」３月４日のロシア大統領選挙での結果をどう思ったのかは
知らないけど、開口一番 １号 さんは そう呟いていました。
「伏兵」 とは、敵の不意を襲う目的で気づかれない場所に
隠れて待機している軍勢をさす言葉で、転じては予期しない
結果をもたらす人や障害などを意味します。
伏兵の存在とその出現を期待していたのかどうかは不明
ですが、大方の予想に違（たが）わぬ結果に満足していない
様子ではありました。
まあ、なんとなくですが ２号 としては、こう思うのです。
プーチン氏が４年ぶりに大統領に復帰することになれば、
北方領土問題に何かの進展が見られるのは確かでしょう。
交渉内容の善し悪しは別にしても、解決への兆し機運が
高まってきたような感触があります。
但し、それは伏兵を潜ませたうえでのプーチン流の秋波
を送る手なのかも知れませんが …
ちなみに、「秋波」とは、秋の頃の澄み切った波の意味で、
それが女性の涼しげな目元のたとえから、さらに男性の気を
引くための色っぽい目つき、つまり色目を使うと同義となって
、現在では男女間に限らず一般的に媚を売る（送る）意味で
用いられているようです。
「これは批准された文書か」
平和条約締結後の歯舞、色丹両島の引き渡しを記した
1956年の日ソ共同宣言を読み、プーチン氏は駐日ロシア
大使に尋ねた。
「そうです」 と、大使が答えると …、
「それなら（宣言の履行は）義務だな」
プーチン氏はそう言ったそうです。
大統領に初当選した2000年のことだそうですが …
ロシアは2008年に中国と2010年にはノルウェーとの間で
係争中の境界地をほぼ２分割することで国境を画定する
合意を得ています。
これらの領土・大陸棚境界画定問題は、２国間の関係が
良好な時期に解決したわけですが …
１号 さんの記事 『北方領土の日』 にもあるよう
に、四島のわが国への帰属は明白であるだけに 秋波 に
惑わされての 「痛み分け」 的な決着 だけは、断じて
許されません。
しかも、プーチン氏は北方領土問題に先立って、わざわざ
日本語を用いて 「引き分け」 決着を臭わせました。
機先を制するとも、またウインクついでに秋波を送ってきた
とも受け取れるような意味深な発言で日本の外務省幹部は
「額面通りに受け取りたい」 と期待を滲ませているようです
が、「２島以上は断じて返さない」 とする意思表示であって
「平和条約締結後にはいかなる領土問題も残らない」 と
まったく譲歩の余地のないことを強調しているわけです。
国後、択捉を含む四島一括返還が本筋ではあるけれど、
四島の帰属さえ確認できれば、返還の時期や在り方などに
ついては性急に問う必要はなく両国間でのソフトランディング
が可能な着地点を柔軟に見つけられればいいのですが …
そう易々とは問屋が卸してくれそうもありません。
2010年に旧ソ連時代を含めて、ロシア元首としては初めて
国後島を訪問したメドベージェフ大統領のパフォーマンスは、
いずれ来る交渉の為の伏線だったわけで …
ここまではメドベージェフ氏の熱演もあって、プーチン氏の
仕組んだシナリオ通りにコトが進んでいるように見えます。
たとえ日本への帰属が正真正銘の正義であったとしても、
早い話が、国後島と択捉島はロシアのものだと突っぱねて
いるわけです。
さらに気になる事としては、大統領選の不正疑惑もさること
ながら、件（くだん）の北方領土を含む２行政地区においては
前回、2008年にメドベージェフ氏が獲得した約79％には遠く
及ばなかったものの約68％の得票率を占めて、他の候補を
圧倒している点です。
ロシア極東サハリン州の選管の発表によると 国後、色丹、
歯舞群島を管轄する南クリル地区で約66％、択捉島などを
管轄するクリル地区では約70％の票を得ています。
４年間にメドベージェフ氏よりも11％減ったと見るべきか
それともプーチン氏への逆風が囁かれる中でも、インフラ
（空港や港湾、道路などの整備）を強化した中央政府の北方
四島に対する施策が功を奏しての得票結果であったと推察
するべきなのか
微妙に錯覚をしてしまいそうです …
。何がどうあれ、かつてのソ連が卑怯極まりない厚顔無恥な
方法で奪い取った島（土地）であったとしても、現にロシアの
人々が生活している島の日本への帰属返還問題なのです。
コトは容易ではありません。
日本政府も遮二無二に、四島の一括返還だけを主張する
のではなく日露両国にとって建設的で画期的で独創的なる
アイデアや方策がきっと見つかるはずですので …
ここは、脳を絞って知恵の汗を結晶させられるような交渉を
野田首相にもプーチン大統領にも期待したいものです
「秋波を送り、伏兵を潜ます」 ような交渉は、
お断りですよ!! プーチンさん
そっ、そう言えば そうだっけ 思い出した
貸していた三国志（横山光輝）の全巻、
もう、いい加減に返してくださいよ １号 さん
