるようだ。次に糜爛の所も採取。最後にひだひだになってる(ここも正常)部位からもう1ヶ所採ろうとするが、これがなかなかうまく摘めないようで何回もやり直しをしていた。この辺りが潰瘍多発部位だが、見た目は何ともないらしい。ただ、見た目ではピロリ菌が居るかはわからないので、検査してみないと何とも言えないそうだ。最後に食道との境目辺りを見ながら、「逆流性食道炎の起こりやすい部位だが奇麗なので大丈夫」と言われた。
 検体の採取が終わると、するすると胃カメラは抜かれて、無事検査が終わり、ベッドから降りると、看護師から
「麻酔が効いてるから顔を下向けたままうがいしてね。」
とコップに入った水を渡された。その時シンク前にエンジニアみたいな男性が白衣を着て立っていて、看護師に邪魔にされていた。撮影した画像をプリントする操作のやり方を、その男性が医師にアドバイスしていたから、(新しい機械に入れ替えになったばかりなのかな)なんて思っていた。
 「上着は良いから鞄だけ持って診察室に行ってて。先生から説明があるから。」
と看護師に言われ、診察室で待っていると、後から来た医師から画像4つを1枚にプリントした写真を渡され、
「全体的に少し荒れている慢性胃炎の症状と、一部に糜爛や出血などの急性胃炎の症状の両方がありますね。食べ過ぎないようにして、よく噛んで食べるように。何ならガス〇ターなどの胃酸を抑える薬を飲んでも良いかもしれません。ピロリ菌と組織の検査結果が1週間ほどで出るから、先に電話で確認してから来てもらったら説明します。」
と言われて終了。上着を取って待合に移動した。

 待合のソファーで座っていると、診察の患者は呼ばれるが、会計はなかなか呼ばれない。麻酔のせいか検査のせいか、喉も口の中もカピカピで、痛いような、ザラザラしたような、苦いような、変な感じが続いていたので、私は何気なく持っていたペットボトルのお茶をちょっとだけ飲んでみた。「前夜から絶食だが少量の水分は良い」と言われてたので、手を温めがてらホットほうじ茶の小さいボトルを買って、往路にちょっと口を湿らす程度に何度か飲んでいたのが、鞄の中に入っている。
(麻酔残ってても大丈夫かな)という考えが頭の隅にありはしたが、舐める程度のお茶が大丈夫だったのに味を占めて、喉も乾いてたので、そこそこごくごく飲んでしまった所へ、看護師がやって来て、
「機械の操作の説明を先に聴いてて、説明が遅くなってごめんね。」
と言った。その直前に、恐らく白衣を着て操作のアドバイスをしていた男性と思しき人物が去って行くのを見たので、(ああ、そうか)みたいな感じだった。
「麻酔が残っているので、今から1時間は絶飲食で。1時間経ったらちょっと水を飲んでみて、大丈夫そうだったらその後は飲食して良いからね。」
と説明書に1時間後の時刻を書き込みながら看護師が言った。内心ギクッとしたけど、そこは敢えて何も言わずに「はい」と答えて流した。医師にも言われたが、看護師からも「1週間後に検査結果が出ているか電話で確認して受診するように」と説明され、その後すぐ受付から呼ばれた。会計が終わると受付からも同様に「1週間後に電話してから来るように」と言われた。(診察券を返して貰い損ねたのに気づいたのは帰宅して大分時間が経ってからだったが、朝はまだ受付スタッフが居ないうちに医師が診察券と予約票を持って行ったので、(院内の何処かから見つかるだろうからもう良いか)と放置した。どうせ1週間後に電話するから、その時に言えば良いだろうし。

 検査の後、少し鼻血は出ていたようだが、たらたら流れ出るようなものでもなし、鼻水を拭いたらちょっとティッシュに薄っすら赤みのある鼻水がつくくらいで、看護師には
「もう止まったね。大丈夫そうね。」
と言われたが、一時間以上経って家に帰ってからもやはり薄赤い鼻水はちょっと出たりした。喉のイガイガするような違和感も家に帰ってから暫くは残っていたが、いつの間にか消えていた。

 「検査結果は1週間ではまだ出ていない場合もある」とは言われたが、平日のシフト休みは現状火曜日しかないし、繁忙期の師走は休みも取り辛いので、出来たら火曜日の朝に電話してその日のうちに受診できるのが有難いのだが、こればかりはこちらではどうしようもない。翌週(今から2週間後)は定期通院なので、主治医に結果を報告せねばならないから、何とか来週中には結果をもらいたいものだ。そして定期通院の翌日は職場の健診。健診の結果は大体3週間以上になるので、確実に年を越す。次回1月の定期通院までに結果が出るかどうかも怪しい。だが、今まで「〇〇アレルギーの疑い」ばかりで、正式な検査をしていなかったので、今年はつけられる範囲のオプションからアレルギー検査を選んでみた。精度がいまいちかもしれないし、また主治医に「そんなしょうもない検査せんでも良いのに」と馬鹿にされそうだが、一応科学的根拠に基づく結果を見てみたい気がしたので。

 年齢を重ねれば、経年劣化は否めないが、幼い頃からの持病である自律神経失調症から派生する症状には慣れているが、それとは全く違う今回の不調にはかなりビビった。何ものだか得体のしれないものは恐ろしい。それでなくても初めてのもの、不慣れなものに対する不安は人一倍強い方だ。その割に初の胃カメラ検査は大丈夫だったのは、事前の予期不安が酷いだけで、いざ検査となって俎板の鯉となったら、寧ろ好きかも知れないドM傾向があるからかも。今日も注射の時に
「採血は好きなんで、取られる方は良いけど、入れられるのは苦手で。」
と冗談めかして言ったら、看護師は引き気味に苦笑していた。

 来年は節目の年でもあるし、本厄の年齢にも当たるので、(そういう巡り合わせなのかも)と思いつつ、結果を待とう。

 全然関係ないが、今日もPCが不調で、半分以上はスマホアプリで執筆することになった。
(主の私も相変わらず不調だが、PCまで不調になる必要なくない?)と若干キレ気味であったが、何とか最後まで書き切れて良かった。

 創作垢の方では、前作の外伝を執筆中。もう繁忙期にどっぷり嵌っているし、年末年始も迫って来るので、どこまでやれるかわからないけど、まだ物語は導入部のみ。これから本編に入って行くところなので、何とか頑張って行こうと思う。作画も予定はしているが、なかなか取り掛かれず、何度もイメージが吹っ飛んでいるけど、最終的に、想定の中の全部は無理でも、最低限の作画はしたいと思っているので、また経過は創作垢の方で、ということで。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 異次元レベル | トップ | 昭和レトロ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事