雨で土日が順延となった甲子園。
観客が入る週末が中止となって、
なかなか厳しい状況ではありますね。
空もカラっと晴れる訳ではないので、
毎試合1万人前後の観衆の中で行われています。
そんな中、
昨日の第1試合で1回戦が終了。
新基準のバットでの大会ということが話題になっていますが、
やはり明らかに今までの大会とは違いがありますね。
おまけに前大会から延長はなし、10回即タイブレークになっていますから、
高校野球の戦い方がホント変わってきていると思います。
そんな中2回戦が始まり、
いずれもロースコアの接戦の中、
星稜と阿南光がベスト8への進出を決めました。
阿南光は、
前校名の新野の時に春夏とも甲子園出場経験があり、
おまけにどちらも好試合を展開して強豪校を破っていますから、
新顔というわけではありません。
しかしながら、
その戦い方には遠い昔、
昭和での「春の選抜、四国の新顔は何かをやる」
ということが甲子園で言われていた時代の匂いを、
強く感じさせてくれるチームですね。
昭和49年の”イレブン”池田(部員11人)の準優勝に始まり、
昭和51年の”24の瞳”・中村(部員12人)の準優勝、
昭和54年の川之江の8強入り(&浪商戦での大激闘)、
昭和60年、伊野商の全国制覇(渡辺の激投でKKのPLを破る)、
昭和63年の宇和島東の全国制覇まで、
とにかく四国の新顔は甲子園で何かをしでかすチームばかり。
四国の野球のレベルが全国的にも抜けていたという事もありますが、
それはもうすごいチームが引きも切らずに出て来ていました。
平成以降、
四国の野球のレベルが以前ほどではなくなるとともに、
こういったことはあまりなくなりましたが(04年の済美の全国制覇ぐらい)、
なんだか今年の阿南光には、その「昭和の四国からの初めて出場で快進撃のシンデレラチームの匂い」が、
なんだか色濃く感じられますね。
地域一体となって鍛え上げたというこのチーム、
四国、いやっ、徳島ならではのチームかもしれません。
徳島は今どき珍しい、公立校一辺倒の件で、今まで私立の甲子園出場校はありません。
まあ誤解を恐れずに言えば、
高校野球界におけるガラパゴスのような存在ですかね。
今やそんな県、ないでしょう。(昭和の時代までは結構そういう県、ありましたけどね。)
しかし池田、徳島商、鳴門をはじめ、
全国にその名をとどろかせる強豪はたくさんある、
野球強豪県です。
その徳島から生まれた、
阿南光というチーム。
決して好投手吉岡だけのチームではありません。
そういえば上にあげた四国のシンデレラチームも、
どのチームもが選抜出場を決めた秋の四国大会では、
四国チャンピオンではありませんでした。
(いやっ、川之江だけは四国大会優勝校かもしれません。記録うる覚え。。。)
決して最初から強豪として知られたわけではなく、
大会前にも優勝候補に挙がるチームではありませんでした。
どのチームにも、
絶対の大黒柱が存在し、(宇和島東以外)
彼等の好投がチームを引き上げる原動力になりました。
池田には山本が、中村には山沖が、川之江には鍋島がいて、伊野商には渡辺智がいました。
打線は決して強烈な打線ではなかったものの、
戦うごとにその力をあげて、
不思議とつながって得点力は試合ごとにアップ。
最後は総合力がすごく高い好チームとなっていましたっけね。
どのチームも、そんなチームでした。
四国の高校野球ファンであるワタシとしては、
(特に四国四商、あるいは池田、高知商の大ファン。)
新たな四国のシンデレラチームの誕生の予感に、
なんだかワクワクしていますね。
昨日の吉岡投手は14奪三振で無四球。
もう文句のつけようのないピッチングですね。
昔を振り返ってみると、
池田も中村も、そして川之江も、
みんな【準々決勝で優勝候補の強豪と激突する】のですが、
(池田や中村は)それを打ち破ってさらに上に駆け上がっていったという歴史を持ちます。
池田は倉敷工と激突して延長の激闘を制し、
中村は超強力打線の天理に競り勝ちました。
そんな歴史を、
およそ40年だか50年ぶりに、
阿南光が踏襲してくれるのか。
こういう「大黒柱を盛り立てたシンデレラチーム」は、
春の選抜ならではのもの。
さあ、
阿南光がどこまで行くのか?
次の相手は優勝候補3強の一角・星稜です。
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