日本ではさほど話題になっていませんが、
金曜日(日本時間土曜日朝)にロシアで、
WBSSバンタム級トーナメントの抽選会がありました。
WBSSとは、
このブログでは何度も紹介していますが、
ボクシングの主要4団体のチャンピオンが集う「世界最強トーナメント」のこと。
ボクシングは現在、
老舗のWBA、WBCに新興のIBF、WBOという4つのメジャー団体があり、
それぞれが「世界チャンピオン」を輩出しています。
そしてそれぞれの団体では、
各階級でチャンピオン、スーパーチャンピオン、暫定チャンピオンなど、
幾人もの”チャンピオン”が乱立。
日本で「世界チャンピオン」というと、
そのどれもをまぜこぜにして、
どれも並列に『チャンピオン』とするものだから、
「いったい同一階級に何人のチャンピオンがおんねん・・・・・」
という状態になってしまっているのが実情。
ということで、
ボクシングのチャンピオンは、
年年歳歳その価値を落としていって、
今や「世界チャンピオンと言ってもなああ・・・・・」
というのが現実となっていってしまっています。
しかしそんな『カオス状態』の中でも、
きらりと光る【本物】に対して、
世界はそれを見つけ出し、見極め、
熱狂的な声援を送る。
それはスポーツの普遍的な心理です。
ことに格闘技ですから、
『強さこそが真理』
であるのは間違いないところ。
『チャンピオン』であるにもかかわらず、
「チャンピオンベルトを維持することだけに汲々としている」
いわゆる「作られたチャンピオン」に世界中のファンが辟易としており、
熱狂もしなければ、興味もない、
それゆえに「世界チャンピオンになっても、それだけでは食ってさえいけない」
というチャンピオンを何人も生み出しています。
今やボクシングは、
昭和の時代に国民が熱狂した「強きヒーロー」は、
なかなか生み出されないという現実の中にあります。
そんな中で、
日本のボクシングは、
様々な紆余曲折を経ながら、
ついに「最終兵器」とでもいうような、
まごうことなき「日本ボクシング界歴代最強」ともいえる井上尚弥を生み出しました。
ビッグネームと好んで試合をし、
世界最強を目指すというその姿勢、
そして超絶ともいえるそのパワー、テクニック。
どこを切っても『こんなボクサー、ちょっといないぞ!』というようなすごいボクサーが井上尚弥です。
しかしながら、
世間はなかなか井上に、
興味を示してくれませんでした。
ワタシは「作られた世界チャンプ」にばかり興味を示す日本のマスコミに辟易しながら、
「おいおい、井上とそんな奴、比べるんじゃねえよ」
とまで思って、もう長い年月が経ちます。
井上はこれまで、
3階級制覇を達成していますが、
昨年まで戦っていたスーパーフライ級では、
ついに渇望した「強者との対戦」はかないませんでした。
アメリカで『スーパーフライ』という、
スーパーフライ級の『世界最強戦』を企画したものの、
その興行に参加を表明した井上に対し、
他団体のチャンピオンがビビって(!)挑戦を受けず。
そんなことに嫌気がさした井上は、
自分のナチュラルな階級である1階級上のバンタム級への参戦を、
即座に決断しました。
もうスーパーフライ級に未練はなさそうで、
バンタム級で『世界最強を目指したい』と語っていました。
そんな中発表されたのが、
今回のWBSS(ワールドボクシング・スーパーシリーズ)で、
「同一階級の強豪を一堂に会して行うトーナメント」です。
昨年から始まったこのトーナメント戦。
世界中のファンから『待ってました』とばかり、
注目を集めるイベントとなっています。
今年は昨年に続いて「第2回大会」となるのですが、
この大2回大会で行われるのが井上尚弥が属する『バンタム級トーナメント』。
参加する選手たち、
豪華絢爛です。
WBAの王者である井上尚弥のほかは、
WBAスーパー王者(井上より格上とされる)バーネット(英国)、
IBF王者・エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)、
WBO王者・ゾラニ・テテ(南ア)。
この4人の王者に、
元WBAスーパー王者・パヤノ(ドミニカ)、
あの5階級制覇のビッグネーム・ノニト・ドネア(フィリピン)、
アマで2回の世界選手権制覇のアロイヤン(ロシア)、
そしてWBA2位のモロニ―(豪)。
どの選手をとっても素晴らしいビッグネームで、
これだけの強豪が集まるトーナメントなんて、
想像できませんでした。
ちなみに昨年まで山中慎介が保持していたWBCタイトルは、
ネリが山中を破ったものの体重超過(&ドーピング)で王座はく奪。
ということでその後王座決定戦が行われるのですが、
レベル的には現在低いものとなっており、
このWBC勢がに参戦しなくとも、
WBSSの”最強トーナメント”の名に傷がつくということは全くありません。
という前振りの中抽選会が行われました。
そして1回戦の組み合わせ、決まりました!
バトル1; ライアン・バーネット vs ノニト・ドネア
バトル2; 井上尚弥 vs ファン・カルロス・パヤノ
バトル3; ゾラニ・テテ vs ミーシャ・アロイヤン
バトル4; エマヌエル・ロドリゲス vs ジェイソン・モロニ―
井上は初戦、
パヤノとの対戦が決まりました。
かなりの強豪ですが、
海外のサイトなどでは、
井上の圧勝予想が踊っています。
もちろんこのトーナメントで、
「優勝候補筆頭」は圧倒的に井上尚弥。
並みいる猛者を打ちのめして、
世界最強の称号を手に入れてほしいと思っています。
そして、
それを全く疑っていません。
これまでの井上。
相手が強ければ強いほど、
この人のモチベーションは上がり、
ファンが思う「こうなったらいいな」のはるか上を行く、
ものすごい姿を見せてくれます。
ワタシは、
井上はこのWBSSで、
ひょっとしたらすべての試合を前半のKO勝ちで、
軽々と優勝をかっさらうんじゃないかと思っています。
その可能性、
高いですね。
そしてそれで、
世界での彼の評価は、
日本人が考えられないところまで上がっていくんじゃ……
そんな『未来想図』も描いています。
そうしたらもう、
『日本での評価』とか、
ちっちぇ―こととはオサラバ。
『世界のNAOYA・INOUE』
になっちゃいますよ。
そうなったら、
ボクシングファンとしては、
本当にうれしいことこの上ない。
はっきり言います。
井上と村田は、
日本の宝。
そして井上は、
『世界最強のボクサー』(もちろん全階級を通じて)。
楽しみな秋に、
なってきました。
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