第91回全国高校野球選手権
【準々決勝】
◇第3試合
県岐阜商(岐阜) 6-3 帝京(東東京)
◇第4試合
中京大中京(愛知) 6-2 都城商(宮崎)
準々決勝残りの2試合は、
東海地区の超名門が勝ち上がり。
準決勝に進出しました。
県岐阜商は27回目の出場。
昨日の準々決勝では、
強豪の帝京に集中打で快勝。
エース山田投手も、
何度もピンチを迎えながら、
その都度強気の攻めで帝京の打線を抑えきりました。
チーム全体が、
非常にまとまった印象を受けるチームです。
これでPL、帝京と、
優勝候補といわれた2チームに完勝。
頂点まで突っ走る勢いを見せています。
県岐阜商といえば、
1950年代までには全国制覇4度、
決勝進出も10度を誇る、
”超”がつく名門。
中京と並んで、
”高校野球の代名詞”
のような存在でした。
しかし私のイメージでは、
近年の『出ると負け』のイメージの方が強いチームです。
かろうじて印象にあるのは、
77年の選抜ベスト8と、
78年の選手権ベスト8ぐらい。
78年のベスト8では、
強豪の桐生・小暮投手を最終回に打ち崩し、
横浜・愛甲に完勝。
優勝したPLに0-1と、
投手力を中心とした”負けにくい”チームでした。
しかしその後では、
92年選手権の3回戦進出がかろうじて残っているぐらい。
その間、
16回の出場で6勝16敗という成績です。
高校野球の雑誌でも、
数年前に監督さんが、
『なぜ県岐阜商は甲子園で勝てないのか』
に苦悩しているという話が載っていました。
それだけに、
今大会での≪復活≫には、
多くのOBをはじめとしたオールドファンの、
熱い期待が乗せられている事でしょう。
さて、
変わって中京大中京。
このチームも、
現在のチーム名よりも
【中京商】
【中京】
といった方が、
いまだにピンと来る感じがします。
【甲子園最多勝】
をあげ、
【前人未到の夏3連覇】
【春夏連覇】
を達成し、
【あの延長25回】
を戦ったのも中京です。
中京の歴史が、
高校野球の歴史そのものといっても過言ではありません。
重ねた勝利は126勝。(準々決勝まで)
しかし10回の全国制覇を飾っているこの中京とて、
全国制覇は1966年までさかのぼらなければなりません。
長い長い、
”我慢のとき”を迎えているところなのです。
私が物心ついた1970年代には、
すでにこの中京から、
”名門”の文字は残っても、
”超”の文字は消えていました。
70年代から80年代にかけて、
武藤投手・栗山内野手を擁してベスト4の78年。(PLに大逆転負け)
野中投手で、82年の春夏ベスト4、83年の夏ベスト8.
(このときの83年準々決勝・池田戦は、球史に残る名勝負だったと思っています)
87年、88年には木村投手を擁したもののベスト8止まり。
などの好チームを輩出しましたが、
いずれも決勝までは届かず。
97年選抜で、
杉浦投手で決勝まで進出しましたが、
このチームははっきり言って中京の歴史の中で語られるほどのチームではありませんでした。(組み合わせにも恵まれての、あれよあれよの準優勝でした。)
中京といえば、
『投手力を中心とした守りのチーム』
というイメージがあります。
したたかに先制点を挙げ、
中盤、終盤に追加点を上げて、
盤石の攻守で逃げ切る。
これが中京カラーだと思っています。
しかしながら、
今年のチームは打線がすごい。
なんとなく、
同県のライバルである【東邦】のチームカラーを思い起こさせるような、
強打のチームに仕上がっています。
しかも昨日の試合では、
堂林投手が、彼自身の甲子園ベストピッチといえるような内容で完投。
ここに来て、
攻守の充実度は残り4チーム中最高でしょう。
さて、
【高校野球の歴史そのもの】
といえる2チームが、
久々に残ってきた今年の甲子園。
前日は、
これとは対照的に、
『優勝経験のない』
岩手・新潟の代表が残り、
鮮やかなコントラストを奏でるベスト4となりました。
新鋭 vs 名門
面白くなってきた、
今年の甲子園です。
ラスト2日!!
目が離せません。