今年もジェンダーギャップ、男女の社会的立場の格差についての世界ランキングが出ました。
日本は過去最低の125位までダウン。
138か国の中での125位ですから、本当にどん尻のほうです。
G7=西側先進国の中ではもちろん最下位。ブービーのイタリアは70位代なので、それと比べてもすごい大差。
男女共同参画社会の推進などと政府は一応うたっていますが、成果が出るどころかギャップが拡がる始末。
はなから本気で取り組んでいないのか、政治家と官僚がどうしようもなく無能であるかのどちらかですね。
まあ両方なのでしょうが、どちらかというと前者の方が、改善が進まない原因として大きいかと。
男女の社会的格差があることの何が問題なのか、認識さえしていないんでしょうね。
というかホンネでは格差があった方が、都合がいいと思っている昭和オヤジどもが政官財の要職についてるから。
儒教道徳から来る家父長制の影響が強く、日本と似ていると言われる韓国も「日本よりはまし」の順位です。
先進国というくくりだけでなく…
東アジア、東南アジア、太平洋地域というくくりで見てさえ、日本は何と最下位なんですよ。
下の表を見てください。「Regional」という欄が、地域内での順位。「Global」が世界全体での順位です。
イスラム教国のマレーシア、インドネシア、ブルネイや…
軍事独裁政権のミャンマーやカンボジアよりも、さらにひどい差別っぷり。
現実なんですよ、これが。
日本人自身は知らないか、または知らないふりをしているけれど。
公平公正な社会の実現なんて、遠くて遠くて、先が見えないほど。
ちなみに世界でも数少ない、日本よりも男女の社会格差が激しい国はどこなのかといえば…
下にいる21か国のうち20か国は…
中東のイスラム原理主義、および戒律が厳しい国と、アフリカの途上国です(こちらもイスラムですが)…
残りの1か国は、インドです。
こちらは、ヒンドゥー教のドグマと社会的縛りが強いのでしょう。
こんな実情で、人権と民主主義の保持を価値観に掲げる「西側自由主義陣営」を名乗っていること自体が…
ある意味詐欺に近い。と思いませんか?そして、それはもう「西側」の仲間たちに、だいぶバレてる。
男女の社会的立場が差別的な構造になっていて、どこが悪い?と開き直る人も多いでしょう。
でも、考えてみてくださいよ。
人口の半分以上を占める女性を抑圧して、その労働や、社会的活動を行う力を削いでしまっているんですよ。
全体の半分の力を削いでおいて、それで経済の発展だけでなく…
社会的な活性化と豊かさを促進するための、障害にならないと思うほうがおかしくないですか?
女性差別は国の発展を阻害する、無益で無駄な行為なんですよ。
ただ、男が女の上にドンと乗っかって、威張れる、という社会秩序が守られるだけで。
国民の幸福や社会の発展、物質的精神的豊かさの追求よりも、男が威張れる社会秩序のほうが優先ですか?
実際、人が幸せになることよりも、古い価値観や秩序を守るほうを優先している人たちが…
国を動かす連中にだけでなく、一般人にもたくさんいますからね。
そんなことだから、経済発展もなにも30年間停滞して、世界の中での地位が下落して行くんですよ。
少子化=小国化だって、結婚・子育てが女性の人生の過剰な重荷になる社会のあり方と、大いに関係あるでしょう。
このままだと十年十五年後には、北朝鮮みたいに軍事力だけ突出して、国民生活は地獄な…
どこからも仲間外れにされた、ほんとに北朝鮮にそっくりなアジアの片隅の小国になりますよ。確実に。
それでなければ、中国の経済と、力による覇権主義に飲み込まれてしまうか。
あとはアメリカからけしかけられて、中国の力を削ぐための「特攻兵器」として国ごと「散華」するか。
いずれにしても、ろくな未来はない。
だ・か・ら・社会で弱い立場にされている人たち、マイノリティーの人たちの権利を保障して…
彼らの力を、もっと社会に役立てる道を選ばなきゃいけないんです。
みんなが生きやすい世の中を作れば、結果的に私やあなただって、生きやすくなるんです。
今は、男と女、年配者と若年層、性的多数者と少数者、日本国籍の人と外国籍の人…
そうやって国民がいろんなところで分断され、対立構造を作られて、いがみ合うように仕向けられて…
みんながおたがいに、生きにくい世の中にされているんです。
その結果、いろんな不満や怒りの矛先が為政者や特権階級の人々に向かわないようにうまくコントロールされている。
「分断して統治せよ」
これは、イギリスのビクトリア女王の言葉だとか、フランスの王様が言い出したとか…
ローマ帝国の皇帝が、属州の領民を支配するための策略として考え出されたとか、諸説ありますが…
いずれにしても、特権を享受する絶対的支配者が、大多数の支配される人々をうまくコントロールするために…
インドやマレーシアやアフリカ諸国など、主に植民地社会で使われて来た伝統的な手法です。
その名残が、いまでもそうした国々でのテロ事件や、民族間抗争、内戦という形で悲劇を生んでいます。
「分断統治」は、人を幸せにすることなく、対立と不幸を呼ぶだけの邪悪な社会秩序のあり方です。
今も、日本の「自称保守」その実は「復古的反動主義者」が、様々なところで、国民に分断と対立を誘導しています。
まんまとそれに乗ってしまっている人が、いかに多いか。
なぜなら、人には本質的に利己主義者なところがあり、また徒党を組む性質があり…
自分の利益・欲望や、徒党を組む集団の仲間の利益・欲望を、優先して追求し…
それに対する「敵」を作ることで、競争心や闘争心を満足させる本能的?な性向があるからです。
原始時代ならともかく、文明社会では、それが人を不幸にしている、最大の原因だとも気付かずに。
権力者はそれをわかっているからこそ、「分断統治」という巧妙で卑怯なことをするのです。
それに乗せられている限り人間の不幸や悲劇は終わらず、一部の「コントロールする者」だけが笑うのです。
そうした分断と対立の思考は、既に子どものころから民衆の心にビルトインされます。
たとえば、勧善懲悪のドラマや映画や、アニメなどの、娯楽。
対立する二つの勢力…「いいもん」と「わるいもん」を設定して…
善玉が、悪玉と戦い、これをやっつけて「正義」を守るというドラマ。
ここから、もう始まっているのです。
子どもは何か物語を見るとすぐ「こいついいもん?わるいもん?」と訊いていたし。
男の子は、ごっこ遊びでも「正義のヒーロー」役と「悪の軍団」役に、まず分かれていたでしょ?
善か悪か、敵か味方か、明確に分断された単純な二項対立でものを見るクセは、もうその時点で出来ています。
そして大人になっても、人の言っていることをまともに聞く手間をめんどくさがって…
あの人はエライ人だから聞く、あいつはバカだから相手にしない、とか…
サヨクの言うことだから聞く価値がない、ウヨってるやつの言うことだから全部間違い、とか…
男だから女だから、若造だから老害だから、などなどの属性の違いで、敵味方認定をして、最初から色眼鏡で見る。
意見や主張の内容を吟味して、きちんと考える前に「どの口から出たか」で判断してしまうのです。
これじゃまともな議論も思考もできない。
でも、ほとんどの人が、この罠に落ちているように思いますよ。
実際、大学の名前は忘れましたが、心理学の研究室の調査で…
各政党が選挙前に出している政策を、主張している政党名を伏せて「賛成」「反対」を書かせたところ…
圧倒的に支持されたのがナント共産党の政策で、いちばん反対されたのが自民党の政策だったそうです。
そして、ブラインドではなく政党名を出して、同じ政策について意見を書かせたところ…
圧倒的に自民党の政策が支持され、共産党の政策は一番人気がなかったそうです。
要するに、人は政策の「内容」ではなく「どこの政党の意見か」で判断しているんです。
最初から自民党=お上=信用できる「いいもん」の意見。
共産党=怪しい反日集団=信用ならない「わるいもん」の意見。
と選別するんですね。
善玉か悪玉か、敵か味方か、といった決めつけ以外に、自分が属する立場にも、支配的に意見は左右されます。
「男のくせに、女の権利を擁護するのはおかしい」とか。
「LGBTの権利を擁護するなんて、あんたもそっちなのか?」とか。
そういう考えを持ったり、そういうことを口にしたりする人に、個人的にも、さんざん悩まされてきました。
女じゃないと「女の味方」をしちゃいけないのか?
ゲイじゃないとLGBTの気持ちがわからないのか?
そういう「立場主義」に捉われている人が、世の中に多すぎるほどいます。
でもね、今晩これから、私は来日中のイタリア人の親友と会って飲む予定をしています。
日本人とイタリア人、育った環境も母語も、肌の色も違う友達ですけれど…
彼は間違いなく、私の人生の中で、いちばん深く相手を理解し合った、いちばん大切な友達です。
国籍や人種の壁は関係なかった。
息子が、自分の心の中にある暗い部分、醜い部分も全てさらけ出して話し、付き合える親友は…
ふたりいますけれど、どちらも女の子で、三人で「闇会」という会を作ってしょっちゅう集まっています。
男女の壁を超えて、いちばん理解し合える関係なんだそうです。
(幸か不幸か、恋愛に発展しそうもないのですが)
属性や立場が違っても、分かり合える者同士は分かり合えるし、逆に同じ属性と立場でも、理解できない人もいる。
自分を「属性」や「立場」に従って狭い所に閉じ込めていたら、それは理解できないことです。
「自分」あるいは「所属集団」という、タコつぼ、もしくはトーチカの中に籠って…
そこから、覗き穴で世の中を観察するような、物の見方、考え方しかできない。
それじゃあ、客観的・俯瞰的な事実や真実を、把握するのは困難でしょう?
でも、そんな「立場主義」が当たり前だと思っている人が、たくさんいる。
これもまた、子どものころから、人を「敵味方」に分けて考えるやり方に慣らされているからです。
こうした「エゴ」と「立場主義」から解放されないと、本当の真実はわからないし…
どうしたらいい世の中になるのか、暮らしやすく生きやすい人生になるのかも、わからないです。
そしてたぶん、そうなってしまうように、仕向けられている部分もあるのだと思いますよ。
必ずしも、為政者や特権階級の意図的な誘導だけでそうなるのではなくて…
そういうのに慣らされて生きて来てしまった、周りの「善意のおとなたち」から、年少のうちに教え込まれる。
それが、問題なのでしょう。
だから「通俗道徳」の世界から自由になるために、広い考え方を、自分で学ばないといけないんです。
無知だと、いつまで経っても、だまされたり誤解したままで一生を送り…
自分を解放して、自由に、幸福になれない。
デマ情報や、トンデモ陰謀論、悪意のある物売りや詐欺、カルト宗教や自己啓発セミナー、国家的な虚偽や隠蔽…
いろんなものに、だまされて、人生を損なわれる。
ものごとを、主張する人の立場や、権威(有名さ)に惑わされずに判断できるようにならないと。
だから、勉強しないといけないんです。
聞いたことの是非を判断する、最低限の知識や知恵を持つ。
短期的で、主観的な利害だけにとらわれず、長い目で、みんなのためになることが、自分のためにもなると理解する。
つまり「今の」「自分の」の利害とか、おかれた立場だけに捉われないものの考え方を身に着ける。
これをしないと、いつまで経っても…というかこれからはますます、利口でズルい連中に付けこまれて…
ひどい人生に追い込まれます。
時代が、安定から激動へと移って来つつあるのは、誰もが感じている状況ではないかと思います。だから…
考え方から変えないと、今までの安定した平和な日本では考えもつかなかったような、災難や不幸に見舞われますよ。
みんなが安心して暮らせる世の中にするために、やれることをやりましょうよ。
と言っても、響かない人の心には響かないし…
分かってくれる人は、最初からわかっていたりするんですよね。
……なんだか虚しくて、また落ち込みそうになってきました。
お口直しに、小倉唯さんのTikTokでの、最新の「踊ってみた」をリンクしておきますね。
わずか17秒間の動画ですが。どうぞ。