【ソウル=峯岸博】朴槿恵(パク・クネ)大統領の職務停止が続く韓国で21日、次期大統領選をにらんだ動きがにわかに強まった。国連の潘基文(バン・キムン)事務総長が出馬に意欲を示した。潘氏への期待が強い与党セヌリ党では、朴大統領と距離を置く「非朴」派の30人超が政界再編をめざして離党の意向を表明し、保守政党の分裂が確定的になった。
「偽物の保守と決別し、真の保守政治を中心に立てる」。21日のセヌリ党非朴派の会合後、同派スポークスマンは27日付で集団離党すると宣言した。21日時点で35人が離党の意思を示しているという。同党所属議員128人の3割弱を占める。セヌリ党は最大野党「共に民主党」の121人に抜かれ第2党に転落する公算が大きい。
李明博(イ・ミョンバク)前大統領から保守政権が2代続いた韓国内では「変革」を求めるムードが強まっている。朴大統領の友人をめぐる一連の疑惑では与党も世論の批判にさらされ、セヌリ党の支持率は急落。非朴派は朴大統領に近い「親朴」派から党の主導権を奪取できなかったため、保守の生き残りを政界再編にかけることにした。
「共に民主党」の右派グループや野党第2党の国民の党など保守中道勢力を結集し、大統領選で革新勢力の有力候補、共に民主党の文在寅(ムン・ジェイン)前代表に対抗する青写真を描く。
保守中道勢力の大統領候補には潘氏や国民の党の安哲秀(アン・チョルス)前代表らの名前が挙がる。セヌリ党の親朴、非朴両派ともに、外相や国連事務総長を歴任し国際的な知名度を上げた潘氏の動向を注視している。
潘氏は20日、今月末の任期満了を前にニューヨークの国連本部で韓国人記者団と会見し「私が国連事務総長を10年間務めながら学び、感じたことが韓国の発展に役立つならば、この身を燃やして努力する用意がある」と語った。韓国の次期大統領選に意欲を示した発言で、聯合ニュースなど韓国メディアは「事実上の出馬宣言」と伝えた。
潘氏は来年1月中旬に韓国に帰国する予定。「政治というのは1人でできるものではなく、手段とビジョンがなければならない」とも述べた。
民間調査会社のリアルメーターの次期大統領選の予想顔ぶれに関する最新の世論調査では、潘氏が22.9%のトップで、革新系の文氏をわずかながら上回った。潘氏は50~60代以上の中高齢層の支持を集めており、現時点では「保守系唯一の有力候補」の呼び声もある。
潘氏は会見で、国民不在の政党政治や与党内の派閥争いを批判し「国民の意思が最も重要だ。(大統領選への出馬を)どうするかは帰国後に各界の国民たちと会って話を聞いてから決めるべきだ」と語った。潘氏をめぐっては、当面、特定の政党や派閥にくみすることはせず、国民からの出馬待望論を見極める考えではないかとの観測がある。
野党系の大統領候補も準備を急いでいる。歯に衣(きぬ)着せぬ朴氏批判をテコに次期大統領候補の支持率で潘、文両氏を急追するのが共に民主党所属の李在明(イ・ジェミョン)京畿道城南市長。15日の文氏に続いて27日にソウルで外国メディア向けの記者会見を開くなど野党系の候補者争いも焦点になっている。
「偽物の保守と決別し、真の保守政治を中心に立てる」。21日のセヌリ党非朴派の会合後、同派スポークスマンは27日付で集団離党すると宣言した。21日時点で35人が離党の意思を示しているという。同党所属議員128人の3割弱を占める。セヌリ党は最大野党「共に民主党」の121人に抜かれ第2党に転落する公算が大きい。
李明博(イ・ミョンバク)前大統領から保守政権が2代続いた韓国内では「変革」を求めるムードが強まっている。朴大統領の友人をめぐる一連の疑惑では与党も世論の批判にさらされ、セヌリ党の支持率は急落。非朴派は朴大統領に近い「親朴」派から党の主導権を奪取できなかったため、保守の生き残りを政界再編にかけることにした。
「共に民主党」の右派グループや野党第2党の国民の党など保守中道勢力を結集し、大統領選で革新勢力の有力候補、共に民主党の文在寅(ムン・ジェイン)前代表に対抗する青写真を描く。
保守中道勢力の大統領候補には潘氏や国民の党の安哲秀(アン・チョルス)前代表らの名前が挙がる。セヌリ党の親朴、非朴両派ともに、外相や国連事務総長を歴任し国際的な知名度を上げた潘氏の動向を注視している。
潘氏は20日、今月末の任期満了を前にニューヨークの国連本部で韓国人記者団と会見し「私が国連事務総長を10年間務めながら学び、感じたことが韓国の発展に役立つならば、この身を燃やして努力する用意がある」と語った。韓国の次期大統領選に意欲を示した発言で、聯合ニュースなど韓国メディアは「事実上の出馬宣言」と伝えた。
潘氏は来年1月中旬に韓国に帰国する予定。「政治というのは1人でできるものではなく、手段とビジョンがなければならない」とも述べた。
民間調査会社のリアルメーターの次期大統領選の予想顔ぶれに関する最新の世論調査では、潘氏が22.9%のトップで、革新系の文氏をわずかながら上回った。潘氏は50~60代以上の中高齢層の支持を集めており、現時点では「保守系唯一の有力候補」の呼び声もある。
潘氏は会見で、国民不在の政党政治や与党内の派閥争いを批判し「国民の意思が最も重要だ。(大統領選への出馬を)どうするかは帰国後に各界の国民たちと会って話を聞いてから決めるべきだ」と語った。潘氏をめぐっては、当面、特定の政党や派閥にくみすることはせず、国民からの出馬待望論を見極める考えではないかとの観測がある。
野党系の大統領候補も準備を急いでいる。歯に衣(きぬ)着せぬ朴氏批判をテコに次期大統領候補の支持率で潘、文両氏を急追するのが共に民主党所属の李在明(イ・ジェミョン)京畿道城南市長。15日の文氏に続いて27日にソウルで外国メディア向けの記者会見を開くなど野党系の候補者争いも焦点になっている。