透明人間たちのひとりごと

終末時計と終息時計

 核戦争による地球最後の日までのカウントダウンを概念的
に表示した 「世界終末時計」 の針が、1月10日に
残り5分」 になったと発表されました。

 「残り5分exclamation2 とは …

 どの程度の危機感なのかquestion2 「終末時計」 を管理する
米誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」に
よると、オバマ大統領が提唱した「核兵器なき世界」について
進展が乏しく、「実現に向けた道筋が全く明確でなく(世界の)
指導者は(努力を)怠っている。 発射可能な核弾頭が、まだ
約2万発あり、地球上の生物を数回全滅させるのに十分だ」
と、その理由を説明し強い危機感を示したそうです。



 同誌は、2010年1月、オバマ氏が2009年のプラハ演説で
核なき世界」 を唱えた後、核軍縮機運が高まったとして、
時計の針を1分戻し 「残り6分」 としたが、今回、2007年1月
から2010年1月までの 「残り5分」 に逆戻りしたわけです。

 この 「終末時計」 は、広島と長崎への原子爆弾投下
から2年後の1947年(米ソ冷戦時代)に、アメリカの科学誌
 『Bulletin of the Atomic Scientists』
原子力科学者会報) の表紙絵として誕生しました。

 以来、同誌は定期的に委員会を設けて、「時刻」の修正を
行っているわけですが、分針を1つ進めた理由のひとつには
福島第一原発事故とその後の経緯・実情も当然ながら考慮
されたうえでの針の動きだと推測されます。

 核兵器のみならず気候の変動(地球温暖化)や環境破壊、
バイオテクノロジー関連の遺伝子組み替えや生命科学など
の負の側面に由来する脅威や危機も人類滅亡の危険因子
となっているのです。

 ところで

 時計の針が終末を指し示す午前零時に最も接近したのは
アメリカとソ連が水爆実験に成功した1953年の 2分前
ソ連が核実験に成功した1949年と米ソ間の軍拡競争が激化
した1984年の 3分前 がそれにつづきます。

 反対に最も遠ざかったのは、1991年の 17分前 です。

 この年には、ユーゴスラビア社会主義連邦共和国の解体と
ソビエト連邦の崩壊という大事件があったからです。

 
 でも、1953年当時の 2分前 よりも、現在の地球の方が
トータルでの危険度は増しているように感じているのはひとり
2号 だけでしょうかquestion2

 正直なところ 透明人間2号「終末時計」
1分 を切って 59秒前 といった感じなのですが …

 それは、今年(西暦 2012年)がマヤ暦による地球滅亡の年
にあたるからではありません。

 現時点で世界中には何百基もの原発施設が存在します。

 福島第一原発の事故後でもドイツとイタリアなどを除けば
原発の推進は世界の潮流です。

 原発の施設がさらに増えるのは必至なうえに核廃棄物の
最終処理や処分方法も未だに100%確立された技術はない
というのが現状なのに … です。

 危機的な地球温暖化の対策として、CO2(二酸化炭素)
を排出しないクリーンで有効的なエネルギーであると大上段
から喧伝されても、日本を例に挙げるまでもなく自然災害を
受けやすい地域の原発施設の脆弱性は言うに及びません。

 そもそも原子力発電所といっても、要は原子炉なのです。

 歴史上において原子炉が初めて造られたのは、1942年の
マンハッタン計画で、原子爆弾の原材料(プルトニュウム)を
人工的に調達するためのものだったのです。

 しかも基本的に、その主旨は今もって健在なのです。

 つまり全世界には、いつ漏れ出してもおかしくない放射能を
常時生産し得る施設がじゃんじゃんと造られているのです。

 これでは、米ソが水爆実験に成功した1953年当時の時刻
午前零時の 2分前 よりもずっと今の方が切迫していると
言えるのではないでしょうか eq

 だから 2号「終末時計」 の針は、59秒前
だと言うのです。 

 そう言えば、まだ 「終息」 のかけらも見い出せていない
と言うのに政府は早々と昨年の12月に福島第一原発事故
「収束宣言」 を発表しましたよね。

 一般的に 「シュウソク宣言」 と音だけを聞けば大多数の
日本人は 「終息宣言」 だと理解するはずですよexclamation2

 つまりは、

 「冷温停止状態」 を一気に飛び越して 「事故収束」
を臭わせる野田首相の発言に、「収束」と「終息」との錯誤を
意図させる詐術的な欺瞞(ぎまん)と偽りの政治的な姿勢が
垣間見えるわけですが …、それは穿(うが)ち過ぎというもの
で、おそらくは拡大方向ではなく縮小方向へと向かっていると
いう程度に解釈するのが無難なのでしょう。

 「収束」 は「発散」 の反対語で、「事態が収束する」 など
混乱が収まるという意味で使用されます。

 そこには人為的な能動性を感じさせますが、「終息」 には
能動的な要素よりも 「自然に終息する」 など受身的ではある
けれど実際的に事実としての終わりや区切りがついた状態
を言います。

 それまでに果たして、何十年あるいは何百年かかるのか 

 正直、わかりません 

 当ブログの2年ほど前の記事 『真実の不思議』
「世の辞書に不可能の文字はない」 などと
ナポレオンは言ってはいないと 5号 が書いていたけど …

exclamation http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/151.html(参照)

 やっぱり彼は、自信満々にそう言ったのだと思いたい。

 とかく、名言とはそうした経緯で創られ語り継がれるもの
ではあるけれど、彼をしてこそ、そう言わしめたと鼻高々の
ドヤ顔ポーズをするナポレオンを思い浮かべています。

 ですから、周囲から 「ああだ、こうだ」 と言われても

 野田首相には自信をもって堂々としたドジョウ政治
是非にもお願いしたいものです。

 敢えて肯定的に考えれば、昨年の日本は …

 「備えあれば憂いなし」 と準備したはずの「転ばぬ先の杖」
が、いとも容易(たやす)く折れてしまったのだと言うべきなの
かもしれません。

 自信過剰による過信からの油断大敵状態だったのです。

 深い悲しみだけを残して、他のすべてをぶち壊し押し流して
いったかのような2011年でしたが、2012年の最初の記事
こそは夢や希望に溢れる明るい話題にしたかったけれど …

 残念な結果と言わざるをえません。

 3.11 東日本大震災の被災地の 「復興時計」
福島第一原発事故での 「終息時計」 は、現時点では
いったい何時何分何秒を指し示しているのでしょうかeq

 「世界終末時計」 の針は 2号 のなかの
永遠につづく 0分59秒前 であって欲しいものですが、

3.11 での 「復興時計」 や原発事故の
「終息時計」 は、一刻でも早く午前零時を
指し示して欲しいと切に願うばかりです。 clap nose3 
                            
                              合掌

     

コメント一覧

ケセラセラ
終末時計の針は進むことはあっても止まることも戻ることもありえないでしょう。
一方で震災の復興時計や原発事故の終息時計の針は遅々として進まないでしょう。

そうした時代に生まれて来たことを是とするか非とするかはアナタ次第ですが…
茶山竜之介
『論語』 過ちて改めざる是を過ちと謂う。

これですね!
核なき子
福島の原発事故で膨大な放射性物質をまき散らした日本は、少なくとも30秒は針を進めたのではないでしょうか。

その点で日本の責任は免れないと思います。
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