太陽系の惑星で太陽に最も近い水星を調べるために、日本と欧州が協力して探査機を打ち上げる計画が進んでいる。両者が手を組む初めての大型宇宙探査計画で、「ベピ・コロンボ」と名付けた。地球のような岩石でできた惑星がどのようにして生まれたかや、太陽系以外で見つかっている惑星が生命に適した環境なのかなどの研究につながると期待されている。
計画では2018年10月、2基の探査機を1つのロケットに載せて南米の仏領ギアナから打ち上げ、7年あまりかけて2025年に水星に到着する。水星は直径が地球の半分以下と小さいうえに太陽の強い重力の影響も受けやすく、探査機を水星を回る軌道に乗せるのはとても難しい。地球や金星の重力も利用しながら慎重に時間をかけて水星を回る軌道に投入する。
2基の探査機のうち1基は日本が開発した磁気圏探査機(MMO)で、水星をとりまく磁場や大気を調べる。もう1基は欧州が開発した表面探査機(MPO)で、水星表面の地形や物質の構成、さらに重力分布などを調べる。2基の探査機で磁場や重力などを総合的に調べることで、表面や周囲の様子だけでなく、水星内部の構造まで解き明かす手掛かりが得られる。
水星は弱いながら地球と同じように磁場を持っているが、金星や火星には磁場がない。地球の磁場は内部で溶けた金属が対流しているために生じていると考えられている。地球よりずっと小さく冷えやすい水星がなぜ今でも磁場を持っているかはナゾだ。
また水星をつくっている物質の構成も、地球や月とはかなり違っていると考えられている。こうしたことを調べれば、地球や水星のような岩石でできた惑星がどのようにして生まれたのかや、さらに太陽系の歴史を調べる手がかりになる。
太陽系だけでなく、太陽系以外で見つかっている多くの惑星の研究にもつながる期待がある。系外惑星には水星のように地球よりずっと恒星に近い場所を回っている惑星も多い。太陽からの強い光や熱、さらに太陽風の強力な粒子線にさらされている水星がどのような影響を受けているかを調べれば、太陽系以外の惑星の様子や生命が存在する可能性を考える参考になる。
これまで水星を調べた探査機は2基しかなく、水星を回る軌道に入ったのは米航空宇宙局(NASA)の「メッセンジャー」だけだ。ベピ・コロンボは2年かけて水星を詳しく調べる予定で、どのような素顔を明らかにしてくれるのかが待たれる。日本経済新聞web版より
計画では2018年10月、2基の探査機を1つのロケットに載せて南米の仏領ギアナから打ち上げ、7年あまりかけて2025年に水星に到着する。水星は直径が地球の半分以下と小さいうえに太陽の強い重力の影響も受けやすく、探査機を水星を回る軌道に乗せるのはとても難しい。地球や金星の重力も利用しながら慎重に時間をかけて水星を回る軌道に投入する。
2基の探査機のうち1基は日本が開発した磁気圏探査機(MMO)で、水星をとりまく磁場や大気を調べる。もう1基は欧州が開発した表面探査機(MPO)で、水星表面の地形や物質の構成、さらに重力分布などを調べる。2基の探査機で磁場や重力などを総合的に調べることで、表面や周囲の様子だけでなく、水星内部の構造まで解き明かす手掛かりが得られる。
水星は弱いながら地球と同じように磁場を持っているが、金星や火星には磁場がない。地球の磁場は内部で溶けた金属が対流しているために生じていると考えられている。地球よりずっと小さく冷えやすい水星がなぜ今でも磁場を持っているかはナゾだ。
また水星をつくっている物質の構成も、地球や月とはかなり違っていると考えられている。こうしたことを調べれば、地球や水星のような岩石でできた惑星がどのようにして生まれたのかや、さらに太陽系の歴史を調べる手がかりになる。
太陽系だけでなく、太陽系以外で見つかっている多くの惑星の研究にもつながる期待がある。系外惑星には水星のように地球よりずっと恒星に近い場所を回っている惑星も多い。太陽からの強い光や熱、さらに太陽風の強力な粒子線にさらされている水星がどのような影響を受けているかを調べれば、太陽系以外の惑星の様子や生命が存在する可能性を考える参考になる。
これまで水星を調べた探査機は2基しかなく、水星を回る軌道に入ったのは米航空宇宙局(NASA)の「メッセンジャー」だけだ。ベピ・コロンボは2年かけて水星を詳しく調べる予定で、どのような素顔を明らかにしてくれるのかが待たれる。日本経済新聞web版より