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Secrets of Drearcliff Grange School

Secrets of Drearcliff Grange School

 寝ている間に空中浮遊をするようになった思春期の少女アマンダ(エイミー)・トムセットは、イギリス北部にある全寮制の女子学院ドレアクリフ・グランジ・スクールに送られ、デズデモーナ寮の3年生(Third Form)として編入することになる。ドレアクリフは世界各地の大物犯罪者や異端科学者の子女に教育を施す施設であり、なかにはエイミーのような異能者(体を伸縮できるゴム少女や、インスマウス出身の半魚人少女など)も含まれていた。
 ある日、エイミーのルームメイトのカーリー(インド系の犯罪帝国の娘)が、フード姿の謎の集団に誘拐されるという事件が発生する。エイミーは他のルームメイトとともに、蛾をモチーフにした秘密機関モス・クラブを結成し、事件を調べ始める。モス・クラブの活躍のおかげでカーリーは無事に戻ってきたが、その後も奇怪な事件が続発する。
 やがて、アントワネット・ロウリー・レインという謎の少女が編入してきて、女王蟻のようなパワーで学園を支配してしまう。エイミーをはじめとする異能者たちは「落第組」の烙印を押され、寮から追い出されるが、異能者たちは力を合わせてアントワネットに戦いを挑む……。

 ※「ドラキュラ紀元」のキム・ニューマンによるスーパーナチュラル学園ファンタジー。キム・ニューマン版「ハリー・ポッター」あるいは「X-MEN」といった感じ。現実世界とは微妙に異なる1920年代末が舞台になっています。ドレアクリフの生徒数は300人(1学年50人×6年制)で、5つの寮に分かれています。巻末には300人の生徒名簿も掲載されています。続編「Haunting of Drearcliff Grange School」もあり。
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Anno Dracula 1999: Daikaiju

Anno Dracula 1999: Daikaiju

 1999年12月31日、100年前から独立自治区となっていたカサマシマ・ベイ(旧・妖怪横丁)が日本に返還されることになり、同地区の責任者である吸血姫クリスティーナ・ライトは、大怪獣プラザ(怪獣の形をした超高層ビル)で、大規模なミレニアム・パーティーを開催することにする。パーティーには国内外の貴賓が招かれ、ディオゲネス・クラブに所属するリチャード・ジェパーソンと、彼の用心棒であるネズミも参加することになった。
 同じ日の夕刻、“この世界は仮想現実にすぎない”と主張するカルト教団「オウム・ドラート」が、大怪獣プラザの玄関先で、致死率100%のウイルスを使ったバイオテロ計画を企てるものの、ネズミ、カサマシマ・ベイ担当の東刑事、そして特務機関アースガードが迅速に対応したおかげで、被害を最小限に抑えることができた。
 大怪獣プラザの内部に入ったジェパーソンとネズミは、上階にあるパーティー会場に向かうが、そこではドラキュラの血族の一人が待ち構えていた。彼はパーティーの貴賓たちを人質にすることで、クリスティーナ・ライトを意のままに従わせようと目論んでいるらしい。
 一方その頃、大怪獣プラザの44階では、ハロルド高浜という人物が目覚めていた。彼は記憶を失っており、その左腕は人工知能を搭載した義手になっていた。しかも、ハロルドというのは仮の人格であり、本当の人格はジュン・ゼロという国際的なテロリストらしい。ハロルドは義手の指示に従って、プラザからの脱出を図るのだが、彼の命を狙う者たちに追われることになる。
 さまざまな人物の思惑が交錯するなか、ミレニアムへのカウントダウンが始まった……。

 ※「Anno Dracula: One Thousand Monsters」の100年後の物語で、「ダイハード」と「攻殻機動隊」をミックスしたような感じ。ストーリーは複数の人物の視点(主にリチャード・ジェパーソン、ネズミ、ハロルド高浜、東刑事)によって進行していく。
 ネズミ(外見は13歳だが、実は1000歳以上の吸血鬼少女。“眠りの口づけ”という刀を武器とする)は、作者のインタビューによると、「BLOOD THE LAST VAMPIRE」や「ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド」といった作品からインスパイアされたものらしい。
 本書のキーパーソンとなるクリスティーナ・ライトはヘンリー・ジェイムズの小説「ロデリック・ハドソン」「カサマシマ公爵夫人」の登場人物で、後書きによると、本書はクリスティーナ・ライト三部作の完結編になるとのこと(第1部がコミック「Anno Dracula - 1895: Seven Days in Mayhem」で、第2部が「Anno Dracula: One Thousand Monsters」)。
 例によって実在の人物と架空の人物が混在しており、元ネタがよくわからないキャラも多い。ハロルド高浜は寄生獣吸血鬼ハンターDをミックスしたものだろう。ガス人間スケバン刑事変態仮面ウルフガイウルトラマンあたりはわかりやすい。これ以外にも、ソーニャ・ブルールパン三世クライング フリーマン仮面ライダークウガ彼岸島ダウンを連想させるキャラ(あるいは事物)が登場(もしくは言及)されている。パーティー会場にいたドラキュラの血族はこの人物(ネタバレ注意)。ただし、真の黒幕は別にいる。
 ちなみに、「ドラキュラ紀元」の世界では「バットマン」というコミックは存在しておらず、その代わりに「モンク」というコミックがあるらしい。ジョージ・クルーニーは「モンク&バットボーイ」という映画で乳首スーツを着ており、リー・トンプソンも「ハワード・ザ・バット」という映画に出演したという記述がある。
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