何も問わない【1】

目にとまる

ベピ・コロンボ

2017-07-30 19:22:15 | 日記
 太陽系の惑星で太陽に最も近い水星を調べるために、日本と欧州が協力して探査機を打ち上げる計画が進んでいる。両者が手を組む初めての大型宇宙探査計画で、「ベピ・コロンボ」と名付けた。地球のような岩石でできた惑星がどのようにして生まれたかや、太陽系以外で見つかっている惑星が生命に適した環境なのかなどの研究につながると期待されている。

 計画では2018年10月、2基の探査機を1つのロケットに載せて南米の仏領ギアナから打ち上げ、7年あまりかけて2025年に水星に到着する。水星は直径が地球の半分以下と小さいうえに太陽の強い重力の影響も受けやすく、探査機を水星を回る軌道に乗せるのはとても難しい。地球や金星の重力も利用しながら慎重に時間をかけて水星を回る軌道に投入する。


 2基の探査機のうち1基は日本が開発した磁気圏探査機(MMO)で、水星をとりまく磁場や大気を調べる。もう1基は欧州が開発した表面探査機(MPO)で、水星表面の地形や物質の構成、さらに重力分布などを調べる。2基の探査機で磁場や重力などを総合的に調べることで、表面や周囲の様子だけでなく、水星内部の構造まで解き明かす手掛かりが得られる。

 水星は弱いながら地球と同じように磁場を持っているが、金星や火星には磁場がない。地球の磁場は内部で溶けた金属が対流しているために生じていると考えられている。地球よりずっと小さく冷えやすい水星がなぜ今でも磁場を持っているかはナゾだ。


 また水星をつくっている物質の構成も、地球や月とはかなり違っていると考えられている。こうしたことを調べれば、地球や水星のような岩石でできた惑星がどのようにして生まれたのかや、さらに太陽系の歴史を調べる手がかりになる。


 太陽系だけでなく、太陽系以外で見つかっている多くの惑星の研究にもつながる期待がある。系外惑星には水星のように地球よりずっと恒星に近い場所を回っている惑星も多い。太陽からの強い光や熱、さらに太陽風の強力な粒子線にさらされている水星がどのような影響を受けているかを調べれば、太陽系以外の惑星の様子や生命が存在する可能性を考える参考になる。

 これまで水星を調べた探査機は2基しかなく、水星を回る軌道に入ったのは米航空宇宙局(NASA)の「メッセンジャー」だけだ。ベピ・コロンボは2年かけて水星を詳しく調べる予定で、どのような素顔を明らかにしてくれるのかが待たれる。日本経済新聞web版より

お金【有料会員】

2017-07-28 03:56:15 | 日記
 【ニューヨーク=清水石珠実】米新聞大手のニューヨーク・タイムズが27日発表した2017年4~6月期決算は、最終損益が1560万ドル(約17億円)の黒字となった。前年同期は海外支局の閉鎖やリストラ費用などを計上して21万ドルの赤字だった。売上高は9%増の4億707万ドル。電子版契約者数の増加が貢献して購読料収入が14%増えた。

 広告収入は0.8%増。紙媒体向けは11%減だったが、電子版向けが23%伸びて、全体としてプラス成長になったことも好決算に貢献した。

 電子版の有料会員数は3カ月間で9万3000人増えた。6月末時点での有料会員数は約203万人。ニューヨーク・タイムズによると、新聞系の電子版で有料読者数が200万人の大台に乗るのは初めて。クロスワードのスマートフォン(スマホ)向けアプリを含めると有料会員は約233万人に達した。

 トランプ政権誕生を背景に米国のニュースに対する関心が高まり、国内だけでなく、海外からの読者も増えているという。マーク・トンプソン最高経営責任者(CEO)は「世界で何が起きているのかを理解するために、より多くの人が質の高いジャーナリズムにはお金を払っても構わないと感じるようになっているようだ」と語った。

遺伝子

2017-07-22 18:20:44 | 日記
 海洋研究開発機構は、生命を維持するための呼吸や代謝などをつかさどる遺伝子が無くても生きている微生物を見つけたと発表した。子孫も残していた。なぜ生存できるのかこれまでの常識では説明がつかないという。生命の進化をひもとく新たな発見として、解析を進める。

 世界には、地球内部を動くマントルが地殻変動の影響で地上に露出し、かんらん岩となった場所が数カ所ある。米カリフォルニア州ではこうした場所に泉があり、ユニークな微生物が水中の岩石にはりついているのを見つけた。

 27種類の微生物のゲノム(全遺伝情報)を解読したところ、16種類の微生物は呼吸をつかさどる遺伝子が無かった。そのうち5種類は糖の分解やアミノ酸の生産を通じてエネルギーを取り込む遺伝子が見あたらなかった。27種類のすべてが、増殖して子孫を増やしていることがゲノムから読みとれたという。

 研究チームは、泉の水とかんらん岩が触れて別の岩石に変わる反応過程を微生物が利用し、栄養を受け取っている可能性があるとみている。今後、微生物の細胞の成分を解析し、どのように栄養を取ったり呼吸したりしているか調べる。日本経済新聞web版より

第157回

2017-07-20 00:12:04 | 日記
 第157回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が19日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は沼田真佑氏(38)の「影裏(えいり)」(「文学界」5月号)に、直木賞は佐藤正午氏(61)の「月の満ち欠け」(岩波書店)に決まった。8月下旬に都内で贈呈式が開かれ、受賞者に正賞の時計と副賞100万円が贈られる。


 沼田氏は北海道小樽市生まれ。盛岡市在住。受賞作「影裏」で今年5月に文学界新人賞を受け、作家デビューした。

 「影裏」は、首都圏から盛岡市に転勤してきた主人公の男性と、釣り仲間でもある同僚との交流を描く。同性愛や東日本大震災などのテーマを織り込みながら、人間が隠し持った複雑でとらえがたい内面に迫っている。

 沼田氏は記者会見で「光栄です。1作しか書いていないのでがんばりたい」と笑顔を見せた。選考委員の高樹のぶ子氏は「3.11を踏まえて人間の内部の崩壊を描いた」と高く評価した。

 佐藤氏は長崎県佐世保市生まれ。1983年デビュー。2015年に「鳩の撃退法」で山田風太郎賞。直木賞は初の候補での受賞となった。

 「月の満ち欠け」は生まれ変わりを繰り返す女性と、彼女と関わる家族や恋人の人生模様を描く長編小説。ありえない話に説得力を持たせる巧みな語り口で、奇想天外な愛の物語を描きだした。

 自宅のある佐世保市で電話取材に応じた佐藤氏は「作家の人生にはいろんなコースがある。直木賞にはこの年になってばったり出合った感じ」と喜びを語った。選考委員の北方謙三氏は「文章力が抜きんでていた」と評した。日本経済新聞web版より

藤沢里菜

2017-07-17 05:46:03 | 日記
 囲碁の第2回扇興杯女流最強戦の決勝は16日、滋賀県東近江市で打たれ、藤沢里菜女流本因坊(18)が謝依旻女流棋聖(27)を破り、初優勝した。藤沢女流本因坊は女流名人、女流立葵杯、扇興杯と合わせ、女流5棋戦のうち4つを制した。〔共同〕