その本の帯にはこうありました。
「いやだ!」「ノー!」と言わなければ、結局、身体がわたしたちの代わりに「ノー」と言い始めるだろう。
医師である著者は、命を奪うような重い病気になった人々に共通の性格的傾向があることに気づきます。
それは子供のときの環境に起因するものでした。
たとえば、この本の初めの方に出てくるメアリーという女性の場合は幼いころ両親から虐待を受け、あげくに養育まで放棄されて里親の家をたらいまわしにされて育ったそうです。
そんな環境のなか、彼女は自分の気持ちを率直に話したりすれば生きてはいけないということを感じました。
成長して大人になり、もう自分の気持ちを話しても良い状況になってもそれができなくて、自分のなかに膨大な抑圧された感情をため込んでいたのです。
人から気遣ってもらう権利があることに気づかず、他者を優先してしまうのです。
私たちの身体は放っておいても、バランスをとって健康になろうとする働きがあると思うのですが、過度の肉体的、精神的抑圧を受けると回復が難しくなります。
本来なら、自分の精神は自分の味方であっていいはずなのに、間違った認識をしていると敵になってしまうのですね。
医学的には、まだまだ、このような精神状態が病を引き起こすというメカニズムに対し着目がされていないと著者は語ります。
でも、著者は歴然と数多くの患者をみてきたことで、この本を記したのでしょうね。
自分の小さな頃からの思い込みに気づいて、それがあまりにも自分の本心に背く種類のものであったなら変えていくことが大切なのでしょう。
感情を適切に表現する術(スベ)を学ばなくてはなりません。
それにね。本当に私たちを大切に思ってくれる人であったなら、たとえ「ノー」と言ったって否定的な態度になることはないと思います。
むしろ、自分の心に素直になって話したことに対して、文句を言ったりする人間なんて付き合う価値がない!と私は思います。
相手のことを気遣うなら、自分のことも同じように気遣うことが大切なのですね!
