凍えるような寒さの中で、温かい差し入れはとても喜ばれた。11日夕方には食材がつきたため店を閉めた。補充の見通しも立たないため12日も終日休業せざるをえない。菅首相はなんと思うのだろうか。
店があるのは、北陸自動車道と並行する国道8号沿い。「恐らく雪で動けなくなる車が出るだろう」。9日、降り積もる雪を見ながら岩谷さんは、そう考えていた。
実は丸岡店は2018年の大雪の際にも、立ち往生した車に3日間にわたって無料で食事を振る舞っている。ただ岩谷さんは雪に阻まれて、初日は福井市の自宅から店まで来ることができなかった。
その経験から、今回は自宅に帰るのを早々に断念し、車で寝泊まりすることを決意。他の従業員7人と分担しながら、特に渋滞が激しかった10日夜には300人前の食事を用意し、雪の中、車まで歩いて届けた。
凍えるような寒さの中で、温かい差し入れはとても喜ばれた。なかには「お礼がしたい。料理を配るのを手伝わせてほしい」と言ってくれた人もいて、「ありがたかった」と振り返る。
10日夜には車が動き出したため従業員を帰らせたが、11日午前3時ごろになって再び渋滞が発生。急きょ店を開けてトイレを利用できるようにし、温かいスープも提供した。
11日夕方には食材がつきたため店を閉めた。補充の見通しも立たないため12日も終日休業せざるをえない。
それでも岩谷さんは「3年前に手伝えなかったのが、ずっと心残りだった。多くの人に感謝してもらえてよかった」とうれしそうに話した。【横見知佳】
しんぶん赤旗 2021年1月12日 専門家に聞いてみたら
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