NHKの番組に『チコちゃんに叱られる』というのがあります。ご存じですか?
やたら頭がデカくておかっぱ髪の、アニメの女の子「チコちゃん」がゲストの有名人にクイズを出して…
答えが間違っていると(たいていは間違いなのですが)…
「ぼーっと生きてんじゃねえよ!」と叱りつけられる、という。
たまに正解すると…
「つまんねーやつだなあ」と言われてしまいます。
あれ、ゲストじゃなくて、自分や自分の身の回りの人に言われているような気がしますよ。
ぼーっと生きてると、大変なことになる世の中なのに、みんな忙しいとかめんどくさいと言って…
身の回りのことだけにかまけていて。
本当に考える力がないとか、考えるやり方がわからなくて、ぼーっと呆けている状態の人もいるでしょうけれど…
「別にもうどうなってもいいよ、今この瞬間が楽しければ」
「どうせ考えたって、なんかやったって、結局何も変わんないんだし」
という思いが、心の中を支配しているから、という人も多いでしょうね。
まあその気持ちは分かりますけれど。
ところで、みなさんマイナンバーカードはもう作っていますか?
マイナカードを巡っての…
他人の住民票を取得してしまった、他人の銀行口座が紐づけられていた、他人の健康保険証情報が入っていた…
マイナポイントが、他人に付与されてしまった…
等々のトラブル、昨年だけでなんと、7300件以上もあったと発表されています。
全国医療団体保険連合会(保団連)の調査によると…
マイナ保険証を利用できる医療機関のうち、6割(!)で、何らかのシステム上のトラブルがあったとのこと。
いまマイナンバー法改正案が国会で審議されていますが…
デジタル担当大臣の河野太郎氏や、厚労相の加藤勝信氏は…
「それぞれ個別の原因で起きた事案で、システム自体に問題はない」
「申し込み時のデータ入力の際の、ヒューマンエラーによるもの」
だと。つまり…
「マニュアル通りにパソコン端末を操作しなかった利用者が悪い」
「もしくは正しく指導できなかった、現場の補助員が悪い」
「一部は、コンビニの端末システムを作った富士通が悪い」
と、すべてひとのせい。
まともな謝罪の言葉もない。
手柄が上がったら自分で自慢して、まずいことがあると全部現場のせいにする。
最低のトップですね。
いや、そもそも1億2千万人にマイナカードを持たせると息巻いているんだったら…
せめて、銀行のATMぐらいに簡単な入力端末を作って、用意してから受け付けないと。
うちの両親みたいにATMさえ「信用できない」と言っていじらない…
本当は、わけがわからなくて怖いから、いじれないお年寄りだっているんだから。
おまけに、現場で入力を補助する要員も、ポイント付与キャンペーンにともなって…
最低賃金に近い値段で集めた、しろうとだらけだったというのだから。
なんともはや。
どうしてそんなに急ぐのか。
しかも、昨年の2月ごろから起きていた膨大な件数の重大事案について、河野大臣や加藤大臣が知ったのは…
なんとこの5月24日、マスコミ報道が出たことによって、ですって!
何ですかそれ?
デジタル庁や厚労省が組織的に隠蔽していたのか?
それとも、省庁の組織がグズグズのポンコツ過ぎて…
普通の民間組織なら当たり前の、重大な事案の報告や連絡もできないと?
それでなければ河野太郎氏や加藤勝信氏が、責任逃ればかりする大ウソつきか、のどれかですね。
いずれにしてもそんな官庁そんなトップたちのもとに、国民は不用意に個人情報を預けてしまったわけです。
2万円かそこらのポイント欲しさだけで、個人情報を売ってしまった人もたくさんいたことでしょう。
「まあ、今のところ自分に被害はないから」で済ませていられますか?
これまでに、あなたの個人情報が漏洩しなかったのかどうかさえ、本当のところ分からないんですよ?
今までは現場の判断で処理しているので、上には報告が上がって来なかった、とか…
まとめて調査検討の上、個別の案件については追って発表する、とか言ってるんだから。
ということで、抜本的な対策はしないまま、遮二無二、明日法案の採決を強行する模様です。
法案が可決されたら、紙の保険証が来年なくなって、すべての人がマイナカードを保険証に代えることを…
事実上強制されることになります。
明日、強硬に採決して、諸々の問題事案に関してのさらなる討議は、採決を終えた後でする、と政府側。
しかも、今年に入ってから、トラブルの案件はなくなるどころか、現場では増えているという声もあるのに…
その実態把握と発表は、6月の半ば以降。それに対する対策は7月以降にするんだと。
どういうことですか?
欠陥飛行機だということは重々わかっているけど、とりあえず飛んでしまおう…
離陸した後で、まずいところが分かったら、飛びながら修理しましょう、ということでしょう?
ほんっっとに、なんですかそれ!
みなさん怖くないんですか?そんな飛行機に乗せられていて。
そんないい加減な整備士とパイロットだとわかっているのに。
ほんと、ぼーっと生きてると、やつらに情報もお金も身ぐるみ剥がれた末に、しまいには殺されちゃいそうです。
その、実際の国会答弁が入った動画を貼っておきますので、お時間がある方はぜひご覧ください。
ほんと「ぼーっと生きてる」場合じゃない、と思いますよ。
さて、話は変わって…
先日ChatGPTを試しに使ってみたり…
「AI画像生成」などというワードで検索をかけたところ、AIに興味がある人間だと思われたのか…
YouTubeに、AI生成画像や動画が、いくつかおススメされました。
これ、この世のどこにも存在しない人物、動き、背景を、AIが勝手に創造したのだと思うと…
驚嘆というより、怖い。
かなりホラーです。
画像のほうは、アメリカのサイトが作ったみたいなので、米国人的(白人的?)な視点から見た…
「アジアン・ビューティー」のイメージが色濃いのかなとも。
おそらく、ビッグデータ上にある、日本や韓国や中国の「美女」とされた人のデータをAIが分析して…
バーチャル空間に生成したのでしょう。
お胸やお尻が大きすぎて不自然なものも、中にはありますけれど、それなりに自然なのもあります。
たぶん一般的な東洋人が「ここを直したらもっとリアルになるよ」ということでちょっと修正をかけたら…
さらに完璧なものになるでしょう。
ではどうぞ。1分半ほどの短いものですので。
一方動画のほうは、よくわからないのですが、ハングルが添えられていることから、韓国系のサイトかなとも。
動画の最初と最後に出て来る、プレゼンテーターみたいなお姉さんだけ、他の人物より動きがぎこちなくて…
言葉も、いかにも「コンピュータによる合成音声」という作りになっているのは…
これは現実でなくバーチャルな動画だと、あらかじめお断りしておきますよ、というサジェスチョンなのかも。
それにしても、魅力的な女性の姿だけでなく、その動き方まで、AIが考えて創造してしまう世界。
これ、当然ですけれど「イケメン男性バージョン」もありますから。
これも1分あまりの短い動画ですので、実物をどうぞ。
どうですか?
具体的なモデルがいるわけでもないし、モーションキャプチャーを付けたアクターが元の動きを演じたわけでもない。
すべて、人が見て魅力的だと感じそうな人物、魅力的であろう動きを、AIが自分で考えて創造したものです。
もうここまで来ている。
そしてこのままだと1年単位で、いやもっと早く、現実感や自然さといった面でグレードを上げて行くでしょう。
それに続いて、普通の人間と同じかそれ以上に賢い、あるいはあざといことをしゃべるようになるでしょうし…
やがて、こちらが話しかけたことに対して、当意即妙な答えを返してくれるようにもなるでしょう。
確実に。そしてそんなに遠くない将来。
なにしろ生成AIのレベルは、今はまだ赤ちゃんみたいなものなのに、こういう事になっているわけですから。
こうなると、いちばん早くAIに仕事を奪われて失職する人たちの中に、グラビアモデルさんが入るのかも。
やがて、アイドルや、タレントとかも。もちろん男性アイドルも含めて。
ただ、当面はどんなに気に入ったとしても、決してリアルで会うことはできない。
でも人間が、戦争とか、気候変動とか、未知のウイルスとかの要因で滅びるか…
滅びることはなくても、何百年、何千年の単位で文明が退行しない限り…
二次元の動画は、いずれ三次元のリアルなホログラムという形になり、最初はエンタメ市場に登場する可能性がある。
果ては、人間そっくりの外見や肌の質感を伴った、ロボットと組み合わされて…
いわゆる、アンドロイドとか、ヒューマノイドというものが本当に出現することになるでしょう。
もちろん、高度なAIと組み合わせてあるのであれば…
頭が恐ろしく良いのも可能だし、良い塩梅におバカだったりするのも可能。
頼もしい人柄も、優しい性格も、お気に召すまま。
一緒に体験した思い出を、楽しかったねと回想してくれたり、あなたの思いに共感してくれたりもするかも。
そういう方面の人間の反応を自分で学習して、人間以上に魅力的に、ベッドの中の営みもしてくれるかもしれません。
結果、お金さえあれば、男も女も、中味と外見ともに自分の「理想の彼氏彼女」を手に入れて…
デートしたり、一緒に暮らしたりする未来が、来る可能性があります。
それと同時に、あるいはもっと早くかもしれませんが、体細胞から生殖細胞を作る技術が完成してしまえば…
生身の男や女のパートナーは、繁殖という観点だけから言えば、いらなくなるかも。
「人工子宮」の方が、実は開発が難しいとも言われるので、先に男の方が要らなくなるかもしれませんけど。
そして「彼ら」のエネルギーである電気を…
発電したり蓄電したりするシステムを、機械自身が保守管理するようになると…
不完全で野蛮な人間は社会にとって有害無益ということになって…
アンドロイド、ヒューマノイドに滅ぼされてしまう。
という未来予想図だって、可能性がゼロではない気がします。
まさに、ホラーSFの世界ですね。
まあ個人的には、そこまで行く前に、つまりほどなく現生人類の文明は戦争などで滅びるか、著しく衰退して…
そういう未来は来ない、という方に賭けますけれど。
でも、流れに任せてただ「ぼーっと生きている」と、思いもよらぬ近未来がやって来ますよ。
すべて他人任せにして、自分は自分個人の営みだけに没頭して、タコつぼに籠っていて…
あるいは、隣の人と足並みを揃えて、同じ方向に行進することだけに集中していて…
ふと気が付いて周りの風景を見回したら「え、こんなはずじゃなかった」と、呆然としても、もう遅いのです。