≪第94回全国高校野球選手権≫
神奈川県大会 1回戦
日大藤沢 3×-2 武相
参加校が全国最多の神奈川県大会。
毎年何かが起こります。
今年の大会では、
昨日【1回戦屈指の好カード】で、
その『何か』が起こってしまいました。
対戦カードは、
8強、あるいは4強の対戦でもおかしくないほどの強豪同士、
日大藤沢と武相の対戦でした。
日大藤沢は、
昨夏の大会で第1シード・慶応を撃破したエース池田が今年も健在。
対する武相は、
桑元監督就任以来、
毎年優勝戦線に顔を出して、
完全に『古豪復活』して臨む今年の大会。
初戦で激突とは『ありえない』強豪同士の対戦は、
1/190という確率で、
実現してしまったのでした。
両校ともに、
『甲子園まで見据えた』大会の初戦ということもあり、
保土ヶ谷球場にもたくさんのファンが駆けつけました。
試合は予想通りの投手戦で、
もつれあいながら終盤へ。
日大藤沢の逃げ切りかと思われた9回、
武相がガッツを見せて好投手・池田から同点に追いつき、
迎えた9回裏。
ここで日大藤沢は、
1死満塁のチャンス。
バッターはキャプテンの伊藤修。
武相のエース・板野は気迫の投球で好打者伊藤を高いショートフライに打ち取ります。
インフィールドフライが宣告され2アウト。
しかし・・・・・
フライを取ったショートを中心に、
武相ナインは、
『タイムをかけずに』
マウンドに集まってしまいます。
それを見ていた3塁ランナーの斎藤、
スルスルと3塁からホームへ。
茫然とそれを見送る武相ナイン。
斎藤がホームを踏むと、
球審の両手は、
大きく左右に広げられました。
『セーフ。ゲームセット』
茫然とする武相ナイン。
なんだかよく事情が呑み込めていない日大藤沢のベンチ。
しばらくの時を置いて、
球審が場内で『事情』を説明。
『三塁走者のタッチアップでの得点を認めます。ゲームセット』
のコールとともに、
この激闘は幕を閉じました。
日大藤沢は、36年連続の初戦突破。
武相は、52年ぶりの初戦敗退だそうです。
すげー記録だな、こりゃ。
日大藤沢の3塁ランナー。
さすがとしか言いようがない。
状況の把握といい、
一瞬たりとも気を抜かない姿勢といい、
強豪の名に恥じないものです。
敗れた武相の選手たち。
無念の最後となってしまいました。
素晴らしい戦いぶりでしたが、
あの瞬間、
エアーポケットに入り込んでしまったかのようでした。
ベンチは呆然、
スタンドは涙が止まらない映像が、
延々と流れ続け、
彼らの無念さを物語っていました。
3年生には本当に気の毒なことでしたが、
この悔しさを持って、
またチームは一つ強くなる気がします。
≪夏の借りは、夏に返す≫
来年の武相に、
注目しましょう。
ということで、
序盤から熱い神奈川の夏。
いよいよシード勢も、
登場してきます。
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