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思いつき映画紹介

これまでみた映画を、ただ何となくですが、思いつくまま紹介してみたいと思います。

『ルパン三世 THE FIRST』とオマージュについて

2019年12月09日 | 映画紹介 ら行
 昨日(12月8日)、公開したばかりの『ルパン三世 THE FIRST』を見に行った。初の3DCG作品ということで、ここ数日メディアでも紹介されていたので、気になっていた。
 何といっても、今年(2019)、平成の年号も残りわずかの日の4月11日、原作者のモンキー・パンチさんが肺炎で81歳で亡くなったことを思い出した。
 しかも、先週の11月29日、かつて石川五右衛門の声を担当していた井上真樹夫(80)も狭心症で死去している。かつてのルパン三世を支えていた人々が人生に幕を閉じている。悲しい限りだ。

 ルパン三世シリーズは実際にはあり得ない架空の世界を楽しんでいる。アルセーヌ・ルパンの末裔という発想はスタート当時とても斬新で、何でも許せる世界観があった。末裔ネタが増えたのがこの作品が始めと言われている(劇場映画『ルパン三世VS名探偵コナン』の話題を聞いた時、ここまで来ると末裔やら何やら分からないなと思えてしまった)。何といってもこの作品は、日本での長寿アニメで、日本テレビを代表するアニメにもなっている。原作はハードボイルドでラフなタッチの作品で峰不二子も妖艶な魔性の女なのだけれど、アニメ版はいつも子ども受けする優しいルパン三世がいる。

 この作品は3DCGとして初の試みとなっている。
 なぜ、いまさらと感じるかもしれないが、この作品には数多くの劇場版があり、スピンオフ作品があり、設定がそのままでさえあれば様々なアレンジが許される懐の深さがある。
 このシリーズを変えたのは劇場版第二作『ルパン三世 カリオストロの城』と言ってもいいのかもしれない。宮崎駿の映画初監督作品で、このシリーズのイメージを大きく変えた気がする。この作品にも、ラストシーンをはじめ何度か、「カリオストロの城」へのオマージュを感じるところがある。といっても、これまでのシリーズで継承されているところもあるのかもしれないが……。
 個人的にはかつてたまたま見た、テレビスペシャル版第二作『ルパン三世 ヘミングウェイ・ペーパーの謎』の記憶がよみがえったのだけれど。全作品を見ているわけではないので、この作品の熱狂的なファンの意見に任せようと思う。
 歴史を重ねると、その作品に対する愛情は深まるものだと思う。自分自身はかつてルパンの声を担当していた山田康夫のことを思い出すし、幼かった頃のかつての記憶が蘇る。
 この作品にはそのこれまでの「ルパン愛」がぎっしりつまっている。また、しっかりとしたオマージュがある。

 モンキー・パンチは本来のアルセーヌ・ルパンにオマージュを捧げ、作品を描いている。また、晩年は大学院に通ったり、デジタルアニメに力を入れていたと聞いている。この作品にはそんな原作者の熱意へのオマージュがある。これまでの作品に対する敬意があり、かつての声優たちの思いに身をはせることとなる。オマージュがオマージュを呼び、誰に敬意を持っているのかも分からなくなる不思議な作品だ。

 実はこの作品、知人のジオラマ制作好きの方と見に行った。「最初はカクカクした感じがしたが、途中からどんどん引き込まれて気にならなくなった」と言っていた。かつての作品をもう一度見直してみたいとも。

 一つだけ触れさせてもらえるのなら、この作品「THE FIRST」と名付けられおり、『アリータ バトル・エンジェル』みたいに、続編ありきで話しが途中で終わってしまうのではないかと不安だったこと。見終わった時、ほっとしながらも、監督の山崎貴さんの続編を望む思いがこもった題名なのだと強く感じた。ただただ、この作品が興行的に上手くいくことを願うばかりだ。



映画『ルパン三世 THE FIRST』予告2【12月6日(金)公開】

 ……余談だけれど、「斬鉄剣」が流星で出来ていた設定は今回初めて知りました。💦 個人的には、レティシアの広瀬すずの声、結構よかったかも。



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