7月の苛烈な地方大会。
その地方大会で多くの悔し涙を流したチームが、
新たなチームとしてリベンジを誓った秋季大会。
秋季大会は、
チームが出来てすぐということでまだまだピークには程遠く、
更に『週末大会』ということで過酷な連戦を強いられることもないため、
思わぬチームがポンポンと勝ち上がってくることがままあります。
『夏は厳しいだろうなあ』
と思われるチームが勝ち進んでいく姿が、
ある意味”秋の醍醐味”ということも言えます。
特に【絶対的大黒柱】を持つ決して強豪ではないチームが勝ち進んでいくのを見るのは、
なんだか楽しいものがあります。
近年、夏の選手権では、
こういったタイプのチームはまず勝ち上がってはいけないですからね。
反対に、
秋の大会の戦い方を熟知したチームもあります。
例を挙げると、
長崎の創成館高校。
2010年から毎年県大会を勝ちぬいて九州大会に進出。
そこでも結果を残し続けて、
4強の常連。
4強を逃した昨年は、
≪明治神宮枠≫で甲子園にたどり着くという幸運も手伝って、
センバツも2年連続で出場しています。
そんな強豪の創成館ですが、
まだ夏の選手権では甲子園を掴み取ることは出来ていません。
それだけ『秋の大会』の戦い方を熟知したチームなんでしょう。
今年も秋の長崎県大会を制して、
3年連続の選抜を目指して九州大会に挑みます。
さて、
全国的に台風が猛威をふるった週末の日本列島。
多くの都道府県で日曜日には県大会決勝が予定されていましたが、
軒並み雨で中止。
6日も台風の直撃を受けたため、
昨日の7日に一斉にその順延された【決勝戦】が各地で行われました。
京都では昨年の選抜優勝校である龍谷大平安が、
優勝投手である高橋投手の好投で優勝を飾り、
3年連続の選抜に向けて視界は良好です。
関東でも多くの決勝戦が行われました。
旧チームからの主力が多く残る強豪チームは、
東海大相模、作新学院、山梨学院大付属など、
多くの強豪が沈み、
『強豪』と言われるチームが少ない関東大会となりそうです。
そんな中で、
しっかりと県大会を制して関東に歩みを進めたのが健大高崎。
そう、『機動破壊』で夏の甲子園を席巻した、
あのチームです。
県大会でも、
昨センバツ8強にしてその主力をほとんど残す桐生第一を破り、
決勝でも昨年の選手権覇者・前橋育英を一蹴しました。
当然関東大会でも、
『優勝候補筆頭』
に推されることは間違いありません。
その他では名門の浦和学院、
開催県のスーパーシードで臨む木更津総合、
強打で粉砕する東海大甲府、
そして好投手高田を擁する平塚学園あたりが優勝争いの中心になっていくと思われます。
関東とは別開催の東京も、
東京都大会の組み合わせが昨日決まりました。
いよいよ『秋の本番』に入ってきます。
10月の声を聞くと、
続々と『来春』に向けての楽しい話題が耳に入ってきて、
楽しくなります。
11月まで『新チームの戦い』を行い、
明治神宮大会の終了を持って、
3か月余のオフシーズンに入っていく高校野球。
そして春には、
秋の【新チーム】時と比べて、
格段に成長した姿を各チームが見せてくれるというのが、
毎年の高校野球の姿です。
秋の時点では、
翌年の夏を予測することは全く不可能なのですが、
産声を上げたばかりの各【新チーム】の戦いもまた、
オツなものがあります。