goo blog サービス終了のお知らせ 

東北一周旅日記 1日目

2005-08-20 | 原付・東北一周の旅
2005/08/16


雨あがりの濡れた朝の路面を、愛車ディオ(原付)で走り抜ける。
冷たい風が気持ちいい。
ついに、4年間の旅の集大成、原付東北一周がはじまる!
(オープニングテーマ『摩訶不思議アドベンチャー』)


原付東北一周の旅 1日目 
『♪そうさ、今こそアドベンチャー!』


7時半に福島を出発し、のんびり宮城を目指す。
阿武隈川沿いの国道349を進む。

雄大に流れる阿武隈川。昨日の雨のせいで、ごうごうと音をたてている。

8:40 小雨がふるなか宮城県突入!
そして豪雨…!

やばい。
雨で前が見えない…全身びしょ濡れ…

少し走ると、すぐ止む…かわいた道路にびしょ濡れのおれ…

気をとりなおし、海ぞいへ。



11:00 塩釜

ゴゴゴゴ……
何だ…? エンジンかけてないのに…

ドガガガガガ!!!

地震? え…やべくねぇ?
電信柱が揺れてる…車が跳ねてる…!

……………おさまったか…
『ピンポンパンポン、津波警報が発令されました。沿岸部には、近付かないでください』

町中にアナウンスが響きわたる…
今から松島行く予定なのに「沿岸部近付くな」だと…

でも…ここまで来て松島行かないなんて、おれにはできない…!

青田、突撃!



12:30 松島到着。
津波の影響はあまりなさそうだ。

いやぁ、絶景だね。そりゃ芭蕉も俳句つくるわ。

小田原からバイクで来たおっちゃんと知り合う。
今朝3時に出発して、ここまで来たらしい…。
おっちゃんに、この近くにある端巌寺(ずいがんじ)に行くことをすすめられる。



13:00 端巌寺
拝観料700円かぁ…  端巌寺スルー!

その後、小牛田町などを通りぬけ、ついに、



17:00 岩手県突入!

今日は信夫寮のの実家に泊まることになっている。
実家のある一関萩荘というところへ来る。
詳しい場所が分からないので、連絡してみるか…。


……ん? 圏外…!

え―――――!

これじゃ、連絡とれねぇ…。
仕方無い、少し街中へ出るか。
どうにか、電波の入るとこまで来て、ケータイを見ると、留守電が来てた。

『充です。うち、圏外だから、こっちの自宅の電話に連絡ちょうだい。』

よかった…。

ということで、充の実家へ。
どんだけ、山ん中だよってぐらい、山ん中へ。


充の実家には、兄夫婦が来ていて、その子ども、じゅんくん(4歳)もいた。
家族みんなで花火をして、じゅんくんも大喜びで家族だんらんのほのぼのした時間。

ただそこに怪しい原チャ男が一人…。


今日の走行距離:214キロ

明日は岩手縦断!


つづく…

東北一周旅日記 2日目

2005-08-20 | 原付・東北一周の旅
2005/08/17


ニュースを見たら、相馬市が出てた。

昨日の地震で市民会館の天井崩れてんじゃん!

天井と言えば…
寮の天井さ、今はやりのアスベストじゃないかって疑惑が…


原付東北一周の旅 2日目『とりあえず笑っとけ!』


8:00 出発!

まずは近くにある渓谷を見に行く。


8:30 巌美渓
透き通ったエメラルドグリーン色の川だ。

と、つり橋発見。歩くと揺れておもしろい。
そこで青田は他の観光客がいなくなるのを見計らって、つり橋の上をダッシュ!!
昨日の地震ぐらい揺れて、すげぇ(^O^)



10:00 満足した青田は平泉へ行く。
大河ドラマでおなじみ、義経の最期の地である。
中尊寺金色堂を見てくる。趣深いですね。

それからも、徳水園、千貫石森林公園と通りすがりに見つけた公園をふらふらする。



12:10 高村光太郎記念館
展望台で充のお母さんに作ってもらったおにぎりを食べようとする。
しかし、記念館の入場料を払わないと展望台へ行けないらしい…。
別におれは記念館入りたくないのに…

受付のおばちゃんに、笑顔で交渉!
「……じゃ、今回は特別だよ。」
「あっざーす!」 

ただで通してもらう。

笑顔は大事だ。



13:30 紫波町
ここは伝説の雀鬼、赤木しげるが死んだ場所である。
物語の舞台のモデルとなった寺がないか、探す。

4か所ほど、寺を巡ったが…見つからず…
とりあえず麻雀で勝てることを祈ってきた。



16:00 盛岡
なんとなく、岩手大学へ行く。
警備員がいなかったので、不審な原チャ男、正門から堂々侵入! 

そして教育学部棟潜入! 当たり前だがなんも、面白いもんなかった…

大学の中央にある広場に行くと、なんとお手玉でリフティングしてる男、発見! しかも、はんぱなくうまい!

話しかけてみたらバスケ部らしい。 何で?



そんなことより、問題は、今日泊まる場所だ…。
どうしよう…。相馬から岩手大学に行っている前田くんに連絡をとってみる。

前田『お~、久しぶり。………あぁ~今、相馬に帰ってんだよね…。』

がびーん…!

『でも、おれのアパートに泊まっていってもいいよ。暗唱番号押せば、ドア開く仕組みだから、勝手に入って使っていっていいよ。』

マジで? いいの!?

前田くんアパート侵入成功!


さて、夜飯でも食うか。
前田くんのおすすめで、近くの小さな食堂へ行く。
店の中に入ると、客席でおやじが寝てる。

「お、らっしゃい!」

どうやら、店員は、このおやじ一人らしい。

「どれ、…あ…タンマ…。」 

突然、おやじの動きが止まる…。

「………ふぅ…危ねぇ。腰、ヘルニアでよ、今、危なく病院行きになるとこだったわ。

大丈夫か…このオヤジ…?

席に座ると、目の前に伝票が置いてある。
「あ…それに、注文する料理と、値段書いて。」

客に書かせんのかよ?

まぁ、ごはん、味噌汁おかわり自由で、安くてうまかったから、全然よかったっす。


今日の走行距離:153キロ

明日は、ついに最北、青森へ!


つづく…


東北一周旅日記 3日目

2005-08-20 | 原付・東北一周の旅
2005/08/18


昨日は、あのあと、岩手大の友達、伊藤くんから連絡が来たので、二時ぐらいまで二人で飲んでました…

伊藤くんは、もう就職が決まったらしい。
面接のときに、こんなことを聞かれたらしい。

『キミ、彼女はいるの?』
伊藤くん「は…はい。います。」

『それは、どっちから告ったの?』

そんなこと聞かれんのかよ!

面接官が言うには
「彼女の一人も作れないやつぁ、営業なんかできねぇんだ。」らしい…。

じゃ、彼女の一人も作れないおれは…


原付東北一周の旅 3日目 
『負のオーラがにじみでてます…』


7:00 少し二日酔いなまま、北へ進む…!

朝の風が、二日酔いには心地よい。

青森に行くには、国道4号で行けば早いんだが、
それじゃあ…つまんないよな。 やっぱり東北は、山登んなきゃな…

8:00 高森高原。
いやぁ、いいねぇ。このアップダウンの激しさ!
やっぱ、峠せめなきゃ(*^_^*)

ただ、さっきから水滴が顔にあたる。
結構、霧が出てる。空模様も怪しい…

雨だけは勘弁してくれよ…


8:30 岩手町 
岩手県岩手町ってあるんだね…知らなかった…


9:00 一戸(いちのへ) 
山を下ると、さっきまでの霧が嘘のように晴れ渡る。

10:00 二戸(にのへ)

11:00 三戸(さんのへ) ついに青森県へ!

12:00 五戸(ごのへ)

13:00 六戸(ろくのへ)


少し早いが、今日はここまで。サークルの後輩の六戸町上吉田の吉田よしたか
の家に泊まる。

ひまなので、よしたかの車で付近を走る。

三沢市で祭りがあるらしく、山車(だし)がいっぱい並んでいた。
ねぶたとも、また違うが、竜や侍などをかたどった大きな台車みたいなものだが、迫力がすごい!
感動的だ。


ついでに、よしたかの車のバッテリーを交換に行く。
バッテリーを交換すると、エンジンが、かからなくなる…!
何で…!!?

おれが行くところには、ハプニングがおこる。
どうやら、マイナスの力が働いている…。

とりあえず、運転はできるように応急処置はしたが、部品を交換しないと、またエンジンがかからなくなるかもしれないらしい。



さぁ、今日は木曜日『電車男』でも見ようかな…。

よしたか「青森はフジテレビ系列、入らないんで…」

あっ…!

そろそろ、3日目で疲れてきたし、早めに寝るか… 


今日の走行距離:157キロ


明日は雨らしいが、気合いで秋田へ向かう!


つづく…

東北一周旅日記 4日目

2005-08-20 | 原付・東北一周の旅
2005/08/19


朝、まずは、よしたかの親戚が経営するバイク屋へ行って、原チャのメンテナンスをしてもらう。
特に問題もなかったので、長距離走るときの注意を聞く。

「やっぱ、ときどき休んで、エンジンひやしながら、進んだほういいですよね?」

「いや、今の原チャは、走ってるときの風を利用して、常にエンジンを冷やしながら走ってるから、何時間走りつづけても大丈夫だよ!

え? 大丈夫なの? 
今まで、一時間おきに休憩とってたりしたけど、別にいいの?
じゃあ、おれは、おもいっきり走り続けるぞ。

この魂、尽きるまで…


原付東北一周の旅 4日目『燃え尽きる魂』


8:00 出発!
まずは、十和田湖に行くため、奥入瀬渓谷を進む。
まさに杜(もり)の中をゆるやかな流れの川が流れる。

すばらしく、きれいである。



10:00 十和田湖広い! 迫力があり、かつ綺麗である!



11:00 秋田県突入!
樹海ラインという、山の中の道を進む。

途中、落差60メートルで七段になっている七滝を見る。

顔にかかる水しぶきが心地よい。




14:00 ほぼ二時間ぶっ続けで走り続け、疲れた青田。
ガソスタのお姉ちゃんと話しはじめる。

ずっと一人で走ってると、人と話すのが新鮮で楽しい。秋田で安く泊まるなら、健康ランドがいいんじゃないかと勧められる。


15:00 ほぼ三時間ぶっ続けで、疲労でテンションがおかしくなる。
「助けてくださぁい!!…誰か…助けてくださぁい!!」
東北の中途半端な場所で、意味不明なことを叫ぶ。



16:00 八郎潟の干拓でできた大潟村へ。

果てしない直線が続く。スロットルを握る右手の感覚がおかしくなってくる…


16:30 ついに日本海!
キタ――――(^з^)
こんなとこまで、来てしまった…



17:00 秋田市到着!

さて、今日の宿をどうするか…野宿か…

秋田平和公園。墓地に囲まれている異様な公園。
しかも『くま注意』の看板。

くま…?   熊、出んの!? 

ここ、秋田駅から2キロぐらいしか離れてないよ!


街中を2時間、さまよい、健康ランドなどを回り歩き、値段を比べる。

2600円で手をうつかぁ…


健康ランドの駐車場に原付をとめていると、近くにいたおっちゃんたちが話しかけてきた。
「なんだ、あんちゃん、福島から来たのか? ○×@§*#¥♀?」

地元の人らしいが、方言がきつく何を言ってるか分からない…

ただ、一つ聞き取れたのは「受付のねぇちゃんがかわいいから、ひっかけてみろ」と言うこと…。

なぜか、そこだけ聞き取れたという…


いやぁ、風呂は疲れを癒してくれる。


今日の走行距離:277キロ

昨日の ほぼ2倍だ…さすがに疲れたんで、ゆっくり休もう…。

明日は日本海沿いを走り、山を越え山形を目指す…


つづく…


東北一周旅日記 5日目

2005-08-20 | 原付・東北一周の旅
2005/08/20


体調がよくない…疲労がピークに達しようとしている。
しかし、もう、ここまで来た以上、どうしようもない…


いつも、そうだ。おれの進む道は前にしかない!


原付東北一周の旅 5日目『アドレナリン出まくり』


7:30 出発
日本海を右手に、国道7号線を走り続ける。
ただ、交通量が多く、道も悪い。


9:30 二時間も7号線を走り続けている。
やばい。排気ガスの吸いすぎでぐったりしてくる。
右手もけんしょう炎じゃないかって感じに痛い。

こうなったら、鳥海山に登るしかない…



10:30 鳥海山
なぜ、標高2000メートルもある鳥海山の半分近くまで登るという過酷なことを進んで行っているのか、自分でも分からないが、やっぱり山は空気がうまい!

生き返るようだ。



12:00 ついに山形県酒田市

右手が限界を迎える。やばい。
もうスロットルを握っていられない…!

休みながら、少しずつ山形市を目指す。



ザ――――――――

14:00 雨…。山の中…。
雨宿りする場所などない…びしょ濡れ。
でも、通り雨ですぐにやんでくれた。


15:00 おい、国道458号線
舗装されてない砂利道なのに、国道名のるなよ…! 

ものすごい山道…絶景!

この国道やばい。激熱である。
アドレナリン出まくり。
右手の痛みもどっかへ消えた。こけないように必死で砂利道を走る。

ん…? 
地図とガソリンメーターを比べみる。
この458号線は、山道が20キロぐらい続く。
が、ガソリンが、ほとんどない。

間違いない…このまま行ったらガス欠だ…

どうする…?
今なら、さっき見かけたガソスタまで、戻れば間に合う…


だが、おれの進む道は前にしかない…!

前進!

20分後。バイクのおじさんに会う。
ガソリンがほとんどないという事情を話すと、一緒にガソスタのあるところまで走ってくれるという。もし、ガス欠で止まってしまったら、ホースがあるので、それでガソリンを分けてくれるという。ありがたい…。

バイクは原付よりスピードが出るのだが、わざわざオレにあわせて走ってくれている。本当にありがとうございます。


40分後。山を抜け、ちらほら民家は見えてきたが、ガソスタはない。
ヤバイ。もう、マジでない…
いつ止まっても、おかしくない…迫り来るリミット…!


………! あれは…。
ガソスタ発見。 やった…!  

ガソリンを満タンにし、バイクのおじさんにお礼を言って別れる。



17:00 山形市
今日も泊まるとこがないなぁ…野宿か…健康ランドとかか…


あ…いっそ、福島まで帰るか…。


一日で秋田から、福島まで行ったら、伝説じゃん…

そんな考えが頭をよぎる。
しかし、すでに6時で、辺りは薄暗い。
しかも遠くで雷が鳴り、雨がちらついている。 



しかし、しかし………!!!


伝説を作るのは、今しかない!



一人でテンションをあげながら、愛車ディオで突き進む!!

うおおおおおおおおおおおおお!!!!

テンション最高潮、ハイスピードで山形を駆け抜ける。

うおおおおおおおおおおおおお!!!!




看板「この先、蔵王」………………!





道、間違えてました。

気を取り直し、ハイスピードのまま戻る。
そしてついに、峠の手前まで来る。

この峠を越えれば福島へ帰れる…!

だが、山の向こうは先ほどから、やばいぐらいに稲妻が光っている。
雨も少しずつ強くなってきている。


こんな真っ暗な中、峠に突入して大丈夫だろうか。雨宿りするような場所もない山の中だ。
何より雷に打たれないかが一番の心配である。



怖い。今までの旅で一番恐怖を感じた。

本当に命知らずで峠につっこんで大丈夫か!?



…………………………………!



俺の進む先は、いつでも光がさしてくる!





揺るぎない決意。
断固たる覚悟。
確固たる信念。



ディオは突き進む!


国道399号線。はんぱじゃない。
夜で暗いし、道はかなり狭いし、道はぐねぐね曲がりくねっている。
ヘアピンカーブの連続である。







どのぐらい走っただろうか。
遠くに街の光が見えた。輝いている。     


ついに福島の光…! やった!

ふと看板が見えた。「ここから福島県」
えっ!? 県境? 

おかしい…。

地図を見る。
県境から福島の街までまでは遠すぎて、街の光など見えないはずである。
あの街は福島じゃない。山形の南陽市だ! 
さっきまで、走ってた街だ。

道は間違っていないのだが、まだ峠をほとんど進んでいなかったのだ。
夜ということ、道が非常に曲がりくねっていたこともあり、だいぶ進んだように思っていて、全然進んでいなかったのである。


微妙に雨は降ったままで、霧も立ち込めてきた。
最悪のコンディションであるが、ここまできた以上進むしかない。


寒さに震えながら進む。
手の痛みなと、とうの昔にふっとんだ。
アドレナリン出まくりである。


潰れかけた古い家が並んでいるのが見えてきた。
山あいにあるため、不便で人がいなくなった無人の集落である。

知る人ぞ知る心霊スポットだ。霧が漂う不気味な中を進む。



距離にして30キロぐらい走っているのだが、車1台としか、すれ違わない。
いつ幽霊がでてもおかしくない雰囲気である。





やがて、道が広くなってきた。
今度こそ福島の光だ。

温泉街が見える。飯坂温泉のようだ。

温泉街を走ってみるが、知っている景色が見えてこない。

ん…? 茂庭温泉…? あれ?

地図を見ると、まだ飯坂まで6,7キロある。
ちくしょー! また間違えたぁ! 





気合いを振り絞り進み続ける。
次第に見慣れた景色が見えてくる。

飯坂温泉、西道路、福島駅、金スカ。



21:50 金谷川5番地へ帰還!

もはや、雨でびしょ濡れだが、ついに帰ってきました!


東北一周…!


今日の移動距離:379キロ

5日間での累計1180キロ!


熱かった。
まぁ、何を得たかと言われれば、何かを得たような気もするが
具体的には分かんないけどさ。
まぁ、楽しかったよ。

原付は直に、
太陽の暑さだったり、
木陰の涼しさだったり、
風の心地よさだったり、
雨の冷たさ
を感じれる。


それが楽しいから、また旅に出たいです。
過酷だったけど、みんなから励ましのメールとか来ると、すごい元気になったので、ありがとうございました。

おれは、永遠に「挑戦者」なので、また、そのうち旅に出まぁす!

長い日記に最後まで、つきあってくれてどうもでした。

ありがとう!


おわり。