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借金先生が罠にかかった!!

現在DMMで「半七捕物帳」をレンタル中。そこで、今回は里見版第一話のオマージュとして一筆。

盛岡学園高等部の職員室での出来事だった。マッキーこと牧村環は同僚の佐藤学に借金させられそうになったのだ。
「牧村ちゃん、5000円貸して。だめなら3000円でもいいんだ」
「ダメよ。いくらお金持ってると言ってもね」
「そこをなんとか」
「また競馬でしょ?せめてあの人と何か話すこと出来ないの?」
マッキーはスティング、つまり原俊彦のことを考えていた。
「どうしても金は出さないのか?そう言って実家から横領してるとか…」
佐藤学の言うことにマッキーは反論できなかった。いや、しなかったと言うべきだろう。
「そんなこと言ってもな、所詮新米は新米なんだよ」
「バッキャロー!」
佐藤学は不機嫌そうに職員室を出る。そこへホワイトこと白澤美雪と生徒会長の太田カナがやってきたから、さぁ大変。
「先生!いくらなんでも…」
「ごめん、ちょっと牧村君とあってさ」
そして佐藤学はホワイトの頭をたたいて教室のほうへ歩いていった。
「ひっど~い!」
そしてカナはマッキーに事情を聞いた。佐藤学に借金をせびられたそうだ。もう3回目と言うことでいい加減断ったらしい。
「こんな学校で働いてるのに借金するなんてね」
「…先生のお給料は?」
カナのこの一言にマッキーは答えられなかった。

さて、佐藤学はと言えば大通の場外馬券売り場にいた。そこへマッキーの教え子のウイングこと高橋弥生が通りかかる。
「あれっ?佐藤先生」
佐藤学に声をかけた女がいた。
「ねぇ、今夜一緒に酒でもいかが?」
しかし佐藤は買った馬券を見せてこれでどうだと言った。しかし馬券は外れてしまう。そこに一人の紳士がやってきて、オレの馬券を一緒に買わないかと誘ったのだ。
「1点勝負で20000円だ」
「えっ?」
そしてその馬券が的中、佐藤は紳士とともに近くのうなぎ割烹で食事することに。
「旦那、景気がいいですな」
「えっ、そんな」
佐藤は紳士に20000円返したが、そんなことはないと紳士は言った。紳士の本名は木村樹、とある産業調査会社の取締役だと言う。
一方、佐藤に声をかけた女は中の橋を歩いているところで暴漢に襲われた。

盛岡学園の視聴覚室でマッキーはウイングと話し合った。
「佐藤先生、札束をつかんで近くの料亭に入ったみたいですよ」
「…そんな金あるんだったらさっさと累積債務を返済しろよな」
「先生、どうしたんですか?」
「何でもないわよ。ところで、佐藤先生は料亭からどこへ…?」
「さぁね」
その夜、佐藤は大通りの裏小路のビルを抜け出して走っていった。そこをスティングが偶然目撃したのだ。
「メインの前に場外馬券売り場から出た二人…確か若い方だ」
そこへ女の悲鳴が聞こえたのだ。そしてスティングが向かうとさっきの女が死んでいた。
「これは…」
その知らせはハングタンたちにも届いた。さっそく私服に着替えたショパンこと横田夏子が現場に駆けつけた。
「死んでるって、どういうことよ」
「それはわかんない。ただな…」
そしてスティングは佐藤が現場にいたことをショパンに告げた。警察には黙ってやると約束した。
「どうやら絞殺だ。そして被害者なのだが…」
被害者は木村の上司に当たる上山和美36歳。いわゆるセレブな女社長だったのだ。そして上山が佐藤と会っていたということが警察の調べで明らかになった。それを知ったスティングとショパンは顔面蒼白。しかも場外発売の馬券が傍らに落ちていたことから佐藤学の犯行は明白だ。
「冗談じゃないわよ、佐藤先生は数学を丁寧に教えてくれるんだし」
「そうよ」
ホワイトとウイングは佐藤学容疑者をかばった。
そして木村が参考人として警察に呼ばれた。落し物はすべて佐藤学が酔った勢いで落としてそのままほったらかしにしたものだと言うのだ。
「ところで佐藤学はよほど金策に困っていたと言うのか」
「学校の先生でも昨今はひもじいのでございます」
「そうか、おい」

盛岡学園にパトカーが大挙し、佐藤学を逮捕した。
「佐藤学、上山和美殺害容疑の重要参考人として逮捕する」
そこにハングタンも居合わせたが、もうどうすることもできなかった。
「警察のみんなは佐藤先生が悪いと決め付けたけど、どうなのかしら」
「さぁ…」
「弥生が見たって言う木村と言う男、怪しいわね」
「でも証拠がなきゃだめじゃないの」
「その証拠をつかみましょうよ」
こうしてハングタンは出動した。

ショパンが上山和美の葬儀に参列した。そこで上山和美の秘書をしていた藤井京子は、佐藤学との関係を黙認しながらも佐藤の犯行ではないと言った。
「ということは…」
「実は内部でそれを知っているのは…だから調べなおしてください」
そう言って藤井はショパンに耳打ちした。
一方スティング、マッキー、ウイング、ホワイトは街中で聞き込み。佐藤学の犯行の動機を探っていた。
「佐藤さんは確か上山社長といさかいになってたことがあると聞きますよ」
「本当ですか」
「確か上山和美さんでしたよね、お父様が亡くなられてからここまで立派にされたと言うのに」
「佐藤さんの下の名前って確か学よね。もしかしたら初恋の…」
「初恋の人?」
「そ、20年以上前に付き合っていた先輩だって」
スティングはそれを聞いて菜園のあの井坂税理士事務所へやってきた。
「井坂さん、今日はちょっと話があるんですよ」
「話?」
「実は上山和美のことで…」
「ああ、上山社長ですか。かわいそうに」
そして井坂は上山和美の会社のデータをスティングに手渡した。

さて警察に捕まった佐藤学は白を切っていた。覚えがない殺人に何の証拠があってと泣いてばかりだ。
「あのとき、目を覚ましたら女が死んでいたんだよ」
「ふざけんな」
「料亭を酔って出てしまったんだ。それからのことはもう何も…」
刑事は机を叩いて佐藤を強請る。
「…」
「それだけか。都合の悪いことはすべて白紙にするつもりか」
「違いますよ」
ハングタンは刑事たちより先にうなぎ割烹へ。そしてそこの仲居から佐藤と木村のことを聞き出した。
「これでまずは佐藤と木村がつながったわけね」
「でもそれだけじゃ…」
「警察は確たる証拠をつかんでいるわ。このままじゃ佐藤先生の懲戒免職はまぬがれない」
「そんな」
「だからあたしたちが佐藤先生の無実を証明するのよ」

ハングタンたちは上山和美の事件当日の足取りを追うことにした。当日は農協の関係者との会合があったらしい。
「それで、いつ退席したんですか」
「さぁ、確か4時ごろだったと思います」
「それだけで十分です。あとはお任せください」
さらにウイングがアローこと斉藤葵とさきほどの従業員に話を聞くと、警察には内密にしていたということをしゃべってくれた。
「実は警察には口止めされていたんですがね、木村さんが上山商事の献金を少しばかりもらっていたと言うんですよ」
「それは本当ですか?」
「ええ」
さらにマッキーが盛岡城址公園に落ちた片方だけのハイヒールを発見した。
「まさか」
しかしそこに銃声が。あわてて駆けつけたウイングだったが、すでに狙撃犯は走り去った後だった。
「ハイヒールを拾ったら撃たれそうになって」
「もしかして、上山和美の?」
「そうよ」
そこへ放課後の練習を終えたエースこと荒川まどかもやってきた。
「牧村先生!しっかりしてください」
「まどかじゃないの」
「今はそれどころじゃないわよ」

マンションの一室、大谷の表札がある部屋がハングタンのアジトである。ハングタンが全員揃い、アジトで作戦会議を開いた。
「警察は上山和美のハイヒールを遺留品として保管しているはずよね。それが片方しかないと言うのは…」
「確かにおかしいですね。警察は両方持ち去ったはずじゃないかしら」
「それに上山和美は佐藤学と婚約する予定をしていたらしいの。来年には結婚式を挙げるなんて言ってたし」
「えっ?それじゃ上山和美を殺す動機はまったくないじゃない」
「そういうことになるわね」
そこにスティングからの電話が入った。電話にはアローが出る。
「はい、こちら大谷探偵事務所…原さんですか」
「大変なんだ。佐藤学が明日にも送検される」
「そうなったら大変よ」
そしてアローは佐藤学が送検されることをみんなに告げた。が、マッキーはこれで真犯人が油断するかもと考えていた。
「上山和美と佐藤学の関係を知っていた人物、そして面識のある人物と言えば…」
ハングタンの推理はこうだ。木村樹が上山和美と何らかのトラブルで対立し、佐藤学を犯人に仕立て上げて木村が殺したと言うことだ。しかし確証は何もない。
「木村樹の身辺をマンツーマンのスクリーンプレーで」
マッキーの指示でハングタンは木村をマークすることになった。

ついに佐藤学容疑者の書類送検の日だ。スティングとショパンは佐藤の姿を確認してから刑事に直談判した。
「佐藤先生は悪くありません」
「わたしたちは真犯人を知っています」
「誰だ」
「佐藤学の無実を主張する弁護団でございます」
しかし刑事たちはスティングの訴えを却下した。それを見た男はそそくさと大通りのほうへ走っていった。
「あいつ、まさか木村と」
案の定男は木村の待つラーメン店にいた。
「ご苦労さん。これはおごりだ」
「だどもよぉ、一時はどうなるかってよ」
「ハイヒールのことか。誰かが捨てたに決まってる」
「まぁよいではないか。公園で絞め殺したあの女狐を、フィアンセが殺したとしたらそれはそれで辻褄が合う」
「まぁこれで会社はオレのもんだ」
そこへ黒い影が忍び寄り、木村と相手の男を誘惑する。
「そうですか。女を食い物にすると、女に泣きますよ」
そしてマッキーの号令とともに教え子たちが木村と相手の男に襲い掛かった。
「宮田、何をしている」
「専務」
宮田は銃を取り出そうとしたが失敗。そしてマッキーにリベンジされてしまった。

ショパンとスティングはパトカーを追う。そしてパトカーの無線に先ほどの会話を流すことに成功した。警察は無線から事件の真相を知り、ただちに佐藤学を釈放して木村と宮田を逮捕することにした。
「社長が金の使い込みを公表するとかしゃべるから」
「しかしそれとこれとは」
「あの女狐め、結婚したら我々なんてリストラする気だったんだ」
「そんなこと言ってわたしに証拠隠滅をお願いしたじゃありませんか」
「黙れ!」
ここでマッキーの怒りが爆発した。
「バッキャロー!」
結局木村と宮田は上山和美殺害の主犯として逮捕された。

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