「電気ブラン」と言うブランデーを頂きました。
およそ120年前に浅草の「神谷バー」で誕生したブランデーベースのカクテルです。その明治の頃には目新しいものには”電気○○”などと呼ばれて人々の関心を集めていました。更に電気ブランはたいそう強いお酒で、当時はアルコール度45度。それが又”電気”とイメージがダブって、この名がぴったりだったのです。ちなみに現在の電気ブランはアルコール度30度、電気ブラン〈オールド〉は40度です。明治・大正・昭和・平成と時代は移っても人の心に生き続ける電気ブラン。電気ブランは下町の人生模様そのものです。一口、また一口とグラスを傾けると、時が逆さに動いて、見知らぬ時代の見知らぬ人に会えそうな、そんな気がしてきます。
と言う歴史ある「電気ブラン」。頂いたのは40度の「電気ブランオールド」の方です。殆ど当時の処方通りにブランデーをベースに、ワイン、ジン、キュラソー、ベルモット等がカクテルされているそうですが、その分量は秘伝だそうです。
少しずつ嗜んで頂いております。