主人公はバリ島で休暇を過ごしていました。
帰国を間近にしたある日、彼は急に、ちまたで有名な治療師(後にスピリチュアルマスターとなる人物)に会いに行きたくなりました。
その出会いが、その後の自分の人生を大きく変えていくなどとは思いもせずに……。
これは「バリの賢者からの教え」(ローラン・グネル著、河村真紀子訳)のストーリーです。
そこには、のんびりと時が過ぎていくようなバリの自然と人々の心があります。
まるで自分もその場所にいて、主人公と共に賢者の話を聴いているような感じがしました。
そのせいでしょうかスーッと素直に教えが心に入ってきます。
人々は“思い込み”にとらわれていると老賢者は言います。
そして、その“思い込み”に従って現実をつくっているのだと。
たとえば同じくらいの容姿の人々がいるとします。
その中のある人物は自分が超美形だと信じているとしましょう。
そうすると、その人はそれにふさわしい振る舞いをするようになり、人からも美しいと思われるようになるというのです。
冷静に人々を見比べてみて、こちらの人の方が美しいのでは?と思う人がいたとしても、本人がそれを認めていなければ輝くことはないのです。
人はしばしば人生の道程でもマイナスの“思い込み”をして輝きを失っているかもしれません。
現実世界は、ありとあらゆる情報に満ち溢れています。すべての情報を受け取りながら暮らすのは不可能です。
だから自分にかかわりのある情報を自動的に選別しているわけですが、そこに無意識の“思い込み”もフィルターとして存在していて運命を左右するのではないでしょうか。
この本を読んで、そのことを強く感じました。
自分の価値観に沿った幸福を感じる人生への道、チャンスは皆同じように与えられていたとしても、“思い込み”によりそれに気づかないこともあるのです。
自分自身でなんとなく感じている《自分》、これって本当の自分なのだろうか?
もしかすると《思い込みの自分》かもしれない……。
最後に印象的だった賢者の言葉を載せたいと思います。
「自分は何らかの出来事やほかの誰かの被害者だと思っている限り、人は幸せにはなれません。大切なのは、どんな人生であれ、あなたの人生を決めるのはつねにあなただということを理解することです」
「あなたはあなたの運命の主人(あるじ)なのですよ」
photo by ミントBlue
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