透明人間たちのひとりごと

<カシコイモノゴザル>

 おお、 「我に傘を与えたまえ」

 … と、ついさっきまで懇願していたのがまるで嘘のように
雨は止み暗雲は消え去り、陽光が射してきたのです。

 思えばそれが一昨々日のことで、一昨日には気象庁が
県内を含む東海地方が梅雨明けしたとみられると発表 …

 いつなんどきに、突如として何処で襲われるかも予測が
つかないような集中豪雨を「ゲリラ豪雨」とは、よくも
まあ命名したものだと感心しますが、

 <神は「光あれ」と言われた。
    すると光があった>


 ザーザーと大きな音を立てていた雨が、一転してキラキラ
輝きながら降り注がれる太陽の光となって地表に降り立つ、

 まさに、そんなイメージの急転直下の …

 symbol2kirakirakirakira2「コペルニクス的転回気象」

 … とでも名付けましょうか

 いやいや

 「台風一過」 に倣(なら)った「豪雨一過」
青空 としたほうがもっとずっと分かりやすい状況だと
思うわけなのですが … ase2

 さて

 前回の 『神よ、傘を与えたまえ!』 では

 日本最古の 「ヨハネによる福音書」 の和訳に
関する記述を紙幅の関係から割愛したのですが、

exclamation http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/373.html(参照)

 実は、今回のエントリーは輪番制の順番では、5号
担当をするはずだったのです。

 ところが、割愛した聖書翻訳(和訳)に至るまでの物語に
興味と関心を示した5号から続きを書くように催促された
関係で、こうして2回連続で2号が記事を受け持つことに
なったという次第なのです。

 まあまあ、そんな経緯(いきさつ)があったわけですが、
オランダ人宣教師ギュツラフと尾張国は知多半島小野浦
出身の3人の水夫の話を始める前に翻訳された日本での
最古となる「ヨハネによる福音書」の冒頭部分
を紹介(引用)します。

 
 <ハジマリニ  カシコイモノゴザル、 コノカシコイモノ 

  ゴクラクトトモニゴザル、コノカシコイモノハゴクラク。

  ハジマリニ コノカシコイモノ ゴクラクトトモニゴザル>


 それは、こんな感じの書き出しで始まっているのですが、
一般的な現代版も載せておきましょうねpeace

 <初めに言葉があった。 言葉は神と共にあった。
 言葉は神であった。この言葉は初めに神と共にあった>

 つづいて、

 <すべてのものは、これによってできた。 できたものの
   うち、ひとつとしてこれによらぬものはものはなかった

 さらに、

 <この言葉に命があった。  この命は人の光であった。
  光は闇のなかで輝いている。 闇は光に勝たなかった>


 創世記1章1節では

 「初めに神は天と地を創造された」という
ように極めて簡素にして力強い宣言をするわけですが
、この場合の「初めに創造された天と地」
ヨハネが伝える「初めにあった言葉」 とは、一体
全体どういう関係になるというのでしょうか

 どちらの「初め」最初最初なのか

 頭がこんがらがってしまいそうですが、まずは天保3年
(1832年)に舞台を移すことにしましょう。


 ―― symbol2 ―― symbol2 ―― symbol2 ―― symbol2 ―― symbol2 ―― symbol2 ―― symbol2 ――


 14人の船乗りを乗せた尾張国は小野浦の千石船が嵐に
あって漂流します。

 1年と2カ月におよぶ長い漂流のうえ、帆柱も舵も失った
宝順丸は、カナダの西岸にあるクイーン・シャーロット島に
漂着します。

 11人が死んで、残ったのはわずかに3人でしたase

 この3人はインディアンに捕らえられて酷使されるわけ
ですが、うわさを聞いたイギリス商船が、哀れに思い3人
の水夫を助け出します。

 そして、はるか南アメリカのマゼラン海峡を経てロンドン
に連れて行ったのです。

 日本人でロンドンに上陸したのは、この3人が初めてで
あるといわれていますが …

 その後この3人は、アフリカの喜望峰を経て、マカオまで
送られ、そこでギュツラフという宣教師に託されます。

 ギュツラフは20何カ国の言葉を操る語学の天才で、彼は
すでに英和・和英辞典を持っていたのです。

 この3人から日本語を学んだギュツラフは、やがて3人を
相手に、初めてとなる福音書の和訳を成し遂げるのです。

 福音書の和訳という大業を手伝った3人は、何年も夢に
見た故郷に帰ることになり、モリソン号という船で故国日本
に向かいます。

 懐かしの日本を目前にした時の3人の喜びはいかばかり
だったのだろうか、しかし、当時の日本はまだ鎖国政策の
只中にあり、はるばる3人を送ってきたモリソン号を幕府は
異国船打ち払い令によって追い払ってしまったのですase

               ― 以上 ―

 KAPPA BOOKS『新約聖書入門』 三浦綾子著
(光文社)を参考に引用及び加筆アレンジを加えました。


 ―― symbol2 ―― symbol2 ―― symbol2 ―― symbol2 ―― symbol2 ―― symbol2 ―― symbol2 ――


 結局のところ、泣く泣く3人はマカオに戻るしかなかった
わけですが、世界一周を日本人で初めて成し遂げたのも
おそらくはこの3人だったのでしょうね


 さて、さて、

 前述の最初最初「天と地」だったのか

 それとも「言葉」であったのか … ですが、


 創世記はモーセを通して地球上の人間の視点で語られて
いますので、宇宙の始まりや地球の誕生には無頓着です。

 ですから、

 「初めに神は天と地を創造された」
とあっさり宣告するわけです。

 つまり、

 宇宙地球も創造の日が始まるずっと以前から
そこに存在していたということです。 

 あくまでも地球という星における創造の日の出来事
(創世記1章3節以降)と天と地の創造(創世記1章1節)は
まったく別の事柄なのです。

 <神は「光あれ」と言われた。すると光があった。(中略)
 次いで神は言われた「水の間に大空が生じ、水と水とを
 分けよ」そのようになった。(中略)次いで神は言われた、
 「天の下の水は一つのところに集められて、乾いた陸地
 が現われよ」そのようになった>

 こうして大空を“天”と呼び、乾いた陸地を“地”と呼ん
だのですが、空に浮かぶ水蒸気である雲も天の上の水
してその存在が示されているわけです。

 このようにして

 言葉によって天地創造がなされる以前から
により創造された「天」「地」 right 宇宙地球
はすでにこの世界に存在していたということなのです。

 それでは、ヨハネの言う「初めに言葉ありき」
「初め」とはいつのことでしょうか

 文語訳では「太初(はじめ)ですから、宇宙
創られるずっと以前のその先の先の先 … なのかも

 では、肝心の「言葉」とは、なんでしょうか

 と共にあって、でもあったモノ、そして万物
これによってできたとされるモノ

 真理知恵知性叡智エネルギー

 この中では、叡智エネルギーミックスした
(パワー)がもっともそれ近いという感じがしますね


 そもそもが、

 「言葉」という訳がよくない。 誤解されるもとだし、
江戸時代の「カシコイモノ」のほうが訳としては素朴
で理解しやすく断然に優れていると思われますpeace

 上記したヨハネによる福音書の下線部から判断すると、
「言葉」「元素」と置き換えてもかまわないような
気もしますが、やはり、組成としての元素をもつくりだした
であってではない「カシコイモノ」
に優(まさ)る和訳はないような気がしますが … peace

 ところで、

 あの天保時代、寺子屋にもろくに通えずに、書物らしい
書物も読まなかったであろうと思われる3人の水夫たちが
、深遠なる「ロゴス」をどのようにして訳したのだろうか
と思いを馳せると「カシコイモノ」という訳語に
辿り着いたことは奇跡の偶然があったとしか思えません。

 それから180年の時を隔てて、民間航空機がミサイルで
打ち落とされ、旧約聖書の約束の地では今もロケット弾が
飛び交い地上戦が活発化している始末です。


 「オオカミよ !!」

 基、もとい本居モトイ元意

 おお、神よ !!

 「カシコクナイモノタチ
  イマダ ココニゴザル」
ase2

コメント一覧

バカボンのパパのパパ
民族と宗教の対立と紛争の毎日に辟易なのだ!
葬式は仏教で、結婚式は教会で、初詣は神社で...
節操のない日本がいちばん平和なのだ!
ダビデの影
{ア~、ウ~」ではなく、「イエス」です。
ヨハネは言葉は「イエス・キリスト」であるとはっきりと示しています。(ヨハネ1:14)
聖書で調べてみてください。
皮肉のアッコちゃん
最初にある言葉とは「ア~、ウ~」じゃないの?
ココナン
「ハジマリニ カシコイモノゴザル」ではなく、「カシコイコトゴザル」だったら完璧だったと思われます。
「事物」の「事」ですが、ものは移ろい、ことは不動にして普遍だと考えられるからです。
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